中国経済 感染拡大でサービス業中心に影響広がる

中国経済 感染拡大でサービス業中心に影響広がる
新型のコロナウイルスの感染拡大で、中国経済はサービス業を中心に大きな影響を受けるものとみられます。
感染の拡大が最も深刻な湖北省だけでなく、北京や天津など各地で、長距離バスが運休になったことなどから、中国交通運輸部によりますと旧正月の元日にあたる今月25日の旅客の輸送量は、去年に比べて28.8%減少しました。

また、中国で急成長している映画産業でも各地の映画館が閉館を余儀なくされるなど、影響が広がっています。

中国メディアは、ことしの旧正月の元日の興業収入は、去年と比べて99.9%の大幅な減少になったと伝えています。

さらに、北京にある世界遺産・故宮や上海のディズニーランドなど各地の観光施設も閉鎖していて、サービス業は大きなダメージを受けています。

影響は中国国内にとどまりません。

アジア開発銀行の推計によりますと、旅行や運輸業などサービス業の損失は、2003年に中国や東南アジアで新型のウイルス性肺炎が広がった際には、中国とマレーシアなどで合わせて100億ドル以上に上ったとしています。

中国は、国内での団体旅行だけでなく、27日から日本を含む海外への団体旅行を中止しています。

春節の期間中、中国から海外への旅行者は、ことし700万人を超えると見込まれるなど、2003年よりも大幅に増えていて、周辺の国や地域への影響が、さらに大きくなることも予想されます。

上海の証券取引所 再開日を2月3日に変更

上海の証券取引所は27日、春節にあわせた連休を延長し、連休明けの取り引きの再開日を、当初予定していた今月31日から来月3日に変更すると発表しました。

中国政府は、新型のコロナウイルスの感染拡大をおさえ込むため、春節の大型連休の期間を来月2日まで延長することを決めていて、上海の証券取引所は、これに合わせて日程を変更した形です。