伊方原発 運転できない状態が長期化か 四電 異議当面見送り

伊方原発 運転できない状態が長期化か 四電 異議当面見送り
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愛媛県にある伊方原子力発電所で重大なトラブルが相次いでいることを受けて、四国電力は、今月、広島高等裁判所が出した3号機の運転を認めない仮処分の決定について、異議の申し立てを当面見送る異例の対応を取ることを明らかにしました。異議を申し立てる方針自体は変わらないとしていますが、伊方原発3号機は運転できない状態が長期化する可能性が出てきました。
伊方原発3号機をめぐっては山口県の住民が運転しないよう求める仮処分を申し立て、今月17日に広島高等裁判所が地震や火山の噴火によって住民の生命や身体に具体的な危険があるとして運転を認めない決定を出しました。決定の効力は山口地裁岩国支部で審理されている正式な裁判の判決が出るまでの間ですが、伊方原発3号機は定期検査が終了することし春以降も運転できない状態になりました。

四国電力は当初、速やかに異議を申し立てる方針でしたが、伊方原発で作業中にすべての電源を一時喪失して停電するなど重大なトラブルが相次いでいることから、四国電力の長井啓介社長は異議の申し立てを当面見送る異例の対応を取ることを明らかにしました。長井社長は27日午前、報道各社に対し「今は異議を申し立てる状況ではない」と述べました。

異議の申し立てに期限はなく、四国電力は異議を申し立てる方針自体は変わらないとしていますが、時期については相次ぐトラブルの原因究明や安全対策を進めていく中で検討していくとしています。

これによって伊方原発3号機は運転できない状態が長期化する可能性が出てきました。

住民の弁護団「異議申し立てできないはず」

四国電力が異議の申し立てを当面見送る方針を示したことについて住民の弁護団の中村覚弁護士は「トラブルとは関係なく裁判所が決定した内容を真摯(しんし)に受け止めれば異議の申し立てはできないはずだ。四国電力は、裁判所に指摘された地震や火山の安全性について対応ができるまで原発の運転再開はしないでもらいたいし、異議の申し立てもしないでほしい」と話しています。

専門家「なぜトラブルが相次ぐか不思議 幅広い調査が必要」

伊方原子力発電所で定期検査中のトラブルが相次いでいることについて、旧原子力安全・保安院で検査を担当するなど原子力の安全性に詳しい政策研究大学院大学の根井寿規教授は、四国電力はこれまでトラブルが少なかった電力会社の1つだったとして「トラブルが起きた作業はこれまでも定期検査で実施してきたものでもあり、なぜ今回、トラブルが相次いでいるのか正直、不思議だ」と話しています。

そのうえで「それだけに、さまざまな観点から理由を慎重に見ていく必要がある」と述べ、担当者の世代交代や人材育成、1号機、2号機で進む廃炉に関わる作業との兼ね合いなどを含めて、幅広い調査の必要性を指摘しています。