ウクライナ機「誤って撃墜の可能性」 米メディア イランは否定

ウクライナ機「誤って撃墜の可能性」 米メディア イランは否定
乗客乗員およそ180人を乗せイランで墜落したウクライナの旅客機について、アメリカの複数のメディアは、旅客機はイランによって誤って撃墜された可能性が高いとする、アメリカ政府関係者の見方を伝えました。一方、イランのメディアは、イラン当局の責任者が強く否定していると伝えています。
ウクライナ国際航空のボーイング737-800型機は8日、イランの首都テヘラン近郊の空港を離陸した直後に墜落し、ウクライナ政府によりますと乗客乗員およそ180人の全員が死亡しました。

アメリカの複数のメディアは9日、旅客機はイランによって誤って撃墜された可能性が高いとする、アメリカ政府関係者の見方を伝えました。

CBSテレビによりますと、イランから2発の地対空ミサイルが発射されたことをアメリカの衛星が探知し、その直後に旅客機が爆発したということです。

旅客機の墜落は、イランがアメリカ軍の拠点に対し軍事攻撃を行った後で、アメリカ政府関係者は、旅客機は、誤ってイランの防空システムの標的となったと見ているということです。

アメリカのトランプ大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に「機体の問題だとは思わない。誰かが間違いをした可能性がある」と述べ、撃墜された可能性を示唆しました。

イランは全面否定

これについてイラン航空当局の責任者、アベザデ氏は、9日、国営テレビなどに出演し、「この空域は、国際便や国内便が行き交っており、そうした場所でミサイルを発射するなどありえないことだ。筋の通らないうわさにすぎない」と述べ、強く否定しています。

また、当時の状況について、「目撃者の証言や、これまでに集まったデータなどから、旅客機は離陸しておよそ5分間飛行していた。機体は、高度8000フィートを飛んでいた」と説明しています。

そのうえで、「目撃者によると機体から火が出ていたということだ。もしミサイルで撃墜されたなら、バラバラになっているはずだ。また、航空機の経路をみているとパイロットは、機体から火が出たあと空港に引き返そうとしていた。そして、墜落時、機体は前面からではなく胴体部分から落ち、何度か跳ね上がっている。また、高度8000フィートでは防空システムが作動することはない」として、こうした状況から撃墜されたのではないと主張しています。

一方、これまでは目撃者の証言などから機体のジェットエンジンから火が出ていたとしていましたが、「機体のどの部分から火が出ていたかは、現時点の調査では確認できていない」としています。

そして、操縦席の会話などが録音されるブラックボックスについて、これまで、航空機のメーカーであるボーイング社や、アメリカ側に提供することに否定的な姿勢を示していましたが、アベザデ氏は、アメリカやボーイング社、そして、カナダなど関係国を調査に招待したとしています。

また、今回の墜落を調査している調査委員会の責任者も9日、政府系の通信社「ファルス通信」に対し、「現時点の調査で、機体がミサイルで撃墜されたことを示す証拠は何ひとつ見つかっていない」と否定しました。

この墜落をめぐっては、機体が墜落したのが、8日午前6時すぎで、同じ日の午前2時ごろにイランがアメリカ軍に対し軍事攻撃を行っていたことから、何らかの軍事行動に巻き込まれたのではないかという臆測が当初から上がっていましたが、イランの航空当局は繰り返し否定し、イラン軍の広報官も、「ばかげたプロパガンダだ」などと、強く否定していました。

一方、イラン大統領府によりますと、ロウハニ大統領は9日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談し、犠牲者への哀悼の意を示したうえで、原因の究明に向け、両国が全面的に協力していくことを確認したということです。