政府 国家安全保障会議で中東情勢について情報分析

政府 国家安全保障会議で中東情勢について情報分析
アメリカ国防総省が声明を発表し、アメリカ東部時間7日午後5時半ごろ、日本時間8日午前7時半ごろ、イランが十数発の弾道ミサイルをイラクに駐留するアメリカ軍と有志連合に対して発射したと明らかにしたことを受け、政府は午前、総理大臣官邸で、安倍総理大臣や麻生副総理兼財務大臣らが出席して、NSC=国家安全保障会議の4大臣会合を開き、中東情勢について最新の情報の分析などにあたりました。

首相 万全の態勢とるよう指示

菅官房長官は記者会見で、8日午前、NSC=国家安全保障会議の4大臣会合を開き、中東情勢について議論したとしたうえで、安倍総理大臣から、▼情報収集・分析に全力をあげ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、▼現地の邦人保護に全力をあげること、▼関係国と連携し、あらゆる外交努力を尽くすこと、それに、▼不測の事態に備え、万全の態勢をとることの指示があったと明らかにしました。

そのうえで、菅官房長官は、「政府として関係各国と連携しつつ、情報収集を進めるとともに、中東地域の在留邦人の安全に万全を期していく。また、すべての関係者に緊張緩和のための外交努力を尽くすことを求める。引き続き関係国と緊密に連携し、粘り強い外交努力を展開していきたい」と述べました。

菅官房長官「首相の中東訪問は情勢見極め判断」

菅官房長官は午前の記者会見で、今月中旬から安倍総理大臣がサウジアラビアなど3か国を訪問することについて、「今般の事態も含めた現地の情勢を見極めながら、判断していきたい」と述べ、情勢を見極めながら、予定どおり訪問するかどうか慎重に判断する考えを示しました。

さらに、中東地域への自衛隊の派遣について、菅官房長官は、「日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化することは必要だと考えている。現時点において、その方針に変更はなく、現地の情勢を見極めつつ、準備に万全を期していきたい」と述べました。

河野防衛相「自衛隊派遣 当初の想定のとおりに送り出したい」

河野防衛大臣は8日夜、防衛省で記者団に対し、「中東情勢の緊張を緩和させるために、あらゆる国に努力をしてもらわなければならない。日本としても、政府一体となって努力していきたい」と述べました。

そのうえで河野大臣は「状況に変化はあるが、自衛隊を派遣する閣議決定の変更が必要な要素ではない。さまざまな準備を進めていて、当初の想定のとおりに送り出したい」と述べ、今の段階で中東地域に自衛隊を派遣する計画を変更する必要はないという考えを示しました。

自民 岸田政調会長「自衛隊の取り組み より重要に」

自民党の岸田政務調査会長は、記者団に対し「中東情勢が極めて緊迫していることを深刻に懸念している。今後の推移次第では、エネルギーの確保や船舶の安全確保など、日本にも大きな影響が出ることが予想される」と述べました。

そのうえで、中東地域への自衛隊の派遣について「政府が『方針に変更はない』と言っているのは当然だ。日本の船舶に安全上必要な情報を提供するために派遣するのであり、地域の緊張が高まっているなら、自衛隊の取り組みは、より重要になる」と述べました。

茂木外相「すべての関係国に自制呼びかけたい」

茂木外務大臣は、日本時間の午後、訪問先のタイで記者団に対し、「すべての関係者に、緊張緩和のための外交努力を尽くすことを求めていた中で、今般の攻撃が行われ、深く憂慮している」と述べました。

そのうえで、「事態のさらなるエスカレーション=深刻化は避けるべきで、日本政府として中東情勢を高い緊張感を持って注視し、すべての関係国に自制を呼びかけ続けたい。私も、諸般の情勢が許せば、来週アメリカを訪問して本件に関して協議をしたい」と述べました。

自民 小野寺元防衛相「意義のある訪問」

自民党の小野寺・元防衛大臣は、東京都内で、記者団に対し、「安倍総理大臣が訪問する予定の中東の3か国は、アメリカ軍が駐留している国で、イランは、安倍総理大臣が何を言うのかを見ている。『中東の和平を望む』というメッセージを伝えられれば、意義のある訪問になるのではないか」と述べました。

自衛隊 海賊対策の活動に影響なし

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策のため、自衛隊が活動拠点を置いているアフリカ東部のジブチ国際空港の近くにはアメリカ軍の施設もありますが、防衛省関係者によりますと、現時点で自衛隊の拠点の警備態勢に変化はないということです。
また、海賊対策にあたる自衛隊の護衛艦と哨戒機の活動に影響はないということです。

国交省 空の便に影響なし

国土交通省航空局によりますと、今のところ、国内の航空各社や日本に乗り入れている各国の航空会社の運航に影響は出ておらず、被害の情報もないということです。また、旅客機が発信する位置や高度の情報をもとに飛行コースを公開している民間のホームページ、「フライトレーダー24」によりますと、今のところ、イラクやイラン上空を飛行する各国の民間機の運航に大きな変化はみられません。

国交省 海運各社に注意呼びかけへ

イランによる弾道ミサイルの発射を受け、国土交通省は、8日午後、付近の海域で船舶を運航する海運各社に対し、改めて注意を呼びかけました。

日本船主協会「対応を変えていない」

日本船主協会はNHKの取材に対し、「きょうの報道を受けてこれまでとは対応を変えていない。去年6月にホルムズ海峡付近でタンカーが攻撃を受けた事件以降、現場海域では警戒の強化や速度を上げた航行、それにイランの沿岸に近づかないといった対応をとっていて、そういった対応を継続している」と話しています。

ペルシャ湾航行の船舶 大きな変化なし

船舶が発信する位置情報をもとに運航ルートを公開している民間のホームページ「マリントラフィック」によりますと、今のところ、ペルシャ湾を航行する各国の船舶の動きに大きな変化はみられません。