イラン「報復対象は米軍関連施設」イランの出方が焦点に

イラン「報復対象は米軍関連施設」イランの出方が焦点に
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アメリカ軍によって、イランの精鋭部隊の司令官が殺害されたことについて、イランの最高指導者の軍事顧問は、アメリカのメディアに対し、アメリカには同等の被害を受けてもらうと強調し、報復の対象は軍の関連施設になると警告しました。アメリカはイランが報復に出た場合、激しく反撃するとしており、イランの出方が焦点となっています。
アメリカ軍は先週、トランプ大統領の指示に基づいて、イラクの首都バグダッドでイランの精鋭部隊、革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害しました。

これについて、イランの最高指導者ハメネイ師の軍事顧問を務めるデフガン氏がアメリカのCNNテレビの取材に応じ、「われわれは戦争を求めていない」とする一方で、「戦争を始めたのはアメリカだ。アメリカには同等の被害を受けてもらう」と強調し、報復の対象は軍の関連施設だと述べました。

このほか革命防衛隊の元幹部は、テヘランで行われた追悼集会で、アメリカの同盟国、イスラエルの都市も報復の対象となりえると述べました。

一方、アメリカのポンペイオ国務長官は5日、ABCテレビのインタビューに対し、司令官の殺害に踏み切ったことについて「情報を分析した結果、行動を起こさないほうがリスクは高まるというのは明らかだった。世界はより安全な場所になっている」と述べ、正しい判断だったと改めて主張しました。

アメリカはイランが報復に出た場合、速やかに激しく反撃すると警告しており、イランの出方が焦点になっています。

ポンペイオ国務長官の発言

ポンペイオ国務長官は、ABCテレビのインタビューに対し「トランプ大統領はソレイマニ司令官が、アメリカに対して行ってきたテロ活動をやめさせるために正しい決定をした。世界はより安全な場所になっている」と述べました。

また、一部のアメリカメディアが、司令官がさらなる攻撃計画を練っていたとするインテリジェンス情報が十分ではなく、政権内で懐疑的な見方も出ていたと報じたことについて、ポンペイオ長官は「すべてのインテリジェンス情報に接していた政権幹部の間では、懐疑的な見方はなかった。情報を分析した結果、行動を起こさないほうがリスクは高まるというのは明らかだった」と反論しました。

イラン国民の反応は

イランの精鋭部隊の司令官が殺害されたことを受けて、イラン国内ではアメリカへの報復を求める声が強まる一方、戦争につながることを懸念する声も上がっています。

テヘランに暮らす27歳の大学生は「ここでイランが何もしなければ、アメリカの卑劣な行為が一層増すと思います」と話し、アメリカに必ず報復すべきだと訴えていました。

一方で、35歳の会社員の男性は「政治家や政府関係者は、戦争につながらない何らかの解決策を探してほしい」と話していました。

イラン外務省のムサビ報道官は5日の定例の記者会見で、「脅威には脅威で対応する。イランは敵を最大限後悔させつつも、イラン国民を戦争に巻き込まない対応となるよう努力する」と述べ、報復措置は行うものの、イラン政府としても戦争は望んでいないという考えを示しました。

レバノン武装組織 米軍への報復攻撃呼びかけ

イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派の武装組織「ヒズボラ」の最高指導者、ナスララ師が5日、テレビ演説し、アメリカ軍への報復攻撃を呼びかけました。

この中でナスララ師は「追悼だけでは十分ではない。われわれは報復を行う必要がある。この地域にいるアメリカ軍の基地、戦艦、兵士が標的になる」と述べました。

そして、「『抵抗の枢軸』の目標は、アメリカ軍の部隊を地域全体から追い出すことだ」として、イランやシリアのアサド政権と連携して、アメリカに報復する考えを示しました。

その一方で、ナスララ師はアメリカの市民への攻撃は、トランプ大統領の利益になるだけだとして自制を呼びかけました。

テレビで演説を視聴した21歳の男性は「ナスララ師の演説は非常に明確かつ率直だった。こうした攻撃を許すわけにはいかず、より強い報復を行うことになる」と話していました。

また、36歳の男性は「市民の犠牲は求めていない。しかし、何もなかったことにはできないし、報復をあきらめるつもりはない」と話していました。