“アナ雪2”制作でディズニーと少数民族が正式な協力関係

“アナ雪2”制作でディズニーと少数民族が正式な協力関係
現在公開中のディズニー映画、「アナと雪の女王2」。11月下旬に公開されたあと興行収入は70億円を超え、前作を上回る人気です。ところで今回の作品、ディズニーがある少数民族と正式な合意をしたうえで映画を制作していたことが、ひそかに話題になっています。

モデルとなった先住民族とは

世界的大ヒットとなった前作に続く第2弾「アナと雪の女王2」では、主人公の1人、エルサが不思議な力を持つようになった経緯が明らかにされます。
物語のカギを握るのは、森の中に住む「ノーサルドラ」と呼ばれる人たち。実はこの人たちにはモデルがいます。北欧の先住民族「サーミ」の人々です。
サーミは、ノルウェーやスウェーデンなどに暮らす先住民族で、独自の文化や言語を持ち、伝統的にはトナカイの牧畜をして暮らしてきました。

トナカイは映画にも登場し、ノーサルドラが着ている服は、色は違うものの、サーミの伝統的な服「ガクテ」から着想を受けたものだと分かります。

注目されたディズニーの対応

このようなサーミをモチーフにしたキャラクターを描くのにあたって、ディズニーが今回、サーミ側と正式に協力関係を結んだことがサーミの団体が公表して明らかになりました。

このことが画期的だと話題になっているのです。

その理由は、いわゆる「考証」ということにとどまりません。

背景にあるのは、ここ数年で注目されるようになった「カルチュラル・アプロプリエーション」。

少数派の人たちの文化を描く際、その文化を尊重し、その人たちの権利に配慮しようという考え方です。

サーミはかつて、各国政府の同化政策の影響で、サーミ語の使用を禁止されるなどの抑圧を受けていました。

各国は権利の回復を進める取り組みを進めていますが、抑圧による“空白期間”の影響は大きく、独自の言語を話せる人は減り続けました。

今も差別を恐れ、サーミであることを隠す人も少なくありません。

そんな経緯を考えれば、先住民族など少数派の人たちの文化を都合よく、一方的に利用してはいけないという考えが世界的に広がっているのです。

少数民族の文化に触れてほしい

ノルウェーでは今回、サーミの声優などが吹き替えを行う「北サーミ語版」も公開され、主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」もサーミの歌手が歌っています。

ノーサルドラが登場するシーンでは、サーミ伝統の音楽「ヨイク」を元にした楽曲が流れます。

映画などのポップカルチャーの中で、差別的に扱われがちだった先住民族が適切に描かれることは、過去のイメージの改善につながると期待されています。

ところで、作品の中でたびたび登場する「トナカイ」は、実はアイヌ語由来のことば。身近な少数民族の文化がどのような歴史をたどってきたのか、私たちも思いをはせる機会を持ちたいところです。