首相「招待者名簿の廃棄 野党議員の資料要求とは無関係」

首相「招待者名簿の廃棄 野党議員の資料要求とは無関係」
「桜を見る会」をめぐって参議院本会議で論戦が行われ、安倍総理大臣は招待者名簿の廃棄について「予定どおり行ったもので野党議員からの資料要求とは無関係だ」と述べました。また、野党側が追及している「ジャパンライフ」の元会長との関わりについて「個人的な関係は一切ない」と述べました。

招待者名簿

この中で自民党の森屋宏氏は「招待者名簿の破棄や復元という技術的な要素や、国会議員からの資料要求との前後関係などの細部をめぐる問題も取り上げられ、国民の目には正しい実態が見えにくい」と指摘し、名簿が廃棄された経緯や電子データの復元などについて質問しました。

これに対し、安倍総理大臣は「大型シュレッダーの空き状況や、担当である障害者雇用の職員の勤務時間などを調整し、シュレッダーの使用予定日が5月9日になり、予定どおり廃棄したもので、野党議員からの資料要求とは全く無関係だ」と述べました。

また名簿の電子データの復元については「不可能だと報告を受けている」としたうえで、今後、名簿の保存期間の見直しを検討する考えを示しました。

「ジャパンライフ」

立憲民主党や国民民主党などと会派を組む社民党の吉田忠智氏はいわゆる「オーナー商法」で多額の資金を集め、経営破綻した「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長について、「総理推薦枠で招待されたと思われるが、2014年に行政指導を受けた翌年に招待したのはなぜか。総理と昭恵夫人は山口元会長と面識はあるのか」などとただしました。

これに対し、安倍総理大臣は「個々の招待者や推薦元は個人に関する情報であるため、従来から回答を控えている。山口氏とは多人数の会合などで同席していた可能性までは否定しないが、1対1のような形で会ったことはなく、個人的な関係は一切ない。私の妻も面識はない」と述べました。

また「ジャパンライフ」が山口元会長への招待状を顧客の勧誘などに利用していたとの指摘に関連し「一般論として言えば、『桜を見る会』が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない」と述べました。

前日の懇親会

さらに「桜を見る会」の前日に安倍総理大臣の後援会が開いた懇親会について「私は妻とともにゲストとして参加し、あいさつしたほか、参加者との写真撮影に応じたのち、すぐに会場をあとにしている。事務所や後援会の職員は写真撮影や集金などを行っただけで、会費の支払いはしていない」と述べました。

一方、安倍総理大臣は「桜を見る会」への批判は承知しているとしたうえで「現時点で会の廃止は考えていないが、今後、招待基準やプロセスなどをしっかり再構築していく」と述べました。

自民 二階幹事長「首相は十分説明している」

自民党の二階幹事長は記者会見で「安倍総理大臣は十分説明していると思う。私は納得した」と述べました。

立民 福山幹事長「子どもだましのような納得できない答弁」

立憲民主党の福山幹事長は国会内で記者団に対し「安倍総理大臣は全く説明責任を果たしておらず予算委員会の開催を引き続き求めていく。『ジャパンライフ』の元会長が招待されたことによって被害者が出ているとすれば大きな問題だ。また、野党が資料を請求したあとに招待者名簿を廃棄したということであれば、国会審議の前提が成り立たず、何も信用できない。子どもだましのような納得できない答弁が多すぎる」と述べました。

「桜を見る会」3つの論点

2日、参議院本会議で論戦が行われた「桜を見る会」をめぐる問題。論点を整理しました。

招待者をめぐる問題

1つは内閣の公式行事として総理大臣が主催する「桜を見る会」の参加者や支出が年々増えていることです。

「桜を見る会」は昭和27年から始まり開催要領では招待者の範囲は皇族や各国の大使、閣僚、国会議員や各界の代表者などおよそ1万人としていました。しかし、ことしの参加者はおよそ1万8200人で5年前より30%増えたほか、支出額もことしは5500万円余りで5年前の2倍近くに増えています。

安倍総理大臣は11月8日「招待者は内閣官房と内閣府で、最終的に取りまとめをしており私は招待者の取りまとめなどには関与していない」と説明。

その後「桜を見る会」の日程に合わせた観光ツアーの案内文が「安倍晋三事務所」の名前で地元関係者に出されていたことが明らかになりました。

政府は11月13日、招待者の基準を明確化するなど全般的な見直しを検討するとして、来年の開催の中止を発表。ことし招待された1万5000人余りのうち、1000人程度が安倍総理大臣や妻の昭恵氏からの推薦だったことも明らかになり、11月20日、安倍総理大臣は「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者についての意見を言うこともあった」と述べました。

また被害者側の弁護団によりますと「オーナー商法」で多額の資金を集め、経営破綻した「ジャパンライフ」は山口隆祥元会長に届いた「桜を見る会」の招待状が印刷された資料をセミナーなどで示し顧客を勧誘していたということで、弁護団は招待状を見せることで会社の信用を高め、顧客を勧誘していたと批判していました。

招待者名簿 廃棄の時期

2つめは「桜を見る会」の招待者名簿が廃棄された時期です。

ことし4月13日に開催された「桜を見る会」の招待者1万5000人余りの名簿について内閣府は「保存期間1年未満の文書で会の終了後、速やかに廃棄している」と説明し、廃棄されたのは共産党が資料を請求したのと同じ「5月9日」だったとしています。

内閣府が示したシュレッダーの使用記録によると廃棄された時間は5月9日の午後1時20分から午後2時45分にかけてで、資料請求のおよそ1時間後のことでした。

その理由について内閣府の担当者は「大型連休前の処理を目指したがシュレッダーの各局の使用が重なって調整した結果、連休明けになった。たまたま予約が取れたのが5月9日だった」と説明。

菅官房長官は「シュレッダーの利用状況や職員の勤務時間などの調整を行い、9日になった」と説明しました。そしてシュレッダーを予約したとするメールを野党側に示し、「資料請求は5月9日の昼すぎだったが、廃棄をした職員はそのことを把握していなかった。シュレッダーの予約は資料請求より前の4月22日に行っていた」と説明しています。

一方、野党側は当日よりも前にシュレッダーが稼働していない時間帯があるにもかかわらず、資料請求のおよそ1時間後に廃棄しているのは不自然だと指摘。招待者名簿の電子データの復元を求めていますが、菅官房長官は「データは復元できないと聞いている」と説明していました。

「前夜祭」の懇親会の会費

そして「桜を見る会」の前日に安倍総理大臣の後援会が「前夜祭」として開いた懇親会の会費。

安倍総理大臣は「懇親会」の出席者はおよそ800人で会費は5000円だったと説明しています。野党側が「安倍総理大臣の事務所が費用を補填(ほてん)していたのではないか」と追及したのに対し安倍総理大臣は「大多数がホテルの宿泊者だという事情などを踏まえ、ホテル側が設定した価格だ。価格分以上のサービスが提供されたわけでは決してない」と説明しています。

またパーティー代金などの総額が記された明細書については「事務所に確認しているがそうしたものはない」と説明しています。

政治団体である「安倍晋三後援会」の政治資金収支報告書には「懇親会」の収支が記載されていませんが、安倍総理大臣は懇親会の代金は参加者個人がホテル側に支払う形になっていたと説明。事務所や後援会の収支は一切なく、収支報告書に記載する義務はないとしています。