福島第一原発 溶けた核燃料取り出し 再来年からまず2号機で

福島第一原発 溶けた核燃料取り出し 再来年からまず2号機で
福島第一原子力発電所の廃炉方針を策定する国の対策チームは最大の難関とされる溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」の取り出しを2021年から、まず2号機で開始する案を取りまとめました。
経済産業省など福島第一原発の廃炉に関わる省庁と、関係する機関のトップなどでつくる廃炉・汚染水対策チームはおよそ2年ごとに廃炉の工程の見直しを行っています。

2日、官邸で開かれた会議では、最大の難関とされるメルトダウンを起こした1号機から3号機のいわゆる「燃料デブリ」の取り出しについて、2年後の2021年からまず2号機で開始する案を取りまとめました。

2号機についてはことし9月、技術的な方針を検討している国の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が、内部の状況が最も分かっていることなどから最初に取り出しを行うべきとする見解を示し、これを踏まえた形となりました。

ただし経済産業省はこれまで取り出しの開始前に2度、ロボットを使ってサンプルを採取する計画を示していましたが、これは見送り、現場を再現した模型を使って、より慎重にロボットの訓練を行うなどして準備をするとしています。

このほか会議では1号機から6号機の使用済み燃料プールに入った核燃料の取り出しについて、2031年末までにすべて終了する工程を初めて示しました。

また廃炉作業を最終的に終える時期については2041年から2051年としていて変更はありませんでした。

今回まとめられた案は今後、地元自治体などの意見を聞いたうえで、正式に決定されることになっています。

専門家「放射性物質の飛散に注意を」

日本原子力学会廃炉検討委員会の宮野廣委員長はデブリの取り出しで今後、内部での作業が増えることについて「いちばん注意しなければいけないのは格納容器の中にある放射性物質が飛散すること。地震が起きたり、重量物が落下したり、さまざまなリスクを想定して事前に手を打つことが大切だ」と作業上の課題について指摘しています。

またデブリの取り出しについては今後大量に取り出すための技術が必要だとしていて「固まっているデブリをどのように切り出して、取り出してくるかはまだ具体的な工法が見えているとは言えない。信頼できる工法を作り、具体化していくことが必要だ」と指摘しています。

工程表 作業の「方針」「目標時期」示す

対策チームは福島第一原発の廃炉への道筋を示す工程をまとめるため、経済産業省や環境省などの省庁や原子力規制委員会など関係する機関のトップなどが参加していて、対策チーム長を経済産業大臣が務めています。

事故から9か月後の平成23年12月に最初に廃炉の工程が示されたあと、これまで4回改訂され、今回が5回目です。

工程表には燃料デブリの取り出しや汚染水対策、廃棄物への対応などについて、作業の方針や目標とする時期が盛り込まれ、これに基づいて、燃料デブリ取り出しの具体的な方法や、汚染水の発生を抑えるための対応策など、現場の作業が決められていきます。

官房長官「国が前面に立ち 最後まで責任」

菅官房長官は午後の記者会見で「廃炉は困難な作業の発生が予測され、ある意味では世界にも前例のない困難な取り組みだ。例えば、燃料デブリの取り出しの前提となる炉の内部の状況把握について、遠隔操作が必要になるなど、困難な課題を一つ一つクリアしていくことが、さらに重要になってきている」と述べました。

そのうえで「福島第一原発の周辺地域でも住民帰還や復興が進みつつある中、復興と廃炉の両立を大原則として、安全を最優先に進めていく必要がある。引き続き、国が前面に立って、最後まで責任を持って対応していきたい」と述べました。