高齢者や障害者のごみ出し支援 経費の半額を交付へ 総務省

高齢者や障害者のごみ出し支援 経費の半額を交付へ 総務省
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自力でのごみ出しが困難な高齢者や障害者への支援を広げるため、総務省は、地方自治体が自宅まで直接出向いてごみの回収を行う事業に対し、国から経費の半額を交付することを決めました。
自分で集積場までごみを持って行くことが困難な高齢者や障害者が増え、支援を求める声が強まっていますが、自宅まで直接出向いてごみの回収を行う事業に取り組む地方自治体は、財源不足などの影響もあり全国で2割余りにとどまっています。

これを受けて総務省は、より多くの地方自治体に支援事業に取り組んでもらおうと、国から経費の半額を交付することを決めました。

交付は今年度分から開始し、来年3月に交付する特別交付税で1年分の経費を対象にするということです。

そして、現在、支援事業を行っていない自治体に対しては、来年度からの実施を検討するよう呼びかけることにしています。

高市総務大臣は閣議のあとの記者会見で、「私自身、地元で1人暮らしだった母親の介護で最も苦労したのがごみ出しだった。各自治体には、新たな制度を活用して支援に積極的に取り組んでもらいたい」と述べました。

支援実施の自治体 23%余にとどまる

高齢者や障害者の世帯などを対象に、ごみ出しの支援事業を行っている自治体は、環境省の調査によりますと、ことし3月の時点で全国で387の市区町村と全体の23.5%にとどまっているということです。

このうち、13年前から取り組んでいる東京 八王子市では、週に2回、決められた曜日に、市の担当者が玄関先までごみの回収に訪れていて、可燃ごみや不燃ごみなど、すべてのごみを同じ日に出すことができます。

また、希望する世帯には、ごみの回収に合わせて住民への「声かけ」もおこなって、高齢者の見守り活動の一環としても活用しています。

市によりますと、この支援を受ける世帯は年々増加していて、昨年度末の時点で362世帯だということです。

これまで、この事業にかかる経費はすべて市がまかなっていて、昨年度は5800万円に上ったということです。

八王子市ごみ減量対策課の坂野優一課長は、国からの交付金が決まったことについて、「今後、積極的に事業を展開していけるので率直にありがたい。高齢者が安心して生活できるよう、事業の周知をさらに進めていきたい」と話していました。

支援を受けている91歳の女性「とてもありがたい」

八王子市でごみ出しの支援を受けている91歳の女性の自宅には、29日夕方、市の担当者が訪れ、女性に「ごみの回収に伺いました」と声をかけたあと、玄関先に置かれた燃えるごみや新聞紙などの資源ごみを回収していました。

女性は、この支援を受ける前は自宅前の坂を往復してごみ出しをしていたということで「足が悪くなってしまったので、玄関に出しておけば持っていってくれるのはとてもありがたいです。回収のたびに声をかけてもらえるので安心します」と話していました。