香港区議選 民主派圧勝で香港政府トップ「真剣に反省したい」

香港区議選 民主派圧勝で香港政府トップ「真剣に反省したい」
香港で24日に投票が行われた区議会議員選挙について、香港メディアは、政府に批判的な立場の民主派が、すべての議席の80%を超えて圧勝したと伝え、香港政府に対する不信感が示された形です。香港政府トップの林鄭月娥行政長官は、「市民の不満を反映したもので、真剣に反省したい」とする声明を出しましたが、今後の対応については言及していません。
24日投票が行われた香港の区議会議員選挙は、18の区議会の合わせて452の議席をめぐって争われ、投票率は、過去最高の71.2%に達しました。

複数の香港メディアによりますと、開票の結果、政府に批判的な立場の民主派が、すべての議席の80%を超す380議席以上に達して圧勝し、親中派は10%余りにあたるおよそ60議席にとどまりました。

選挙結果を受けて、区議会で最大勢力となった民主派の政党「民主党」のトップは、記者会見し、「一連の抗議活動以来の香港市民の民意の表れだ。林鄭長官の辞任や、警察による取締りの対応などを検証する『独立調査委員会』の設置などを求めていきたい」と述べました。

林鄭行政長官「真剣に反省したい」

今回の区議会議員選挙の結果を受けて、香港政府トップの林鄭月娥行政長官は24日、声明を発表しました。

このなかで「きのうの投票日はおおむね平和で安全に選挙が行われた」としたうえで、「今回の結果は、市民が感じている社会の現状や深刻な社会問題への不満を反映したものだということを理解している。政府としてはこうした市民の意見を聞いて真剣に反省したい」としていますが、今後の対応については言及していません。

ただ、これまでも市民の要求を拒否し続けてきた香港政府にとっては、後ろ盾となっている中国政府の意向を無視できないだけに、要求を受け入れることは容易ではなく、対応しだいでは、市民の反発がさらに強まり、混乱が深まる可能性もあります。

最大勢力の民主党「民意が爆発的に表れたもの」

今回の選挙で議席を2倍の90席余りに伸ばし最大勢力になった民主派の政党「民主党」の胡志偉主席は、「今回の結果は一連の抗議活動以来の民意が爆発的に表れたものだ。多くの香港市民が覚醒し、香港が警察都市になることを受け入れなかったということだ」と述べ、民主派が躍進した意義を強調しました。

そのうえで、警察の対応を検証する「独立調査委員会の設置」など、5つの要求の実現を求めるとともに、「政府が今回の選挙の結果をもってしても、要求を拒否し続けるならば、市民が平和的な方法で抗議することに自信を失ってしまうかもしれず心配だ」と述べて、政府の対応しだいでは抗議活動がエスカレートする可能性もあるのではないかという見方を示しました。

周庭氏「選挙の結果 大きなプレッシャーに」

5年前の「雨傘運動」の中心メンバーの1人で、民主化運動の「女神」とも呼ばれた周庭氏は、日本メディアの取材に日本語で応じ、今回の選挙結果について「選挙に勝つのが運動の目標ではない。私たちデモ参加者の目標は5つの要求だから、選挙に勝ったことはただの第一歩、ただの始まりだと思う」と述べました。そのうえで、「今回の選挙の結果は、中国政府に対しても、香港政府に対しても、香港の親中派に対しても、大きなプレッシャーになると思う」と強調しました。

親中派政党「大きな挫折」

選挙前は区議会の中で最大勢力で、今回、議席を5分の1に減らした親中派の政党「民建連」の李慧※けい主席は記者会見で「多くの仲間が負けてつらい。大きな挫折であり、支持してくれた市民に感謝するとともにおわびしたい」と述べ、幹部ら7人が手をつないで深々と頭を下げました。

そのうえで「われわれは多くの人が現状に不満を抱いていたことを理解する。今回の結果を尊重し、受け入れる。ただ、事務所が破壊されるなどして正常な選挙活動ができなかった」と述べて、181人の候補者のうち21人しか当選できなかったことに悔しさをにじませました。

※「けい」は、王へんに京

中国「香港の喫緊の任務 秩序取り戻すこと」

中国外務省の耿爽報道官は25日の記者会見で、香港の選挙結果についての直接の論評を避けるとともに「香港の喫緊の任務は暴力を止め、秩序を取り戻すことだ」と述べ、抗議活動の取り締まりを続けるべきだという立場を強調しました。

そして「香港問題は完全に中国の内政問題だ」と指摘したうえで、「中国政府の、国家主権と安全、そして発展の利益を守る決心は固い。『一国二制度』を貫徹する決心も固い。外国の勢力が香港に干渉するのに反対する決心も固い」と述べて、国際世論が香港の抗議活動を支持しないようけん制しました。

台湾総統府「深い敬意と支持」

香港の区議会議員選挙で民主派が圧勝したことについて、台湾の総統府は報道官のコメントを発表し、「選挙結果は、自由と民主主義を追い求める香港の人々の絶対的な意志を表していて、台湾の人々を代表して、深い敬意と支持を示したい」と評価しました。

そのうえで「北京当局と香港政府は民意を受け入れて香港の自由と民主主義への約束を具体的に実現するべきで、人々と誠実に対話してこそ、対立と衝突を解決することができる」と指摘しました。