ローマ教皇 原発事故に触れ「未来世代への責任に気付かねば」

ローマ教皇 原発事故に触れ「未来世代への責任に気付かねば」
日本を訪れているローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、25日午前、都内で開かれた東日本大震災の被災者との交流会に参加し、犠牲者やその遺族に祈りをささげるとともに、福島第一原子力発電所の事故に触れて「私たちには、未来の世代に対して大きな責任があることに気付かなければいけません」と呼びかけました。
東京 千代田区のホールで開かれた交流会には、東日本大震災の被災者およそ300人が参加し、はじめに被災者を代表して3人がスピーチを行いました。

このうち福島県いわき市出身の高校2年生、鴨下全生さんは、ことし3月、バチカンでフランシスコ教皇に面会していて、スピーチの中で、原発事故のあと東京の避難先で受けたいじめの苦しみを語り放射能に汚染された土地が元どおりになるには長い歳月が必要だと語りました。

そのうえで、「大人たちは、汚染も被爆も、これから起きる可能性のある被害も隠さず伝える責任があると思います。僕らの未来から被爆の脅威をなくすため、世界中の人が動き出せるように、どうか共に祈ってください」と呼びかけました。

このあと、フランシスコ教皇がスペイン語でスピーチし、始めに震災の犠牲者やその遺族に祈りをささげました。

そして、「被災地への援助や祈りは、時間がたてば無くなるものではあってはならない」と述べたうえで、「完全な復興まで先は長いかも知れませんが、助け合い頼り合うために一致できるこの国の人々の魂をもってすれば、必ず果たすことができます」と語りかけました。

さらに、原発事故に触れ、「科学的・医学的な懸念に加えて、社会構造を回復するという途方もない作業があります。地域社会でのつながりが再び築かれ、安全で安定した生活ができるようにならなければ福島の事故は完全には解決されません」と述べたうえで、「私たちには、未来の世代に対して大きな責任があることに気付かなければいけません」と呼びかけました。

交流会のあと、スピーチをした鴨下さんは「教皇が私のことを覚えてくれていたことに感動しました。いただいたメッセージをかみしめたいと思います」と話していました。