経済産業省 会見 韓国向け輸出管理で3年ぶり政策対話へ

経済産業省 会見 韓国向け輸出管理で3年ぶり政策対話へ
韓国向けの輸出管理を厳しくした措置などをめぐって、経済産業省は韓国の当局と局長級の政策対話を行う方針を明らかにしました。韓国側が貿易管理体制の改善に向けた意欲を示していることから、政策対話を行うことにしたとしています。また、韓国政府が日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて、協定終了の通告を停止したと発表したこととは、一切関係がないとしています。
日本政府は韓国向けの輸出管理に安全保障上の懸念があるとしてことし7月以降、半導体などの原材料の輸出管理を厳しくしたほか、優遇措置をあたえる対象国から韓国を除外しました。

これに韓国は反発しましたが、日本はことし7月、日韓の事務レベルの会合で、韓国側の貿易管理の体制が不十分だと指摘し、改善を求めました。

一方韓国側は、日本の措置はWTO=世界貿易機関のルールに違反しているとして、WTOに提訴する手続きに入り、日韓の2国間協議が2度にわたって行われました。

その後、韓国側から外交ルートを通じてWTOへの提訴の手続きを中断することが伝えられたということです。

こうしたことを踏まえ、経済産業省は韓国側が貿易管理体制の改善に向けた意欲を示しているとして、まず課長級の準備会合を経たうえで、局長級の政策対話を行うことにしたとしています。

これについて経済産業省は韓国政府が22日、GSOMIAの協定終了の通告を停止すると発表したこととは、一切関係がないとしています。
また半導体などの原材料の輸出管理を厳しくする措置や、韓国を優遇対象国から除外した措置については、変更はないとしています。

貿易管理に関する日韓の局長級の政策対話は2016年6月を最後に、3年以上、途絶えていました。

「GSOMIAとは一切関係ない」

経済産業省の飯田陽一貿易管理部長は記者会見を開き、政策対話を再開する理由について「韓国からWTOプロセスを中断するという通告があったことを踏まえると韓国側が現状の問題点について改善に向けた意欲を示していると受け止めることができると判断した」と述べました。

また、GSOMIAとの関係については「輸出管理当局として判断した結果であり、GSOMIAとは全く性格が異なるものでGSOMIAとは全く性格が異なるもので一切関係ない」と話しました。

梶山経産相「いろいろな対話をしていく」

梶山経済産業大臣は韓国の当局と局長級の政策対話を行う方針を決めたことについて記者団に対し「韓国からWTOへの提訴手続きを中断するとの通報があったのでそれを受けて、政策対話を再開することにした」と述べました。

そのうえで、「GSOMIAは所掌外なのでコメントは控えるが今までどおり適正な輸出管理をするということで対応していく。先のことは予断をもって答えられないがいろんな政策対話をしていく」と述べました。

これまでの経緯

政府はことし7月、半導体や有機ELパネルなどに使われる原材料、フッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミドの3品目について韓国向けの輸出管理を厳しくしました。さらに8月には、輸出の手続きを簡略化する優遇措置の対象国から韓国を除外しました。

こうした措置をとった理由として経済産業省は、韓国側の貿易管理に関する審査などの体制が不十分なことや、短期で製品などの納入を迫るといった不適切な事案が複数見つかったこと、さらに、こうした問題の改善に向けて情報を交換するための局長級の政策対話が3年以上、開かれていないことを挙げていました。

これに対して韓国側は猛反発します。7月に輸出管理を厳しくした直後に、両国の事務レベルの会合が開かれましたが、会合そのものの位置づけや終了後の発表内容などをめぐって大きな食い違いが生じ、互いに反論するなどして両国の信頼関係が損なわれる事態となりました。

一方、韓国は8月、日本の措置を理由に日韓の軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」について破棄の決定を発表しました。

さらに、韓国は9月、日本の措置は韓国だけをねらった差別的な措置だと主張し、WTO=世界貿易機関のルールに違反しているとして、WTOへ提訴する手続きに入りました。

これを受けて、先月11日に1回目の2国間協議がスイスのジュネーブにあるWTOの本部で行われました。日本側が、韓国向けの輸出管理の強化は安全保障上、必要な措置だと説明したのに対し、韓国側はWTOルール違反だとする主張を譲らず、平行線のまま協議が終わりました。

今月19日には2回目の2国間協議が行われましたが、日韓両政府は従来の主張を繰り返し、歩み寄りはありませんでした。

協議が再び平行線に終わったことで、韓国向けの輸出管理を強化した日本の措置について、韓国政府がWTOの裁判所にあたる小委員会での審理を求めて提訴するかどうかが焦点になっていました。