中国国防相 米国に対し南シナ海で力の誇示やめるよう求める

中国国防相 米国に対し南シナ海で力の誇示やめるよう求める
中国とアメリカの国防相会談が18日、タイのバンコクで開かれ会談の終了後、中国国防省の報道官はアメリカに対し、南シナ海で力を誇示することはやめるよう求めたことを明らかにし、この問題に関与を強めるアメリカをけん制しました。
ASEAN10か国などによる一連の国防相会議に合わせてタイのバンコクを訪れている中国の魏鳳和国防相とアメリカのエスパー国防長官は18日、現地で会談しました。

会談の終了後、中国国防省の呉謙報道官が記者会見し、アメリカと激しくせめぎあう南シナ海の問題について、中国側からは「南シナ海で力を誇示することはやめるようアメリカに求めた」と明らかにしました。

そのうえで「域内の国々の協力で状況は改善している。アメリカには、南シナ海への介入や、軍事的な挑発をやめるよう主張した」と述べ、この問題に関与を強めるアメリカをけん制しました。

南シナ海をめぐっては、軍事拠点化を進める中国に対し、アメリカは艦艇を航行させる「航行の自由」作戦の頻度を上げるなど対抗姿勢を強めています。

一方、呉報道官は今月12日に、アメリカ海軍のイージス巡洋艦が台湾海峡を通過したことなどを念頭に「アメリカに対し海峡での不確実性を増やすことはやめ、慎重に対応するよう求めた」と述べました。

アメリカ「『航行の自由』作戦続ける」

米中の国防相会談についてアメリカ国防総省のホフマン報道官は声明を発表し「会談でエスパー国防長官は中国が国際法に基づく秩序に従うことに常に消極的であることに言及した」として、南シナ海の軍事拠点化を踏まえ、中国を非難したことを明らかにしました。

そのうえで「エスパー長官は、アメリカは国際法が許すかぎりどこでも飛行し、航行し、活動することを繰り返し主張した」と述べ、アメリカ軍は、南シナ海で中国が一方的に主権を主張する海域に艦艇を派遣する「航行の自由」作戦をこれからも続けることを強調しました。

その一方で「エスパー長官は、これらの懸念の多くに対処するために、両国間の軍どうしの関係を強化することを楽しみにしている」として、偶発的な衝突を避けるためにも米中両軍の信頼関係を築いていくことについても協議したとしています。

会談に先立って国防総省のシュライバー次官補はNHKなど同行記者団に対し、第2次世界大戦中に中国で、旧日本軍と戦って戦死したアメリカ軍兵士の遺骨収集作業の再開について中国側と協議する考えを示しており、会談では収集作業の再開を両国の信頼構築の一環と位置づけて、意見が交わされたとみられます。