JR山手線 きょう始発から大規模運休 新駅開業に向けた工事で

JR山手線 きょう始発から大規模運休 新駅開業に向けた工事で
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JR山手線では、来年春の「高輪ゲートウェイ駅」の開業に向けた線路の切りかえ工事が16日未明から行われています。この影響で16日の始発からおよそ3分の1の区間で運休していて、JRでは最新の運行情報を確認するよう呼びかけています。
運休しているのは、山手線のおよそ3分の1にあたる大崎駅から東京駅を経由した上野駅までの区間と、京浜東北線の品川駅と田町駅の間の区間です。

これは、品川駅と田町駅の間に来年の春、開業する「高輪ゲートウェイ駅」の開業に向けた大規模な線路の切りかえ工事が16日の未明から行われているためで、山手線が工事の影響で運休するのはJR発足以来、初めてです。

切りかえ工事はJR東日本の職員などおよそ1700人の態勢で行われていて、このうち品川駅近くのポイントでは、午前3時ごろからこれまで使っていた線路を切断して撤去したり、新駅につながる新しい線路につないだりする作業が行われていました。

この作業が終わると、新しい線路に合わせて電線や信号を付けかえる作業が行われ、その後、施設に異常がないか確認をしたうえで、16日午後4時ごろに全線で運転を再開する見通しです。

一方、京浜東北線の品川駅と田町駅の間は16日は終日、運休し、17日の始発から運転再開される予定です。これに伴い、JRは上野東京ラインと埼京線を増発するほか、東京メトロ、都営地下鉄、りんかい線、東急線、京急線で振り替え輸送が実施されます。

JR東日本建設工事部の関啓充課長は「3本同時移設という点が非常に難しい作業になるが今のところ順調に進んでいる。引き続き計画どおり工事を進めて予定どおりの再開を目指したい」と話していました。

代替手段やう回ルートは?

「大規模運休と言われても、予定もあるし、どうすればいいの?」という方のために、JRを中心に「代替手段」や「う回ルート」を調べてみました。

まずは、山手線の外回り線の上野駅から田町駅の間についてです。

この区間はJR京浜東北線が並行して走っているので、京浜東北線1本で代替することができます。

次に山手線の内回り線の大崎駅から田町駅の間です。この区間は利用する駅や目的地によって経路が大きく変わってくるので注意が必要です。例えば、JRで渋谷駅から品川駅に向かう場合は、途中の大崎駅でりんかい線に乗り換えて大井町駅で下車します。そして大井町駅で京浜東北線に乗り換えると、品川駅に行くことができます。

一方、目黒駅や五反田駅から東京駅を目指す場合などは、「振り替え輸送」が実施される都営地下鉄や東京メトロなどの利用を検討したほうがよさそうです。

そして、今回の運休で最も行きにくくなるのが田町駅です。田町駅への乗り入れは埼玉方面からの京浜東北線のみで、それが以外ではアクセスできません。近くにある都営地下鉄の三田駅の利用を検討したほうがよさそうです。

今回、紹介したルートなどはあくまでも代表的なものなので、鉄道会社のホームページやアプリなどでの確認をおすすめします。

JR東日本は今回の運休やダイヤに関して専用の電話窓口を設けています。電話番号は050-2016-1620です。

地域経済にも影響が

来年の春に「高輪ゲートウェイ駅」が開業されることで、周辺の地域ではすでに地価など地域経済にも影響がでてきています。

国土交通省が公表している「地価公示」によりますと、「高輪ゲートウェイ駅」から北におよそ500メートルにある商業地では、「地価」の上昇率はJR東日本が新駅の設置を公表する前の平成26年が前年比4.9%だったのに対して、公表後の平成27年には11%の上昇と大幅にアップしました。新駅周辺のほかの地点でも前年比を上回っていて、国土交通省はこれらの地点についても上昇の大きな要因として新駅の設置が影響しているとみています。

また、不動産調査会社「東京カンテイ」によりますと、新駅の設置が公表されたあと、新駅周辺にある7つの地区すべてで、築10年程度の中古マンションの平均坪単価が高くなったということです。

このうち新駅の近くにある都営地下鉄浅草線の泉岳寺駅周辺では中古マンションの平均の坪単価が平成26年は346万4000円でしたが、平成29年には486万8000円と、140万円増加しています。
来春の新駅開業あとのさらなる値上がりの期待感からか最近では、「売り渋り」とみられる動きもでているということです。

井出武上席主任研究員は、「山手線の拠点ができることで、町としてのポテンシャルが高まることへの大きな期待感が物件の価値に表れている。地価は、今後も大きく上昇するだろう」と指摘しています。

また、新駅に近い飲食店や文具店など25店舗で作る「高輪泉岳寺前商店会」では、経済効果への期待の声が上がっています。

会長で飲食店を営む石川進さんは、「駅舎が完成しつつありいよいよだと感じる。これからは毎日が祭りのように多くの人でにぎわうはずだ。地域を活性化する起爆剤への期待とちゃんと対応できるかという不安が入り交じっている。地域で一致団結してにぎやかな町を作っていく」と話していました。

地元からは期待の声

来年春に「高輪ゲートウェイ駅」が開業されることに、地元では期待が高まっています。

新駅近くの高輪2丁目で120年続く理髪店で働く76歳の男性は、「駅ができることで大きなにぎわいが生まれるので楽しみだ。地域の昔ながらの人と人のつながりを新しく移り住む人たちとも築いていきたい」と話していました。

40年以上、高輪2丁目で暮らす76歳の女性は、「駅が近くなり便利になるのが、とてもうれしいです」と話していました。

勤め先が近くの50歳の女性は、「この地域はいままで駅と駅の間で飲食店が少なかったが、新駅ができることでたくさんの飲食店ができることを期待します」と話していました。

54歳の会社員の男性は、「駅舎がどんどん完成に近づく様子を見ると、いよいよだなと感じます。職場でも新駅の話題が多く上がりみんな楽しみにしています」と話していました。

「高輪ゲートウェイ」撤回求める署名も

「高輪ゲートウェイ」の名称をめぐっては地域にそぐわないとして撤回を求める4万人を超える署名が出される事態となり、その賛否が話題になりました。

新駅の名前は、JR東日本が去年6月に一般公募を行い、1万3228種類の候補が寄せられました。このうち応募が最も多かった候補は、「高輪」で8398件で、「高輪ゲートウェイ」は応募数はわずか36件で130位でした。

JR東日本は、「高輪ゲートウェイ」に決めた理由について、駅名は応募数で決めるのではなく応募されたすべての駅名を参考にして新しい駅にふさわしい名前を選考したとしたうえで、「高輪という歴史のある場所で、昔から玄関口であったことや過去と未来をつなぐ、日本と海外を結ぶ、それに人と人を結ぶ玄関口の意味を込めたいという思いで決めた」と説明しています。

これについて地名や駅名に詳しい文筆家の能町みね子さんは、130位の「高輪ゲートウェイ」を採用するのは公募の意味がないと指摘したうえで「地域にも山手線にもそぐわない新駅名をとにかく撤回してほしい」とネット上のサービスを利用して署名活動を始めました。

そして、ことし3月に4万7930人分の署名をJR東日本に提出しました。

JR東日本は、「賛否含めていろいろなご意見をいただいていますが、駅名を変える考えはありません。今後、駅名が広く浸透するよう取り組んでいきます」とコメントしています。