上水道含む水道運営権の民間売却 宮城県が全国初の条例案

上水道含む水道運営権の民間売却 宮城県が全国初の条例案
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全国で初となる、上水道も含めた水道事業の運営権を民間企業に売却する方式の導入を目指している宮城県は、企業を選定する際の基準などを盛り込んだ条例の改正案をまとめました。県は、20年間で少なくとも200億円の経費が削減できるとしていて、早期の成立を図る方針です。
宮城県は、上水道と下水道、工業用水の3つの水道事業の施設を保有したまま、運営権だけを民間企業に売却する「コンセッション方式」の導入を目指していて、実現に向けた条例の改正案をまとめました。

それによりますと、売却する企業は公募するとしたうえで、選考の基準として、長期的な経営能力が確保される見込みがあることや、技術や経営資源を活用して運営コストを削減できることなどが盛り込まれています。

このほか、条例には、県が別に基準を定めると明記されていて、県は、3年以上の経験があることや、外国企業の場合は、日本法人の取得が必要なことなども求める方針です。

県は、この方式が実現すれば、20年間で少なくとも200億円の経費削減を見込んでいて、今月開会する県議会に改正案を提出し、早期の成立を図る方針です。

水道事業の運営権の売却をめぐっては、浜松市が下水道で実施していますが、上水道も含めた運営権の売却が実現すれば全国で初めてとなります。

一方、県議会の一部からは「利益を追求する民間企業に任せると、水質の悪化や料金の上昇につながるのではないか」などと、懸念の声も上がっています。

人口減少で水道事業の将来に懸念も

全国的に人口減少が進む中で、水道の使用量は減り続けています。

去年、総務省の有識研究会がまとめた報告書では、水道の使用量は、2000年をピークに減少し始めていて、2065年には、ピーク時から4割減少すると推計されています。

そして、料金収入の減少に加え、老朽化した水道管など、施設の維持管理などにも費用がかさみ、水道料金を引き上げなければ経営が成り立たない自治体も出てくると指摘しています。

水道事業の運営を民間企業に売却する方式をめぐっては、浜松市が去年4月から下水道で導入しましたが、上水道は、水質悪化や料金の高騰を懸念する市民の声の高まりを受けて、導入を延期しています。

宮城県は、4年前から水道事業の運営を見直す検討を始めていて、去年12月、民間の参入を促す改正水道法が成立したこともあって、一気に議論が加速し、全国で初めてとなる方式の実現に向けて、条例の改正案の取りまとめに至りました。