きょう祝賀パレード「祝賀御列の儀」

きょう祝賀パレード「祝賀御列の儀」
k10012171481_201911100507_201911100511.mp4
天皇陛下が、皇后さまとともに、広く国民に即位を披露し祝福を受けられるパレード「祝賀御列の儀(しゅくがおんれつのぎ)」が、10日午後、東京の都心部で行われます。
「祝賀御列の儀」は、憲法で定める国事行為として行われる「即位の礼」の儀式の1つで、祝賀パレードにあたるものです。

先月22日、天皇陛下が即位を内外に宣言される「即位礼正殿の儀」に続いて行われる予定でしたが、台風19号による甚大な被害を受けて延期されていました。

10日は、午後3時に、天皇皇后両陛下が、この日のために新たに調達されたオープンカーで皇居・宮殿を出発されます。

そして、沿道の人たちの祝福を受けながら、東京の都心部のおよそ4.6キロのルートを通り抜け、午後3時半ごろ、お住まいの赤坂御所に到着されます。

車列には、秋篠宮ご夫妻や、安倍総理大臣の車も加わり、18台の自動車と、白バイやサイドカー、合わせて46台が連なります。

皇居や赤坂御所では、天皇陛下の即位を祝って作曲された行進曲「令和」が演奏され、沿道でも10か所で、自衛隊や警察・消防などの音楽隊が、両陛下の結婚パレードの時と同様、「新・祝典行進曲」を演奏します。

10日の「祝賀御列の儀」で、ことし5月からの「即位の礼」は、5つの儀式すべてが終わることになります。

パレードでは

パレードで天皇陛下は、えんび服を着用し、「大勲位菊花章頸飾」という最高位の勲章などを身につけられます。

皇后さまは、ローブデコルテという格式の高いロングドレスを着用し、上皇后さまから受け継いだティアラや、勲章を身につけられます。

前回は、上皇さまの即位に伴って平成2年に行われ、沿道におよそ11万7000人が詰めかけました。今回も、一部を除いてこの時と同じルートで行われます。

車列には、秋篠宮ご夫妻や安倍総理大臣などの車も加わります。

両陛下のオープンカーには、菊のご紋のプレートや天皇旗が取り付けられ、沿道では、自衛隊や警視庁の音楽隊などがお祝いの音楽を演奏し、パレードを盛り上げます。

一方、雨天の場合には、両陛下は、オープンカーではなく、皇室の重要な行事などで使われる車でパレードに臨まれます。

「即位の礼」の一連の儀式

「即位の礼」は、5つの儀式が憲法で定める国事行為として行われます。

「剣璽等承継(けんじとう しょうけい)の儀」と「即位後朝見の儀」、それに「即位礼正殿の儀」、「祝賀御列の儀」、「饗宴(きょうえん)の儀」で、10日の「祝賀御列の儀」以外はすでに行われました。

5つの儀式を「即位の礼」とし、国事行為として行うのは平成の代替わりからで、今回もその考え方と内容が踏襲されています。

天皇陛下が即位した5月1日には、「剣璽等承継の儀」が行われ、天皇陛下は、歴代天皇に伝わる三種の神器(じんぎ)のうちの剣と曲玉などを受け継がれました。

続いて天皇陛下は、皇后さまとともに「即位後朝見の儀」に臨み、三権の長など国民を代表する人たちを前に、即位後初めてとなるおことばを述べられました。

先月22日には、一連の儀式の中心となる「即位礼正殿の儀」が行われ、天皇陛下が、各界の代表や外国の元首などを前に、即位を宣言するおことばを述べられました。

この日から先月31日まで4回にわたって、祝宴にあたる「饗宴の儀」も行われました。

そして、10日午後3時前から祝賀パレードにあたる「祝賀御列の儀」が行われ、「即位の礼」のすべての儀式が終わることになります。

今回の一連の儀式は、原則として平成の代替わりを踏襲していますが、日程には違いがあります。

前回は昭和天皇の崩御に伴う代替わりで、1年間の喪の期間が定められたため、「剣璽等承継の儀」と「即位後朝見の儀」以外は、即位後2年近くたってから行われました。

今回は皇位継承のあったその年のうちに「即位の礼」の5つの儀式すべてが行われることになります。

「祝賀御列の儀」のルート

「祝賀御列の儀」の車列は、皇居・宮殿の南車寄せを出発して、二重橋前や桜田門の交差点を通過し、国会議事堂の正門前で右折します。

前回は、このあと三宅坂の交差点まで直進しましたが、今回は、憲政記念館前で左折し、平河町の交差点を経て、青山通りに入ります。

これによって、パレード全体の距離は前回より100メートルほど短くなりますが、パレードの見やすさや警備面から、できるだけ高速道路の高架付近を避けるルートにしたということです。

パレードは、その後、青山一丁目と権田原の交差点を経て、赤坂御用地にある天皇ご一家のお住まいの赤坂御所の御車寄せに到着します。

「祝賀御列の儀」で使われる車

「祝賀御列の儀」で、天皇皇后両陛下は、新たに調達されたオープンカーに乗車されます。

このオープンカーは、トヨタ自動車の「センチュリー」を特別に改造して屋根を取り払うなどしたもので、政府が8000万円の予算を計上し、儀式に向けて調達しました。

車体は、全長5メートル34センチ、幅1メートル93センチで、前回、上皇さまの即位に伴うパレードで使われた「ロールスロイス」よりも若干大きくなっています。

後部座席は、前方の座席より4センチほど高くなっていて、両陛下の姿が沿道からよく見えるよう、背もたれの角度は25度後ろに傾けて固定されています。

車体は、何度も塗装を重ねて市販のものより光沢を出しているほか、屋根がなくても強度が保たれるよう、床などに補強材が入れられているということです。

また、衝突回避や自動ブレーキのシステムが搭載され、後部座席にサイドエアバッグも装備されるなど安全性にすぐれているということです。

トヨタ自動車は、両陛下が日頃の公務などで使われる車も製造していて、これまで蓄積してきたノウハウを生かして改造にあたったということです。

オープンカーは、ことし9月下旬に皇居に運ばれてからドライバーによる習熟訓練が重ねられ、10日、初めて皇居外の公道を走ることになります。

パレードが終わると、東京・港区の迎賓館や京都市の京都迎賓館で期間を定めて一般公開されるほか、内閣府が管理し、国民的行事などにあたって活用される見通しです。

オープンカーの運転手は

「祝賀御列の儀」でオープンカーを運転するのは、宮内庁車馬課の職員で、日頃から両陛下専属の運転手を務めている中村誠さん(52)です。

中村さんは、「御料自動車操縦員」という肩書を持ち、両陛下や上皇ご夫妻の車の運転を5年以上にわたって担当しているベテランの運転手だということです。

パレードの車列は

「祝賀御列の儀」の車列は、天皇皇后両陛下が乗車されるオープンカーをはじめとする18台の車に加え、白バイ20台、サイドカー8台の合わせて46台で構成されます。

先頭は、警視庁の白バイで、その後ろを官房長官の車、そして総理大臣の乗った車が走り、宮内庁長官などの車が続きます。

両陛下の乗られるオープンカーは、車列の中央よりやや前寄りに位置し、前後を白バイ5台とサイドカー3台に囲まれて走行します。

進行方向の右側に天皇陛下が、左側に皇后さまが座られる予定です。

続いて、秋篠宮ご夫妻の車が走り、その後ろに宮内庁の側近部局の幹部や内閣官房副長官を乗せた車が続きます。

上皇さまの即位を祝う前回のパレードと比べて官房副長官の車が2台増えました。

車列の長さはおよそ400メートルで、時速10キロほどのスピードでゆっくりと進みます。

演奏で祝賀ムード高める

「祝賀御列の儀」のルートでは、天皇皇后両陛下に敬意を示す儀じょうが行われるほか、音楽隊による行進曲も演奏されて祝賀ムードが高められます。

このうち、皇居・宮殿と赤坂御所では、両陛下の車の発着の際、天皇陛下の即位を祝って作曲された行進曲「令和」が、宮内庁の楽部や皇宮警察の音楽隊によって演奏されます。

この曲は、宮内庁の楽部の指揮者の北原幸男さんが作曲しました。

また、皇居では、儀礼服を着て整列した皇宮警察の護衛官が挙手による敬礼で両陛下に敬意を示すほか、皇居と赤坂御所の正門の前では、自衛隊の儀じょう隊が、銃を胸の前にささげる「着剣捧げ銃」と呼ばれる敬礼を行います。

さらに、赤坂御所の正門近くでは、およそ330人の自衛隊員などが、150メートルにわたって二列に並び、両陛下に挙手による敬礼を行うことになっています。

一方、パレードの沿道では、平成5年の両陛下の結婚を祝ってつくられた「新・祝典行進曲」が車列の通過に合わせて演奏されます。

自衛隊や警察・消防などの音楽隊が、二重橋前交差点や国会の正門前、それに青山1丁目交差点など合わせて10か所で、華やかな演奏で祝賀ムードを高めます。

両陛下の今後の予定

天皇皇后両陛下は、「即位の礼」の儀式が終わったあとも、皇位継承に伴う一連の儀式などとともに日常の公務にもあたるいそがしい日々を過ごされます。

天皇陛下は、今月14日から翌日にかけ、「大嘗祭(だいじょうさい)」の中心的な儀式「大嘗宮の儀(だいじょうきゅうのぎ)」に臨まれ、皇后さまも拝礼されます。

儀式の中で天皇陛下は、新しく収穫された米などを天照大神とすべての神々に供えたうえでみずからも食べ、国と国民の安寧や五穀豊じょうなどを祈られます。

続いて、16日と18日に「大嘗宮の儀」の参列者を皇居・宮殿に招き、皇后さまとともに「大饗(だいきょう)の儀」と呼ばれる饗宴に臨まれます。

その後、両陛下は、今月下旬から来月初めにかけて、三重県の伊勢神宮や奈良県の神武天皇陵、それに、昭和天皇以前の4代の天皇の陵に参拝し、「即位の礼」と「大嘗祭」が終わったことを伝えられます。

そして、来月4日、皇居の宮中三殿で同様の儀式などに臨み、即位に伴うすべての儀式を終えられます。

こうした一方で、両陛下は、さまざまな公務にも臨まれます。

天皇陛下は、今月25日、来日するローマ法王のフランシスコ法王との会見に臨まれます。

また、来月9日には、皇后さまが56歳の誕生日を迎えられ、祝賀行事も予定されています。

年が明けた令和2年の元日、両陛下は、皇居・宮殿で「新年祝賀の儀」に臨み、翌2日には、一般参賀で皇居を訪れた人たちと新年を祝われます。

同じ1月、天皇陛下は、新春恒例の「歌会始」を催されます。

そして、2月23日、天皇陛下は即位後初めての誕生日を迎えられます。

誕生日にあたって天皇として初めてとなる記者会見に臨まれるものと見られます。

両陛下は、4月19日に、秋篠宮さまが皇位継承順位1位の「皇嗣」となられたことを広く国民に明らかにする「立皇嗣(りっこうし)の礼」に臨まれます。

同じ春には、中国の習近平国家主席が国賓として来日する計画もあり、両陛下は、習主席を歓迎する行事に臨まれる見通しです。

さらに、夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、天皇陛下が、名誉総裁として、それぞれの開会式に出席し、開会を宣言されます。

両陛下 被災地に心を寄せ続けて

天皇皇后両陛下は、災害で被災した人たちに心を寄せ続けられています。

平成7年、6434人が犠牲となった阪神・淡路大震災が発生すると、両陛下は、外国訪問の日程を繰り上げて帰国し、2か月連続で被災地を見舞われました。

避難所では、上皇ご夫妻と同じように、ひざをついて被災者にことばをかけられました。

翌平成8年には、震災から1年の節目に開かれた追悼式に出席され、天皇陛下は、「この被災の地に真の安らぎのある生活を一日も早く築きあげられますよう、願ってやみません」と述べられました。

この年には、長崎県も訪れて、5年前、43人が犠牲になった雲仙普賢岳の噴火災害の犠牲者を追悼するとともに遺族や被災者を励まされました。

そして、未曽有の大災害となった平成23年の東日本大震災では、両陛下は、震災の翌月、東京の避難所を訪問したのに続いて、東北3県などを相次いで訪れ、被災者を励まされました。

皇后さまは、療養が続いていましたが、被災者を励ましたいと強く希望し、訪問を重ねられました。

天皇陛下は、震災発生から5年となる平成28年の記者会見で、「雅子とともに、被災者お一人一人の悲しみやご苦労に思いを寄せ、厳しい環境の下で暮らす被災者の健康とお幸せを祈りながら、被災地の復興に永く心を寄せていきたいと思っております」と述べられました。

近年相次ぐ豪雨災害の被災地も見舞われています。

去年9月、両陛下は、前の年の九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市の仮設住宅を訪ねられました。

お二人は、避難生活を送る車いすのお年寄りに寄り添うようにしゃがみこみ、「お体をお大事に」とか、「これからも長生きしてください」などとことばをかけられました。

ことし9月、茨城県で国民体育大会の開会式に臨まれた際には、天皇陛下が、8月末の大雨や、台風15号を念頭に、「ここ茨城県を含む各地で大きな被害が生じたことに心を痛め、被災された方々のご苦労を案じています。復旧が1日も早く進むことを心から願っています」と述べられました。

そして、先月、台風19号の大雨による被害が明らかになると、両陛下は、犠牲者への哀悼と遺族や被災者へのお見舞いの気持ちをあらわされました。

その後も大雨災害が相次ぐ中、両陛下は、宮内庁を通じて毎週のように被災者を思う気持ちをあらわされ、天皇陛下の即位を祝う9日の「国民祭典」でも、天皇陛下が、「被災された方々が安心できる生活が、一日も早く戻ることを心から願っています」などと、おことばを述べられました。