浸水住宅 十分乾燥後リフォームを 建築士団体が呼びかけ

浸水住宅 十分乾燥後リフォームを 建築士団体が呼びかけ
台風19号とその後の大雨で、福島県内ではこれまでにおよそ1万5000棟の浸水被害が確認されていますが、建築士でつくる団体は乾燥が十分でないままリフォームなどをすると、あとになってカビが発生するおそれがあるとして、工事を急ぎすぎず最低1か月は乾燥させるなど注意を呼びかけています。
福島県伊達市で被災した人たちから自宅の修理について相談を受けている一級建築士の田中直樹さんは、カビの発生を抑えるためにも工事を急がないように呼びかけています。

田中さんによりますと、一度発生したカビを完全に取り除くのは難しいものの、本格的な工事の前に十分に乾燥させ対策を取ることで、新たな発生を抑えられるということです。

具体的にはまず床下を確認して流れ込んだ泥を洗い流します。

床上まで浸水した場合はぬれた壁をはがし、水を吸った断熱材を取り除きます。

そして床板をはがし、専用の消毒液で消毒したあと、床下の基礎部分の土やコンクリート、土台となる柱や壁の中などを大型の扇風機などを使って最低1か月は乾燥させます。

乾燥期間は長ければ長いほうがよいということで、半年程度できれば理想的だとしています。

特に木の柱は長く水につかると芯まで水がしみこんでいる可能性があり、しっかり乾燥させることが必要だということです。

逆に水分を含んだ状態で壁紙や断熱材を取り付けると、再びカビが発生する危険が高まるというということです。

また、壁を大きく取り除いた場合は建物の強度が落ちるため、取り除いた箇所に筋交いを付けることで建物の強度を保つことができるということです。

ただ、工事業者の中には、カビのリスクや、正しい対策についての知識が十分でない業者もいるとみられ、建築士などの団体は、リフォームをする際には相談してほしいとしています。

浸水住宅でカビ 西日本豪雨被災地でも

浸水被害にあった住宅でカビが発生するケースは、去年7月の西日本豪雨の被災地でも相次ぎました。

中にはリフォームをしたあと、被災から数か月たってからカビの発生が広がっていることに気付くケースもありました。

岡山県の建築士会によりますと、住宅のカビに関する相談は、ことし3月までに延べ51件寄せられ、「カビが発生してどう処理すればいいか分からない」とか、「においが発生していて困っている」といった声があったということです。

自然乾燥が不十分だったことや、水を含みやすい断熱材を取り除いていなかったことが原因とみられ、岡山県建築士会は、リフォームをする際には、床下や柱などを最低でも1か月間、できれば数か月は乾燥させ、断熱材などは取り除くように呼びかけています。