台風迫るさなか 自治体HP “見られない”

台風迫るさなか 自治体HP “見られない”
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先月の台風19号で記録的な大雨となった際に各地の自治体ではホームページを通じて防災情報を伝えていましたが、NHKがSNSへの投稿を分析したところ、当時、関東から東北にかけての少なくとも11の都県の合わせて53市区町村でホームページがつながりにくい状況になっていたとみられることが分かりました。
先月の台風19号では、東日本の広い範囲で大雨の特別警報が出されるなど記録的な大雨となり、多くの自治体が避難に関する情報や川の水位などを自治体のホームページを通じて伝えていました。

これについてNHKでは、国の情報通信研究機構が運用する災害時のツイッターの投稿を解析する「DISAANA」と呼ばれるシステムを使って、台風19号が接近した先月12日から14日にかけての投稿を調べました。

その結果、「ホームページが見られない」とか「サーバーがダウンしている」など、自治体のホームページがつながりにくいこと示す投稿が寄せられていたのは東京都や埼玉県、それに長野県など、関東から東北にかけての少なくとも11の都県、合わせて53の市区町にのぼることが分かりました。

こうした地域の多くは、特別警報が出された地域に含まれていました。

当時、多くの自治体で防災に関する情報をホームページから得るよう案内していたことから、アクセスが集中したことが原因とみられています。

情報システムに詳しい、明治大学の齋藤孝道教授は、「災害が相次ぐ中、ホームページを通じた情報提供は非常に重要になってきている。同じトラブルを繰り返さないためにもしっかりと原因を解明し、国も参加して信頼性の高いシステムを作る必要がある」と話しています。

世田谷区長はツイッターで情報発信

東京都世田谷区では、区のホームページがつながらなくなったことから、世田谷区の保坂展人区長がみずからツイッターを使って情報を発信したということです。

保坂区長はふだんから個人でツイッターを利用していて、8万3000人のフォロワーと呼ばれる読者がいます。

当時、区長のツイッターには「防災行政無線の音が聞き取れなかった」とか「ホームページがつながらずハザードマップが見られない」などの声が寄せられたということで、区長が、防災行政無線の内容を文字に起こしたりハザードマップの写真を撮影したりして投稿していたということです。

このほかにも住民からは、川の水位や避難所の場所などの情報を求める声が数多く寄せられたということで、保坂区長は、「公式情報と異ならないよう注意を払って情報を発信したが住民が自分に関わる細かな情報をリアルタイムで求めていることが分かった。ホームページでの発信は不可欠で、今回起きたことを教訓に災害時でも確実に発信できる仕組みを早急に構築したい」と話していました。

自治体の対応は

ホームページに接続するためのインターネット回線は容量が限られていて、想定を超える通信が集中すると水があふれるように通信があふれて接続できなくなってしまいます。

「piyokango」の名前で国の情報通信研究機構にも協力している情報セキュリティーに詳しいブロガーが、台風が接近しつつあった先月12日、東京都の災害情報を掲載するページの通信速度を計測したところ、先月12日朝早くから通信速度が急速に低下し、午前8時ごろにはほぼゼロになっていたということです。

実際に都のホームページは午後10時ごろまで、およそ14時間にわたってほとんどつながらない状態になってたということです。
また、東京都世田谷区では、先月12日の1日でふだんの40倍近い、27万件のアクセスが集中し、午前11時ごろからホームページに接続しにくい状況になりました。

区はホームページから通信の容量が大きい動画や画像を取り除き、文字情報だけを表示する災害用のホームページに切り替えたり、非常用のサーバーに切り替えたりしましたが、つながりにくい状況は午後6時ごろまで続いたということです。

世田谷区広報広聴課の山戸茂子課長は、「災害用のホームページや非常用サーバーなどの対策を持ちながら、対応が遅れ、反省している。教訓を対策に生かしたい」と話していました。

一方、東京都足立区では、過去の花火大会や、ことし9月の台風15号の際にホームページにアクセスが集中した経験から、台風19号では、台風が接近する前の先月11日午前10時に、ホームページを文字情報だけの災害用に切り替えていたということです。

また、サーバーを分散させて一つに負荷が集中しても、接続を確保するシステムを使っていたためホームページがつながらない事態になるのを防ぐことができたということです。

国も分析へ

総務省によりますと東日本大震災を受けて、災害時に内部のシステムが故障しないための整備が進められてきましたが、ホームページに通信が集中した際の対策については特にマニュアルなどは定められていないということです。

今回の台風19号により各地の自治体でホームページがつながりにくくなったことを受け、総務省では各地の自治体の対応について調査を進めているということで、災害時にどうすればホームページの接続が途切れないようにできるのか、成功事例を分析して改善策や対策を紹介していきたいとしています。