補助金不交付に抗議 文化庁事業の委員 辞任相次ぐ

補助金不交付に抗議 文化庁事業の委員 辞任相次ぐ
愛知県の国際芸術祭への補助金の交付を文化庁が取りやめたことに抗議し、これまで文化庁の事業に関わってきた専門家が、委員のポストを相次いで辞任する事態となっています。辞めた委員の1人は「不交付決定は納得いかず、文化庁の姿勢を問いたい」と話しています。
慰安婦を象徴する少女像や、天皇をコラージュした作品などに脅迫や抗議が集まり、一部の展示が中止された愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」について、文化庁は先月26日、申請の手続きなどが不適切だったとして、すでに採択を決めていたおよそ7800万円の補助金を交付しないことを明らかにしました。

この問題について、文化庁の事業の委員を務める大学教授などの専門家3人が、抗議の意志を示すとして相次いで辞任する事態となっています。

金沢21世紀美術館の元学芸員で今回の国際芸術祭の企画に関わった、鷲田めるろさんもその1人です。

NHKの取材に対して鷲田さんは「文化庁の決定は手続き上の不備を指摘しているが、納得できるような理由は示されておらず、展示の内容に問題があると判断したのではないかという疑念は晴れていない。今回の決定は、美術館で企画をする際に作品の展示などに関して政府の意向を気遣わないといけないような萎縮効果を生むと懸念していて、そうした中で文化庁の仕事はできないと考えた」と話しました。

そのうえで「これまで委員として関わった事業自体はすばらしいもので、辞任は本意ではない。ただし、それ以上に今回の決定には承服できず、文化庁として芸術や文化行政に取り組む姿勢を問いたいと考えている」と訴えました。

この問題については、これまでにも芸術家や大学教授などが抗議声明を出すなど、文化庁のとった対応への批判が相次いでいます。