マラソン・競歩の内定選手は「驚き」東京五輪 札幌移転検討

マラソン・競歩の内定選手は「驚き」東京五輪 札幌移転検討
東京オリンピックの開幕まで10か月を切る中、マラソンと競歩の会場を札幌に移す検討が始まりました。代表に内定している選手たちからは、驚きの声が上がっています。

マラソン 中村匠吾「力発揮できるよう練習重ねる」

男子マラソンの代表に内定している中村匠吾選手は「突然の報道に驚いていますが、状況の推移を見守りたいと思います。先日のMGC=マラソングランドチャンピオンシップ、そしてドーハでの世界選手権もそうでしたが、どの会場であっても気象条件は変化します。どのような状況においても力を発揮できるよう、練習を重ねていきたいと思います」というコメントを出しました。

マラソン 服部勇馬「東京開催は可能」

男子マラソンの代表に内定している服部勇馬選手は、地元の新潟県十日町市で取材に応じ、「札幌と聞いて冬季のオリンピックだと思ったが、マラソンと競歩だった。当事者としては戸惑いというかびっくりした。僕自身が決定できる話ではないので何の権限もないが、決められことに対してはしっかりルールにのっとって走り抜き戦っていきたい。東京の舞台を目指してマラソンを始めてここまでやってきたので東京で開催して欲しい。仮に札幌で決定したら決定として万全の態勢を組む」と話しました。

また「先月、東京で行われたMGC=マラソングランドチャンピオンシップはそこまで暑くなかった。暑さに対して準備をすれば東京開催は可能だ。仮に札幌での開催ならコンディションは良くなるのでしっかりタイムを狙っていきたい」と話しました。

マラソン 鈴木亜由子「国立でゴールしたい思い強い」

女子マラソンの代表に内定している鈴木亜由子選手は、NHKの電話取材に応じ「先月MGCで本番のコースを走りましたし、それをイメージして練習してきたので戸惑っているというのが今は大きいです。オリンピックでは最後に国立競技場でゴールをしたいと思いが強く、選手はそう思っている人が多いと思います」と話しました。

鈴木選手は去年の北海道マラソンが初マラソンで優勝しています。

これについて鈴木選手は「自分にとっては縁起の良い場所ではあるが、やっぱり急には向かい合いづらいし、また違う局面が出てくると思う」と話しました。

その上で「MGCで1度走り海外の選手に対してアドバンテージにしたかったが、変更になれば自分は切り替えてやっていこうと思う。私たち選手は全力で本番にベストが出るように努力するだけだと思っています」と前を向いていました。

競歩 鈴木雄介「移転には驚き」

男子50キロ競歩の代表に内定している鈴木雄介選手は「これまで『日陰のあるコースに』と要望してきましたが、東京からの移転までは想定しておらず、正直、驚いています。いずれにせよ、選手、大会スタッフ、ボランティアの皆様、そして観戦される方々の安全を第一に考えて決めていただきたいと思います」というコメントを出しました。

競歩 山西利和「金メダル目指し練習続ける」

男子競歩の代表に内定している山西利和選手は、17日、練習拠点を置く愛知県東海市で取材に応じました。

山西選手は、「まだ正式に決まったわけではなく何とも言えないが、どこで開催になろうと自分たちがやるべきことは変わらないと思うので、金メダルを目指して練習を続けるだけだ」と話しました。

また、自身は議論のきっかけとなっているカタールでの世界選手権でのレースを経験していることを踏まえ「確かに気温が高いと体へのダメージは大きく潰れる選手が増えて入賞ラインは下がってくるが、その中でもメダル争いをすることは変わらないし、環境がどうであれ勝てる選手は勝つと思う。今後も冷静に練習に取り組みたい」と淡々と話しました。

海外の選手は

海外の選手たちの反応は賛否が分かれています。

男子50キロ競歩で世界記録を持つフランスのヨハン・ディニズ選手は、フランスメディアの取材に「札幌への移転はいいことだ。東京よりも5度から10度気温が低く、湿度も低いので息苦しさがなく、私に合った気候になる」と答えました。

ディニズ選手は、先月カタールで行われた世界選手権の50キロ競歩に出場しましたが途中で棄権していました。

一方、世界選手権の50キロ競歩で銅メダルを獲得したカナダのエバン・ダンフィー選手は「暑さをリスペクトし、暑さに備えてきた。適切に準備をした選手には何も恐れるものはない。この検討は私の心を壊し、オリンピックの経験を台無しにしようとしている。事前に選手との話し合いはあったのか」と投稿しました。

暑さによって本来のパフォーマンスが発揮できないと考える選手と、東京でのレースに向けて厳しい暑さに耐えられるよう調整を進めてきた選手によっても受け止め方が分かれています。