体操世界選手権 男子団体 日本は銅

体操世界選手権 男子団体 日本は銅
ドイツで開かれている体操の世界選手権は9日、男子団体の決勝が行われ、日本は後半の種目にミスが重なって得点を伸ばせず、2大会連続の銅メダルでした。
ドイツのシュツットガルトで開かれている体操の世界選手権は、大会6日目の9日、男子団体の決勝が行われ、予選の上位8チームが出場しました。

決勝は6つの種目ごとに1チーム3人が演技してその得点の合計で争われました。

予選で3位の日本は、最初の種目の「あん馬」で全員が14点台中盤の得点をマークして好スタートを切りました。

3種目めの「跳馬」では初出場の18歳、橋本大輝選手が「ロペス」、谷川航選手が「ブラニク」と、いずれも難度の高い技を決めて14点台後半の高い得点をあげ、3種目を終えた時点で首位に立ちました。

しかし続く「平行棒」と「鉄棒」で倒立の姿勢を止められないなどのミスが続きました。

最終種目の「ゆか」でも着地で転倒するなどのミスが出て後半の3種目で得点を伸ばせなかった日本は、6種目の合計で258.159で2大会連続の銅メダルでした。

金メダルはロシアで261.726、銀メダルは中国で、260.729でした。

水鳥監督「選手は持てる力出しきった」

男子の水鳥寿思監督は「エースの内村航平選手が不在だったり直前で谷川航選手がけがをしたりと想定外のことが多く起きた中で、できることはやりきったし、選手たちが今、持てる力は出し切ったと思う。プレッシャーのかかる決勝でも、予選より得点を伸ばすことができたし、去年の大会よりもいい試合ができたと成果を感じている」と団体の決勝を振り返りました。

その一方、後半の種目で得点を伸ばせなかったことについて、「優勝したロシアが後半、確実な演技で得点を伸ばしたのに対して、日本は主に着地の部分で減点が多く、実力以上に点数が離れてしまった。来年に向けてこういう細かい部分を修正しないといけない」と話しました。

6種目で安定した演技を見せた萱和磨選手については、「来年の東京オリンピックは今大会よりも緊張した舞台となり、確実に安定した演技をすることが求められる。萱選手が決勝で見せたすばらしい演技は、日本にとってとても大きいと思う」と話していました。

そして活躍が光った初出場の18歳、橋本大輝選手について、「世界の舞台で橋本選手の体操が評価されされたことは、東京オリンピックに向けて大きな柱になると思う。最後のゆかこそ尻餅をつくミスをしてしまったが、あれは橋本選手が最後まで逆転を信じてすべての着地を完璧に決めようとした結果だし、その強い思いはすばらしかった。悔しさで涙を流していたが、初出場の大会で本当によくやったと思うし、あの涙が彼をもっと強くすると確信している」と期待を示していました。

萱選手「五輪ではエースとして 金メダル取りたい」

団体の決勝で6種目を通して高いレベルで安定した演技を見せた萱和磨選手は、「最初のあん馬から最後のゆかまでとてもいい演技を6種目並べられたうれしさもあるが、それよりも負けたということがとても悔しい」と淡々と話しました。

さらに日本が前半は善戦しながら後半、得点を伸ばせなかったことについて、「後半の種目がキーになると思っていたので、いい演技をして次につなごうとしてしていた。後半に中国やロシアが得点を伸ばしてくる中でこらえることができなかった。それでもすごくいい試合ができたと思うし、毎年こういう試合を積み重ねていかないと金メダルは取れないのかなと思う」と冷静に振り返っていました。

そして「去年まで内村航平選手がそうしてくれていたように、自分が引っ張るつもりで団体の演技に臨んだ。これからは胸を張って、エースとして自分が日本を引っ張り、東京オリンピックでは金メダルを取りたい」と来年の活躍を誓っていました。

初出場の橋本選手「体が震え ありえないミス」

初出場の18歳、橋本大輝選手は、決勝の鉄棒やゆかでミスを重ねたことについて「予選では勢いで何とかなる部分があったが、決勝ではミスをしてはいけないというプレッシャーと緊張があって、体が固まってしまった。演技を始める時に手を挙げる瞬間まで体の震えが止まらなかった。最後の種目のゆかでは、尻餅をするという絶対にありえないミスをしてしまい、本当に悔しいし力不足を感じた」と振り返りました。

そして大会後半の種目別の決勝であん馬と鉄棒の2種目に出場することについて触れ、「自分が納得する演技を見せてメダルを獲得したい」と前を見据えていました。

さらに来年の東京オリンピックに向けては、「日本の団体はつり輪と平行棒でもっと得点が必要だと感じたし、個人的にも苦手な2種目なので、そこを克服できるように頑張りたい。ロシア、中国との差は大きいが、自分に厳しく練習を積んで、来年は絶対に1位を取りたい」と力強く話していました。

体操の男子団体の歴史

体操の男子団体で日本は1962年から1978年までの世界選手権で5連覇を達成。

オリンピックでも1976年のモントリオール大会まで5大会連続で金メダルを獲得し、世界選手権と合わせて10連覇を達成しました。

日本選手としてオリンピックで最多の8個の金メダルを持つ加藤澤男さんなど、美しさと独創性にあふれた「体操ニッポン」の演技が世界の頂点を占めました。

しかし1980年代以降は、世界の強豪国が力を入れたジュニア選手の育成に立ち遅れたこともあって金メダルから遠ざかりました。

その後、強豪国にならってジュニアの指導を強化した結果、2004年のアテネオリンピックで冨田洋之さんなどが活躍し、団体で金メダルを獲得しました。

さらに、今の日本のエース、内村航平選手が登場して2015年の世界選手権で団体で金メダルを獲得、リオデジャネイロオリンピックでも優勝を果たしました。

去年の世界選手権では、内村選手と白井健三選手といったオリンピックの金メダリストに加え、今大会も出場した萱和磨選手や谷川航選手といったメンバーで臨んだものの、中国やロシアに及ばず、銅メダルに終わっていました。