「日本南極探検」日本最古の記録映画 公開当時の状態に復元

「日本南極探検」日本最古の記録映画 公開当時の状態に復元
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明治45年の白瀬矗中尉らの南極探検を撮影し、日本最古の長編記録映画として知られる「日本南極探検」が、昭和5年に公開された当時の状態に復元されました。復元にあたった専門家は「日本のドキュメンタリー映画が高い水準にあったことがよく分かる」と指摘しています。
日本最古の長編記録映画として知られる「日本南極探検」は明治45年に白瀬矗中尉らが日本人として初めて南極を探検した様子を撮影した作品で、国立映画アーカイブによりますと、これまでに2つのバージョンが確認されています。

このうち平成19年に静岡県内の民家で見つかったフィルムについて、国立映画アーカイブが調査で発見した台本などをもとに、切り取られていた映像や字幕を元の場所に戻し、公開当時の状態に復元しました。

復元された映画は50分ほどの長さで、探検隊が南極で遭遇したペンギンやアザラシの様子や、帰国後多くの人に出迎えられる場面などが記録されています。

復元に伴う調査で新聞などを調べた結果、映画は昭和5年に公開されていたことが判明し、内容を説明する字幕など当時としては最先端の手法が用いられていることが分かったということです。

調査を行った国立映画アーカイブの大傍正規主任研究員は「外国で作られたドキュメンタリー映画と比べても引けを取らなものが作られていたことが興味深い。映画を復元することで、当時の日本のドキュメンタリー映画が高い水準にあったとことがよく分かる」と指摘しています。

今回の調査 新たに分かったことは?

今回の復元に伴う調査では、ほかにも分かったことがあります。

映画の中で何回か出てくる洋館や和風の建物はこれまで特定できていませんでしたが、当時の写真などと照らし合わせた結果、今の早稲田大学の敷地にあった大隈重信の邸宅であることが分かりました。

大隈は南極探検の後援会長を務め、この映画にも登場しています。

国立映画アーカイブの大傍正規主任研究員によりますと、大隈邸が映っている動画はこれ以外に確認されていないということで、貴重な資料だとしています。

また、白瀬中尉が南極に向けて出発する場面では、白瀬と大隈の間に割って入るように1人の男の子が映し出されます。

大傍主任研究員によりますと、この子どもが特別扱いされていることや白瀬の妻と子どもが見送りにきたという記録が残っていることから、白瀬の子どもの可能性が高いと指摘しています。

大傍主任研究員は「この子どもが特別視されていることは大きなポイントで、今後も調査を続けていきたい。今回の調査では大隈邸の内部の構造が明らかになり、邸宅の全体像が動画で明らかになった。歴史的に見ても極めて重要なことだと感じる」と話しています。