関電 金品授受の背景に原発再稼働 きょうの会見でどう説明か

関電 金品授受の背景に原発再稼働 きょうの会見でどう説明か
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関西電力の経営幹部らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題で、幹部たちは地元で影響力がある元助役との関係悪化をおそれていましたが、福井県内にある原発の再稼働が当時、経営課題となっていた状況が背景にあることが関係者の話から明らかになりました。関西電力が改めて開く2日の記者会見で、会社と元助役との関係についてどこまで踏み込んだ説明を行うかが焦点となります。
関西電力の会長や社長など合わせて20人は、原子力発電所がある福井県高浜町の森山栄治元助役から総額3億2000万円に上る金品を受け取っていました。

関係者によりますと、幹部たちは受け取った金品を元助役に返そうとしましたが、特に福島の原発事故が起きた2011年以降、関係悪化をおそれ、返すことが難しくなったということです。

背景には福井県内にある原発の再稼働が当時、差し迫った経営課題になっていた状況があります。

原発事故後、関西電力はすべての原発が停止し、発電コストが上昇して最終赤字が続いていました。

原発の再稼働を急ぎたい関西電力にとって、地元で影響力がある元助役との関係は神経を使い、特に難しい時期だったと関係者は話しています。

関西電力が2日に改めて開く社長による記者会見で、会社と元助役との関係についてどこまで踏み込んだ説明を行うかが焦点の1つとなります。

専門家「関電幹部からは倫理感が感じられない」

関西電力が会見などで十分に説明を行っていないことについて、企業の危機管理に詳しい専門家は「都合の悪い情報は出したくないという姿勢が見え、企業倫理の点からも問題が多い」と厳しく指摘しています。

関西電力は先月27日に会見し、会長や社長など20人が関西電力の原子力発電所がある高浜町の森山栄治元助役から総額3億2000万円を受け取っていたことを明らかにしました。

しかし、誰がいつ受け取ったのかなど詳しいことは明らかにせず、個人の問題だとして社内調査の結果も公表していません。

こうした一連の対応について、さまざまな企業の危機管理に対応した経験があり「『説明責任』とは何か」などの著書もある京都大学経営管理大学院の井之上喬特命教授は「記者会見については100点満点で30点だ。自分たちに都合の悪い情報は開示せず、いやいや会見しているという印象が強かった」と話しています。

そして、「遅かれ早かれ明らかになることを言わないのは、社会に対する企業の責任という点でも必要なことが欠落している」として、関西電力の企業姿勢にも問題があるとしています。

さらに、「一連の問題は取締役会に報告されていなかったが、トップが関わっていたことで情報が一部だけで止まっていたとみられる。これまでの対応を見ると、関西電力の幹部からは倫理感や自浄能力が感じられない」と話しています。

井之上特命教授は「原発について国民的な議論になっている最中に、今回のようなことを行うのは許されず、責任は重い。不祥事があった場合、上層部が替わらないと組織の立て直しはなかなかできず、もはや新しい経営者を選ぶしかないのではないか」と経営幹部の責任についても厳しく指摘しています。

これまでの経緯

一連の問題はもともと国税局の調査などで明らかになり、それを受けて関西電力は先月27日に記者会見を開きました。

会見には岩根茂樹社長が出席しましたが、同じく金品を受け取っていた八木誠会長は出席しませんでした。

社長は金品を受け取ったいきさつや国税当局に修正申告した事実などを説明する一方、誰がいつどのように受け取ったかについては「個人的なことだ」などとして説明を拒み、社内での処分についても「詳細は差し控える」と述べました。

さらに、この問題をこれまで公表しなかったことについて「不適切だが違法ではないため、社内で公表しないことを決めた」と説明し、社内の調査報告書も公表していません。

情報の開示に消極的な姿勢について問題視する声も相次いだため、関西電力は2日、八木会長も出席したうえで改めて記者会見を行い、詳しい調査結果などを明らかにすることにしています。