韓国の検察 チョ・グク法相の自宅を捜索

韓国の検察 チョ・グク法相の自宅を捜索
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韓国の検察は、チョ・グク法相の家族ぐるみの不透明な投資などの疑惑をめぐって、23日午前、チョ法相の自宅を捜索しています。検察が現職の司法行政トップの自宅を捜索するのは極めて異例で、検察改革への意欲を示すチョ法相と、徹底捜査の構えを崩していない検察との対立が一段と深まっています。
チョ・グク法相の家族ぐるみの不透明な投資などの疑惑をめぐって、ソウル中央地方検察庁の特捜部は、23日午前9時ごろからソウル市内にあるチョ法相の自宅を捜索しています。

検察は、チョ法相のパソコンのハードディスクなどを押収しているとみられています。

韓国で検察が現職の司法行政トップの自宅を捜索するのは極めて異例です。

ムン・ジェイン(文在寅)大統領は、今月9日、家族ぐるみの不透明な投資のほか娘の名門大学への不正入学などの疑惑の渦中にある側近のチョ氏の法相への任命を強行しました。

これに対し検察は、一連の疑惑の解明を進めるため、チョ法相の親族の男を逮捕したほか、娘からも事情を聴くなど捜査の手を緩めていません。

有力紙「朝鮮日報」などは娘と息子の大学などの入試にあたり、チョ氏みずからが関与した疑いがあるとして、検察はチョ法相自身の捜査に乗り出すとの見方を伝えています。

23日のチョ法相の自宅の捜索は、ムン大統領が国連総会に出席するためニューヨークを訪問しているタイミングで行われた形で、検察改革への意欲を示すチョ法相と、徹底捜査の構えを崩していない検察との対立が一段と深まっています。

法相関与で捜査も 韓国紙が報道

韓国の有力紙、「朝鮮日報」などはチョ・グク法相が一連の疑惑に直接、関与した疑いがあるとして検察が捜査に乗り出すとの見方を伝えています。

このなかで、チョ法相の娘と息子が大学などの入試にあたり、大学側に提出した、インターンシップの証明書が偽造された疑惑が指摘されています。

この証明書はソウル大学の法学研究所が作成したものとされていますが、検察の調べに対して、大学側が作成を否定したことから、ソウル大学の教授を務めていたチョ氏が偽造に関わった疑いがあるということです。

このため「朝鮮日報」などは、検察がチョ法相の息子が受験した2つの大学も自宅と同時に捜索していると伝えています。

また、自宅の捜索でも、家族ぐるみの投資疑惑などをめぐって、チョ法相が証拠隠滅をほう助した疑いもあるとして、検察が関連する資料を捜索していると伝えていて、今後の捜査がチョ法相自身に及ぶかが焦点になります。

注目の検事総長 時の政権に左右されない姿勢

チョ・グク法相の一連の疑惑で政権との対立の構えを崩さず、注目を集めているのが検事総長のユン・ソギョル(尹錫悦)氏です。

ユン検事総長はソウル出身の58歳。国政監査の場で、「私は人には尽くさない」と述べるなど、時の政権に左右されない姿勢を示してきました。

2012年の大統領選挙に情報機関が介入した事件では捜査の進め方をめぐって、検察の上層部と対立し、地方の検察庁に事実上、左遷させられました。

しかし、2016年に政権交代の引き金となった、パク前大統領らによる職権乱用などの事件では、捜査チームのトップとして、一連の事件を指揮しました。

ムン政権が発足した、2017年にはソウル中央地検のトップに就任し、イ・ミョンバク元大統領を逮捕・起訴するなど、それまでの保守政権の不正に対し厳しい姿勢で捜査を続けてきました。

強大な権力を持つ検察の改革を進めようとするムン大統領はその手腕に期待し、ことし7月、地方検察庁のトップから検事総長に抜てきしました。

任命式では当時、司法機関を統括する民情首席補佐官だったチョ・グク氏も立ち会う中、ムン大統領から「生きている権力に対しても同じ姿勢でなければならない」と現政権の不正に対しても厳しく臨むよう求められ、ユン検事総長は「国民のためだけに尽くす。私欲や特定の勢力のためには働かない」と応じていました。