米大統領「ボルトン大統領補佐官を解任」ツイッターで公表

米大統領「ボルトン大統領補佐官を解任」ツイッターで公表
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アメリカのトランプ大統領は、ホワイトハウスで安全保障政策を担当する保守強硬派のボルトン大統領補佐官の解任を明らかにしました。トランプ大統領は、ボルトン補佐官と意見の違いがあったとしていて、アメリカの今後の安全保障政策に影響を与えるものとみられます。
アメリカのトランプ大統領は10日、ツイッターに「昨夜、ジョン・ボルトン氏にホワイトハウスではもはや働く必要はないと伝えた」と書き込みました。

そのうえで、「わたしは彼の提案の多くについて強く反対だった」として、ボルトン氏との意見の違いがあり、解任を決めたとしています。後任については来週、明らかにするとしています。

一方、ボルトン補佐官は、自身のツイッターに「昨夜、トランプ大統領に辞任を申し出たところ、『それについてはあす話そう』と言われた」と書き込み、辞任はみずからの意思だったとしています。

ボルトン氏は、保守強硬派として知られ、2001年から2005年まで当時のブッシュ政権で軍縮担当の国務次官を務め、アメリカと対立する国には武力行使も辞さない姿勢を示しました。

去年、マクマスター前大統領補佐官が解任されたことに伴って、トランプ政権としては3人目の安全保障政策担当の補佐官に起用されたあと、オバマ前政権が各国との間で結んだイラン核合意からの離脱などを推し進めました。

ただ、トランプ大統領が、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長との首脳会談に応じ、北朝鮮との対話路線に転じる中、北朝鮮政策をめぐる意見の違いが指摘され、ことし6月に行われた3回目の米朝首脳会談の際には、トランプ大統領に同行していませんでした。

また、最近ではトランプ大統領が首脳会談への意欲を示すイランへの対応や、トランプ大統領が白紙に戻すことを発表したアフガニスタンの和平交渉をめぐっても、トランプ大統領と立場の違いがあったと伝えられていて、ボルトン氏の解任はアメリカの今後の安全保障政策に影響を与えるものとみられます。

大統領に近い議員「タリバンとの会談 溝大きすぎた」

解任されたボルトン大統領補佐官は北朝鮮やイラン、それに南米ベネズエラなどへの対応をめぐってトランプ大統領と意見が食い違っていたと指摘されています。

特に、いったんは合意直前の状態になったものの、その後、トランプ大統領が白紙に戻すことを発表したアフガニスタンの和平交渉をめぐっても意見の対立があったとアメリカメディアは伝えています。

こうした中、トランプ大統領に近い共和党のグラム上院議員は10日、記者団に対し、「タリバンとの会談をめぐってボルトン補佐官は反対していたという話を聞くが、両者にとって溝が大きすぎたのではないか」と述べました。

トランプ大統領は8日、アフガニスタンのガニ大統領や反政府武装勢力タリバンの指導者とアメリカで極秘に会談する予定だったもののキャンセルしたことを明らかにしましたが、この会談をめぐるあつれきが解任のきっかけになったという見方を示した形です。

国務長官「外交政策に影響ない」

アメリカのポンペイオ国務長官はボルトン補佐官が解任されたことについて、記者会見で「大統領にはアメリカの外交政策を進めるうえで考え方や判断を信頼できるスタッフを選ぶ権限がある」と述べ、トランプ大統領の判断を擁護しました。

そのうえで、「世界中のリーダーは政権の幹部がひとり去るからといってトランプ大統領の外交政策が変わると考えるべきではない」と述べ、アメリカの外交政策には影響がないという考えを強調しました。

イラン「アメリカの戦略 敗北した」

アメリカのボルトン大統領補佐官が解任されたことについてイランのアシエナ大統領顧問は、ツイッターに「ボルトン氏の解任は偶然の出来事ではなく、イランに最大限の圧力をかけるというアメリカの戦略が敗北したことを示している」と投稿し、ボルトン氏が主導して進めてきたイランに対する強硬姿勢が誤りであると指摘しました。

イラン政府は、対イラン強硬派として知られるボルトン大統領補佐官をイランの体制転換を狙って緊張をあおりたてていると、繰り返し名指しして批判してきました。

ロシア「われわれは干渉しない」

アメリカのボルトン大統領補佐官が解任されたことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は10日「アメリカの内政問題でわれわれは干渉しない」と述べました。

そのうえで、再来年に期限が切れるアメリカとロシアの核軍縮条約「新START」について、「条約に対するロシアの考え方はプーチン大統領がたびたび表明している」と述べ、条約の延長に向けた協議を本格化させるよう改めてアメリカに求めました。

ボルトン氏とは

ボルトン氏は東部メリーランド州の出身。ブッシュ政権下で軍縮担当の国務次官や国連大使を務めました。

当時、ボルトン氏は、みずからの国益しか顧みない「一国行動主義者」と目され、アメリカと対立する国には武力行使も辞さない姿勢を示すなど、軍事力で外交を動かしたり問題の解決を目指したりする「力の信奉者」と評されました。

ボルトン氏は、イラクのフセイン政権の脅威を訴え、ブッシュ政権をイラク戦争へと導いた保守強硬派、いわゆる「ネオコン」の1人とみなされてきました。

政権を離れたあとは、保守系シンクタンクの専門家や保守系テレビ局のコメンテーターなどとして活動していましたが、去年4月、トランプ大統領に解任されたマクマスター前大統領補佐官の後任として、ホワイトハウスで安全保障政策を担当する大統領補佐官に就任しました。

ボルトン氏は、オバマ前政権が結んだイラン核合意を繰り返し批判し、去年5月、トランプ政権は国際社会の反対を押し切って核合意から離脱しました。

また、北朝鮮との交渉にも関わってきましたが、トランプ大統領が、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長との首脳会談に応じ、北朝鮮との対話路線に転じる中、政策をめぐる意見の違いが指摘され、ことし6月に行われた3回目の米朝首脳会談の際には、トランプ大統領に同行していませんでした。

イラン情勢をめぐっては、ことし6月、アメリカとイランの緊張が高まる中、イランがアメリカの無人偵察機を撃墜したことを受けて、ボルトン氏は、イランへの軍事攻撃を主張したとされていますが、トランプ大統領は、「イランとの戦争は望まない」として攻撃を中止しました。

最近では、いったんは合意直前の状態になったものの、その後、トランプ大統領が白紙に戻すことを発表したアフガニスタンの和平交渉をめぐっても、トランプ大統領と立場の違いがあったと伝えられていて、アフガニスタンをめぐる対応が解任のきっかけになったという見方も出ています。

さらに、同じく強硬な外交政策で知られるポンペイオ国務長官とも対立するようになり、最近では、公式な会議以外でほとんど話をしなくなり、政権内で孤立しているとも伝えられていました。