京急事故 偶然その場にいた社員が非常ボタン押すも

京急事故 偶然その場にいた社員が非常ボタン押すも
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5日発生した京急線と大型トラックの衝突脱線事故で、偶然、その場に居合わせた京急の社員2人が、警報音が鳴っているにもかかわらずトラックが踏切内に進入したのを見て、踏切の非常ボタンを押していたことが分かりました。
京急によりますと、社員2人は休憩中で、その場を通りがかったところ、当初、踏切とは逆の方向に曲がろうとしていたトラックの運転手に話しかけられ、「後方の安全確認を手伝ってもらえないか」とお願いされたということです。

その後、運転手から左折するのを諦めたと言われたので現場から離れようとしたものの、トラックが今度は右折を始めたということです。

トラックは、警報音が鳴っているにもかかわらず踏切に進入したため、踏切の横に設置してある「非常ボタン」を押したということです。

ただ、京急によりますと、この踏切は警報音が鳴り始めると、人や車などの障害物をセンサーで検知する「障害物検知装置」が設置されていたため、職員が「非常ボタン」を押したときには、すでにこの装置が作動していたということです。

障害物検知装置とは

事故があった踏切は、警報機が鳴り始めると、人や車などの障害物をセンサーで検知する「障害物検知装置」が設置されていました。

この装置は、踏切の脇にある支柱に取り付けられていて、高さ1メートル、横1メートル、幅1メートルを超えるものをセンサーで検知することができるということです。

センサーは、警報機が鳴り始めたところから作動し、障害物を検知すると踏切の異常を知らせるための専用の信号機が赤く点滅し、電車の運転士に知らせる仕組みになっています。

踏切の中から障害物がなくなると、信号機の点滅は消える仕組みになっているということですが、今回は、トラックが踏切の中に立往生していたので、点滅し続けていたということです。

また、京急によりますと、事故のあった踏切は通常、「快特」電車が通過する場合は、電車が通過するおよそ40秒前に警報機が鳴りだし、遮断機が下り始めます。

遮断機は19秒かけて閉まり、遮断機が閉まってからおよそ20秒後に「快特」電車が通過する仕組みになっているということです。

踏切異常専用信号機 事故現場手前に3か所

京急によりますと、踏切での異常を知らせるための専用の信号機は、事故が起きた踏切では、手前に3か所にあり、障害物を検知したり非常ボタンが押されたりした場合に作動します。

もっとも手前にある信号機は、踏切から340メートルの場所に設置され、快特電車がブレーキをかけてから停車できる距離とする、踏切の600メートル手前から確認できるようになっているということです。

残る2か所は、踏切の130メートル手前と10メートル手前にあり、赤く点滅する特殊な信号機を連続して設置することで、運転士がすぐに気付くようにしているということです。

運転士は、赤い点滅を確認次第、手動で非常ブレーキをかけることになっているということです。

運転士は「非常ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しているということで、京急は、車両内部にある走行データを分析し、運転士が非常ブレーキをかけた位置などを調べています。

踏切事故と各社の対策は

国土交通省によりますと、踏切は全国に3万3000か所余りあり、このうちおよそ9割に当たるおよそ3万か所には、遮断機と警報機が設置されているということです。

一方で踏切での事故は後を絶たず、全国では、平成29年度では250件あり、内訳では、列車が通過する直前に踏切に入る「直前横断」が139件と最も多く、次いで、通過中に脱輪やエンストなど何らかの原因で止まるケースが76件、踏切の手前で不適切な停止位置による接触が28件などとなっています。

鉄道各社は、踏切の手前では必ず一時停止をして、列車が接近していないか確認することや、警報機が鳴っているときなどは、絶対に踏切に入らないよう呼びかけています。

そのうえで、踏切内で遮断機が下りて閉じ込められた場合は、前進して遮断機のバーを押して脱出することや、踏切内で動けなくなった場合は、すぐに車から降りて、踏切近くに設置されている「非常ボタン」を押すことなどを呼びかけています。