京急線 電車とトラックが衝突 男性1人死亡33人けが 横浜

京急線 電車とトラックが衝突 男性1人死亡33人けが 横浜
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5日昼前、横浜市の京急線の踏切で、電車とトラックが衝突して複数の車両が脱線し、トラックの運転手の男性が死亡し、乗客など33人がけがをしました。トラックは踏切内で立往生したとみられ、警察が詳しい状況を調べています。
5日午前11時40分ごろ、横浜市神奈川区の京急線の踏切で、8両編成の快特電車がトラックと衝突して先頭から3両目までが脱線しました。

トラックはめちゃめちゃに壊れて炎上し、一時、黒煙が激しく上がりました。

警察によりますと、大型トラックを運転していた千葉県香取市の運送会社の本橋道雄運転手(67)が死亡し、乗客など33人がけがをしました。

当初、重傷とされた20代の乗客の女性も含め、いずれもけがの程度は軽いとみられています。

このほか数人が体の痛みなどを訴えましたが、病院への搬送は辞退したということです。

京急によりますと、この電車は青砥発三崎口行きで横浜方面に向かっていて、乗客およそ500人が乗っていたということです。

事故があった踏切は神奈川新町駅のすぐ隣にあり、駅を通過した直後に衝突したと見られます。

通常、この区間は時速120キロで走行する場所で、高速で走行中にトラックと衝突した可能性があるということです。

これまでの調べで、大型トラックは右折する形で踏切に進入したあと遮断機が降りて立往生する様子が踏切に設置されたカメラに写っていたということで、警察などが詳しい状況を調べています。

京急線は京急川崎と上大岡の間の上下線で運転できなくなっています。

京急“トラックは列車の進行方向右側から進入か”

京急によりますと、衝突事故が起きた現場は直線で見通しはいいということです。

会社によりますと、横浜方面に向かって進んでいた8両編成の快特列車が神奈川新町を通過した直後に衝突したということで、進行方向から見て右側からトラックが進入してきたと見られるということです。
ツイッターには、現場に居合わせた人が撮影したとみられる写真が、投稿されています。

5日正午すぎに投稿された写真では、車両が大きく横に傾き、窓ガラスが割れている様子が確認できます。

また、車両から白っぽい煙があがっている様子も確認できます。

線路脇の道路には、複数の人が集まり、現場の様子を見ている様子も映っています。

写真とともに、ツイッターには「すごい轟音(ごうおん)で起きた事故を目撃した」と書き込みがされています。

近くの飲食店従業員「ものすごい音」

事故の起きた現場は、横浜市神奈川区にある京急線の神奈川新町駅からすぐそばの線路です。

近くの飲食店の従業員によりますと、駅に近いため、線路脇の道路などはふだんから人通りが多いということです。

NHKの取材に対し、飲食店の店員は「ものすごい音がして、けが人とみられる人が数人、運ばれていくのを見た。現場では火や煙もたくさん出ていた」と話していました。

踏切近くにいた男性「ぶつかった瞬間、目の前から車が消えた」

事故当時、踏切の南側で車に乗っていた40歳の男性によりますと、京急線の線路沿いを走ってきたトラックが北側から右折しながら踏切に進入した際、曲がりきれずに立往生し、その後、踏切の遮断機が下りてきたということです。

遮断機が下りてトラックが踏切のなかに閉じ込められたあと、近くにいた人が遮断機を手で押し上げるなどして、抜け出せるよう手助けしていたということですが、間に合わずに電車と衝突したということです。

男性は「ぶつかった瞬間、目の前から車が消えていた。電車が脱線しながら、トラックを押し込んでいって、何も声が出なかった」と話していました。

目撃男性「トラックが強引に右折し 事故」

線路の近くでおよそ20分間にわたって事故の一部始終を見ていた73歳の男性によりますと、トラックは当初、線路沿いの道路を左折して踏切と反対側の道に入ろうとしていたということです。

しかし、道が狭いことから何回も切り返しを行い、途中、トラックの運転手が京急の社員に「後ろを見てくれないか」とお願いするなどしたやり取りもあったということです。

結局、トラックの運転手は左折を諦めて強引に右折し、車の後部で標識をなぎ倒して線路に入って、その直後に事故が起きたということです。

目撃した男性は「トラックが踏切に入ろうと曲がった際に、おそらく前の車輪が線路にはまったとみられ、トラックが動かなくなった。その直後に遮断機が下り、危ないと思ったが電車がぶつかり、一瞬でトラックが持って行かれて視界から消えた。バリバリという音もすごく、すぐに火の手があがった。ぼう然として見ていて、非常ボタンを押す余裕すらなかった」と話していました。

また「あれほど大きなトラックがどうしてこんなに細い道に入ってきたのか。あの時、運転手に、右折するのは絶対にやめろと言えばよかった」と後悔の念をにじませていました。

車内の男性“窓から外に脱出しようとする人も”

車内に乗っていた男性が撮影した動画には、架線を支える柱が大きく折れ曲がり、周辺の線路内の一帯にはトラックの荷物とみられるかんきつ類のようなものや段ボールが散乱している様子がわかります。
画像を投稿した男性は、先頭から4両目あたりにいたということで、突然、大きな衝撃があったあと、ガラスが割れて破片がシートなどに散らばり、慌てて窓から外に脱出しようとする人の姿もあり、車内は騒然となったということです。

現場は、駅の近くにあることから駅員なども駆けつけて乗客の避難誘導に当たり、すぐに乗客らがドアから外に出ていたということです。

乗客の男性「周りはパニック」

事故が起きた電車に乗っていた49歳の男性は、衝突した瞬間について「自分は先頭車両の真ん中付近に座り寝ていたが、突然、ガンッと衝突音が聞こえて起きた。外を見るとトラックが電車に押し出されていて、ぶつかったことに気付いた」と話しました。

また周囲の様子については「周りはパニックで、叫び声が聞こえた。車体が倒れていたので、自分を含め乗客は窓から脱出した。自分は足を打った程度で済んだが、まさかこんなことになるとは思わなかった」と話していました。

先頭車両の乗客「警笛のあと衝撃」

先頭車両に乗っていた乗客が電車から避難する際に撮影した映像では、トラックがめちゃめちゃに壊れていて、黒い煙と炎が立ち上っていることが確認できます。

電車の車両は斜めに横たわり、正面の窓ガラスにひびが入っていて、車両から逃げる乗客の姿も見られます。

撮影した女性は「先頭車両の真ん中あたりに乗っていたところ、急に電車が警笛を鳴らし始めた。警笛が長い間、鳴っているなと思っていたら突然、衝撃が走り、床に投げ出され、ひじを打ってしまった。何が何だか分からなかったが、電車の外に出て避難するときに、電車とトラックがぶつかったのだと初めて分かりました」と話していました。

乗客「人が倒れ込んできた」

事故が起きた電車の4両目に乗っていた27歳の会社員の男性は、当時の状況について「電車はスピードが出ていて、突然『ボーン』という大きな音がして電車が壁か何かにぶつかったような大きな衝撃を受けました。その直後、『ガラガラ』という車両が脱線するような音も聞こえました。窓を見ると、架線の柱が電車に引き込まれるように倒れていく様子が見えました」と話しています。

車内での様子については「座っていた私の上に人が倒れ込んできました。また、立っていた50代ぐらいの女性が、飛ばされて頭を打っていたようにも見えました。乗客はみんな、何があったのかとぼう然とした様子で、子どもの泣き声も聞こえました」と話していました。

事故の後、男性が乗っていた4両目の車両にも煙がたちこめてきて、駆けつけた駅員が、乗客に逃げるよう呼びかけたため、大勢の人が後ろの車両に向かって逃げ出し、押し合いのような状態になったということです。

男性は、後ろの5両目から下りて、外に避難したということです。

男性は「混んでいたので、1両目を避けて乗車しましたが、もし乗っていたらさらに大変なことになっていたと思いました。いまも気が動転しています」と話していました。

1両目の乗客「座席からはじき飛ばされた」

トラックと衝突した快速電車の1両目に乗っていた横浜市の63歳の男性は、「電車の警笛が20秒くらい鳴っていたので、何かと衝突するんだろうと覚悟した。前の方から、誰かが『後ろの方に逃げろ』と叫ぶ声がして、ぶつかった衝撃で座席から2メートルくらいはじき飛ばされた。トラックから出た黒い煙がすぐそばまで迫っていて、ここで死ぬのかなと思った」と話していました。

また、同じ車両に乗っていた東京都の72歳の男性は「先頭車両には50人くらいの人がいて、なかには子どももいた。座席に空席があり、立っている人はいなかった。トラックにぶつかってすぐに火の手があがったのでとても恐ろしかった」と話していました。

いずれの男性もけがはなかったということです。

「ドライバーは真面目で勤務態度にも問題はない」

電車と衝突したトラックが所属している千葉県香取市の会社では、グループ会社の社員が取材に応じました。

この社員は「今回の事故でけがをした方におわび申し上げます。まだ事故の状況が断片的にしか入っておらず、詳しい説明ができない状態です。ドライバーは真面目で勤務態度にも問題はなく、グレープフルーツやオレンジを積んで横浜から成田に向かう途中でした。乗用車でも狭いような道を通っていたと報じられていますが、なぜそのルートを通ったのかわかりません」と話していました。

7割が死亡事故

踏切での列車事故は、全国で依然として相次いでいます。

警察庁のまとめによりますと、去年までの過去3年間で、自殺を除いた踏切での列車事故は、平成28年が79件、平成29年が69件、平成30年が83件で、いずれの年も、およそ7割が死亡事故となっています。

過去の主な踏切事故では、ことし6月、神奈川県厚木市の小田急・小田原線の踏切で、立往生していた乗用車に快速電車が衝突して、先頭車両が脱線し、乗客3人が病院に搬送されました。

事故のあと小田原線は、一部区間の上下線で、夕方から終日、運転を見合わせるなど大きな影響が出ました。

また、平成25年2月には、兵庫県高砂市の山陽電鉄の踏切で、特急電車とトラックが衝突し、電車の乗客と運転士、それにトラックの運転手の合わせて15人が重軽傷を負いました。

警察庁によりますと、踏切での事故は、多数の死傷者が出るなど、重大な結果につながる可能性が高いということで、全国の警察に対し、鉄道会社などと連携をはかり、事故防止の対策を進めるよう求めていました。