ベトナムの元技能実習生を契約外の除染業務に 3人が賠償請求

ベトナムの元技能実習生を契約外の除染業務に 3人が賠償請求
建設の技術を学ぶためベトナムから来日した元技能実習生3人が、福島県郡山市などで技能実習とは関係のない除染作業などに従事させられたとして、雇用先の会社に合わせて1200万円余りの賠償を求める訴えを福島地方裁判所郡山支部に起こしました。
訴えを起こしたのは25歳から36歳までのベトナム人の元技能実習生の男性3人です。

訴えによりますと3人は4年前に来日し、雇用先の郡山市の会社と鉄筋の組み立てや型枠の施工など建設関係の業務にあたる契約を結びましたが、およそ2年にわたって郡山市や本宮市で除染作業に従事させられたほか、避難指示が出されていた浪江町の区域で配管工事をさせられたということです。

3人は、除染作業で本来もらえるべき賃金を受け取っていないうえ、十分な安全教育もないまま除染作業をさせられ精神的苦痛を受けたなどとして、会社側に賃金の差額や慰謝料など1200万円余りの賠償を求めて、3日、福島地方裁判所郡山支部に訴えを起こしました。

雇用先の会社の社長はNHKの取材に対し、3人を除染作業に従事させたことは認めたものの、理由などについては「コメントを差し控える」と話しています。

元実習生「除染の説明は全くなく将来の健康も心配」

3人は実習期間を終えてすでにベトナムに帰国していますが、帰国する前の去年4月、NHKの取材に応じていました。

この中で3人は「会社からは除染についての説明は全くなかった。日本には建設の技術を勉強しに来たのに除染をさせられて本当にがっかりだ。将来の子どもや自分の健康についても心配だ」などと話していました。

技能実習生の除染作業での提訴は初めて

原告の代理人の弁護士や労働組合などは4日、東京で記者会見を行いました。

弁護士によりますと、技能実習生が除染作業に従事させられたことに対して損害賠償の訴えを起こすのは今回が初めてということです。

原告代理人の指宿昭一弁護士は「3人は当初の計画に全くない除染作業をさせられていて、何の確認もなく、被ばく労働をさせられたことが問題だ。日本に来る外国人労働者にこのような除染作業をさせていいのか、裁判で問われることになる」と話しました。

会見では、原告のうち36歳の元技能実習生が日本語で書いた声明文が読み上げられ、この中で原告は「契約では鉄筋施工をするはずだったが除染ばかりやらされた。将来とても健康が心配です。会社は事実を認めて謝罪してください」と訴えていました。