横綱 白鵬が日本国籍を取得

横綱 白鵬が日本国籍を取得
k10012061001_201909031103_201909031111.mp4
大相撲の横綱でモンゴル出身の白鵬が、将来、親方を目指す上で必要な日本国籍を取得しました。
34歳の白鵬は歴代最多の優勝42回を誇る角界の第一人者で、将来、日本相撲協会に残り、親方として後進の指導をするのに必要な日本国籍を取得するため、ことしに入って手続きを始めました。

6月には、母国の国籍離脱がモンゴル当局から認められたことを明らかにしていました。

白鵬はその後、日本国内での手続きを進め、3日、官報に日本国籍を取得したことが告示されました。

名前はしこ名と同じ「白鵬 翔」とするということです。

白鵬は2年ほど前から日本国籍の取得を目指す意向を示す一方、東京オリンピックを現役の横綱として迎えることを目標の1つにあげています。

大相撲の記録 次々塗り替える

白鵬はモンゴル出身の34歳。
15歳で宮城野部屋に入門し、平成13年の春場所で初土俵を踏みました。

天性の体の柔らかさに、厳しい稽古を重ねたことで力強さも加わり、順調に番付を上げました。

平成18年の春場所後には21歳の若さで大関に昇進し、1年後の春場所と夏場所で2場所連続優勝を果たし、69代横綱に昇進しました。

その後、平成22年には双葉山の69連勝に次ぐ歴代2位の63連勝をマークし、平成27年初場所には大鵬が持つ32回の優勝記録を抜く33回目の優勝を果たしました。

さらにおととしの名古屋場所では歴代1位の通算1048勝を達成するなど、大相撲の記録を次々と塗り替え、ことしの名古屋場所まで現役生活18年で積み上げた勝ち星は1132勝、優勝回数は42回を誇ります。

後進の育成に力入れる

白鵬は以前から「日本の国技、相撲のよさを世界中に広めていきたい」と話し、みずから国際的な相撲大会を開催し、すそ野を広げる活動を続けているほか、弟弟子のスカウトに携わるなど若手の角界入りや育成にも関わっています。

中でも力を入れているのが、平成22年にみずからの呼びかけで実現した「白鵬杯」の開催です。

小中学生を対象にした大規模な相撲大会で、日本と母国のモンゴルだけでなくさまざまな国と地域から子どもたちを招待し、9回目を迎えたことしは参加者がおよそ1200人に上りました。

この大会に出場し、初代優勝者となった阿武咲が角界入りし、おととしの九州場所には新三役として小結に昇進しました。

白鵬は場所前、阿武咲にみずから稽古をつけて「横綱としてたたき上げるのも一つの責任だ」などと感慨深そうに話し、若手を鍛えて相撲界の発展のために務める姿が見られました。

「白鵬杯」は来年、節目の10回目が開催される予定で、白鵬は「東京オリンピックの年で、さらに多くの国から招待したい」と規模を拡大する意向を示しています。

そうした活動を続ける一方、角界の第一人者として後進の育成にも意欲を見せています。

今月の秋場所で幕内の炎鵬や石浦、幕内経験者の山口はいずれも白鵬がスカウトに携わった力士で、弟弟子として宮城野部屋に入門し、白鵬が兄弟子として日頃から稽古でもアドバイスを送ってきました。

こうして現役中からさまざまな取り組みをしてきた白鵬が、現役引退後にどのような立場で相撲界に関わっていくことになるのかは、角界関係者だけでなく多くの人たちの関心を呼んでいます。
日本相撲協会の規程では、引退した力士が親方になるためには日本国籍を持っていることが必要です。

アメリカ ハワイ出身の元横綱 武蔵丸の武蔵川親方や、ブルガリア出身で元大関 琴欧洲の鳴戸親方などのほか、白鵬と同じモンゴル出身では、元関脇 旭天鵬の友綱親方、元関脇 朝赤龍の錦島親方、元前頭 翔天狼の北陣親方の3人が親方として指導にあたっています。

元小結 時天空もモンゴル出身で、年寄 間垣を襲名しましたが、おととし1月、「悪性リンパ腫」で亡くなりました。

国技館周辺では歓迎の声

大相撲の横綱 白鵬が日本国籍を取得したことについて、東京 両国の国技館周辺では歓迎する声などが聞かれました。

70代の男性は「国際的でよいし盛り上がると思う。大相撲の伝統だけは守ってもらいたいが、やってくれるのではないか」と歓迎していました。

30代の男性は「やっと日本国籍を取得してくれたという感じだ。本当に第一人者なので、引退後も日本相撲協会に残ってもっともっと功績を残してほしい」と期待を寄せていました。

一方、70代の女性は「実績があるので日本国籍取得はよいと思う。ただ白鵬はいろいろとやりすぎるところもある方なので、慣習を破らないか少し心配な面もある」と話していました。

元関脇 旭天鵬の友綱親方「将来いい指導者に」

横綱 白鵬と同じモンゴル出身で、日本国籍を取得した元関脇 旭天鵬の友綱親方は「横綱が日本国籍を取得できてよかった。手続きが進んでいることは以前、本人から聞いていたのでようやく許可が下りたのだなという気持ちだ。本人の希望もかなって今後はさらに相撲を目いっぱい頑張るのではないか」と話しました。

そのうえで「これだけの横綱なのでいい指導者になると思う。まずは現役でどんどん記録を作って、自分が納得するまで相撲を取ってほしい。そこから指導者としての道があると思うので、将来はまた一緒に歩んでいければいい」と話していました。

芝田山親方「大相撲の伝統と文化を自覚し行動を」

日本相撲協会の広報部長を務める元横綱 大乃国の芝田山親方は、白鵬が日本国籍を取得したことについて「大相撲の伝統と文化を残していくことがわれわれに課せられた使命だ。伝統と文化をしっかりと自覚し、それを重んじる行動を取っていってほしい」と話していました。

出身地モンゴルでは

大相撲の横綱 白鵬が、日本国籍を取得したことについて出身地のモンゴルの首都、ウランバートルの市民からは、さらなる活躍を期待する声が聞かれました。

このうち、50代の男性は「白鵬が親方になることで、モンゴル人の横綱や大関が生まれるチャンスが広がると思います。白鵬には頑張ってほしいです」と話していました。

また、20代の男性も「日本国籍の取得には、満足しています。自分の部屋を持つことはすばらしいことです。『おめでとう』と言いたいし、強い力士をたくさん育ててほしいです」と話していました。

一方で、30代の女性は「海外で学んできたことは、モンゴルに帰ってきて教えるべきだと思っているので日本国籍の取得は賛成できません」と話していました。