佐賀 福岡 長崎に大雨特別警報 最大級の警戒を

佐賀 福岡 長崎に大雨特別警報 最大級の警戒を
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活発な前線の影響で佐賀県では、1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が降るなど九州北部で記録的な大雨となり、土砂災害や川の氾濫などが発生しています。
気象庁は佐賀県と福岡県、長崎県に大雨の特別警報を発表し、最大級の警戒を呼びかけています。

九州北部には「線状降水帯」

気象庁によりますと、西日本から東日本にのびる前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発になっています。

九州北部には「線状降水帯」と呼ばれる発達した積乱雲が次々と流れ込み、佐賀県では28日の明け方、レーダーによる解析で1時間に110ミリから120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられるほか午前4時40分ごろまでの1時間に佐賀市で110ミリ、佐賀県白石町で109.5ミリの猛烈な雨を観測しました。

九州北部や中国地方には、その後も断続的に活発な雨雲がかかっていて、正午までの1時間には島根県津和野町に国土交通省が設置した雨量計で35ミリの激しい雨を観測しました。

気象庁は佐賀県と福岡県、長崎県では、数十年に一度のこれまで経験したことのないような大雨となっていて、土砂崩れや浸水などによる重大な災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況だとして大雨の特別警報を発表しています。

5段階の警戒レベルのうち、最も高いレベル5にあたる情報で最大級の警戒が必要です。

気象庁は、周囲の状況を確認し、避難場所までの移動が危険な場合には近くの頑丈な建物に移動したり、外に出るのがすでに危険な場合は建物の2階以上で崖や斜面と反対側の部屋に移動したりするなど、少しでも命が助かる可能性が高い行動を取るよう呼びかけています。

九州北部では各地で記録的な大雨になっていて、午後1時までの48時間の雨量は佐賀市で430.5ミリと平年の8月1か月分の2倍以上に達し、気象庁が統計を取り始めてから最も多くなっています。

これまでの雨で、佐賀県や福岡県など九州北部の各県と岩手県、静岡県、それに神奈川県では土砂災害の危険性が非常に高まり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があるほか、佐賀県や福岡県、山口県では氾濫の危険性が非常に高い「氾濫危険水位」を超えている川があります。

前線は、29日にかけて停滞し、西日本から北日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり激しい雨が降る見込みで、特に九州北部では、29日にかけて断続的に非常に激しい雨が降るおそれがあります。

29日昼までの24時間に降る雨の量は、
いずれも多いところで
▽九州北部で200ミリ、
▽東海と北陸で150ミリ、
▽関東甲信で120ミリ、
▽中国地方で100ミリと予想されています。

気象庁は、土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するとともに、落雷や突風などにも十分注意するよう呼びかけています。

午前5時50分 大雨特別警報を発表

気象庁は、佐賀県と福岡県、長崎県では、数十年に一度のこれまで経験したことのないような大雨となっていて、土砂崩れや浸水などによる重大な災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況だとして、午前5時50分に大雨の特別警報を発表しました。

5段階の警戒レベルのうち、最も高いレベル5にあたる情報で最大級の警戒が必要です。

大雨特別警報が発表された地域

大雨の特別警報が発表された地域です。

▽佐賀県ではすべての市と町です。

▽福岡県では、久留米市、小郡市、うきは市、朝倉市、筑前町、東峰村、大牟田市、柳川市、八女市、筑後市、大川市、みやま市、大木町、広川町です。

▽長崎県では、平戸市、松浦市、佐世保市、川棚町、波佐見町、佐々町、小値賀町です。

専門家「勾配が緩く氾濫か」

今回の被害について、専門家は、平野部の勾配が緩い地域で大雨となったため、川の氾濫などの被害が相次いだと分析したうえで、今後、浸水の範囲が広がるおそれもあり引き続き警戒してほしいと話しています。

河川の災害に詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は相次ぐ川の氾濫について「氾濫が発生した佐賀の平野部は非常に勾配が緩く川の流れが遅いため、短時間で大雨が降ると、水位が上がりやすい。過去にも多くの水害が発生している『水害の常襲地帯』ともいえる場所で、こうした地域に猛烈な雨が降ったため、被害が相次いでいると考えられる」と分析しました。

また「佐賀市の中心部でも浸水被害が発生しているが、都市部も低い土地にあるため小さな河川などの排水が追いつかなくなり、浸水につながったとみられる」としています。

二瓶教授によりますと、今回のような低い土地で川が氾濫した場合、水がひくまでに時間がかかるほか、時間をかけて浸水範囲が広がることがあり、いま水が来ていない場所にもこれから浸水が及ぶ可能性があるということです。

そのうえで「すでに氾濫が発生している場所は、今から逃げるのは危険で室内にいる場合は少しでも高い場所へ上がるなど安全を確保してほしい。まだ浸水していない地域でも低い土地に住んでいる人は今のうちに避難をしてほしい」と述べ、引き続き警戒するよう呼びかけています。