東京に高さ330メートルの日本一の超高層ビル建設へ

東京に高さ330メートルの日本一の超高層ビル建設へ
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東京 港区で進められる大規模な再開発計画が発表され、その中核として高さがおよそ330メートルの日本一の超高層ビルが建設されることになりました。
このビルは、東京 港区の虎ノ門・麻布台地区で進められる大規模な再開発の中核として「森ビル」が建設し、4年後の2023年3月の完成を目指します。

ビルは地上64階建て、高さおよそ330メートルで完成した時点では、大阪市にある高さ300メートルの「あべのハルカス」を上回り、日本で最も高いビルになります。

総工費は、およそ5800億円で、ビルの大半はオフィス向けですが、54階以上の高層階には住宅が入ります。

このほか、隣接する敷地には高さ270メートルのビルなど3つの建物が合わせて建設され、高級ホテルやインターナショナルスクール、多言語に対応できる病院なども設ける計画で、海外からのビジネスマンを呼び込みたいとしています。

都内では、再開発事業に伴って超高層ビルの建設が相次いでいて、JR東京駅の北側では三菱地所などが2027年度の完成を目指して高さ390メートルのビルの建設を進めています。

森ビルの辻慎吾社長は、「アジアのほかの都市が台頭する中で外資系の企業や海外の優秀な人材を呼び込むなど、東京の国際的な競争力を高めていかないといけない。ビルにはこのまちを象徴する、東京のランドマークになってほしい」と話していました。

超高層ビル 建設相次ぐ背景は

三井住友トラスト基礎研究所や大手不動産各社によりますと、超高層ビルの建設が相次ぐ背景には、限られた土地を有効に活用し、より多くのオフィスや住宅の需要に応えられること。

それに敷地に占める建物面積の割合を低くすることで余った敷地に緑のある広場などのオープンスペースを設けられるメリットがあるとしています。

また、その地域や街の象徴や目印になる「ランドマーク」としての役割が期待されています。

1968年に完成した国内初の超高層ビルと呼ばれる「霞が関ビルディング」は、高度経済成長期の象徴的な存在となり、このあと続々と建設された超高層ビルで都市の景観は様変わりし外資系企業の誘致など、都市の魅力の向上に貢献してきました。

近年は、駅前などでの再開発計画に伴って超高層ビルが計画されることが多く、自治体が「容積率」を緩和するなどして建設を実現しています。

「容積率」は、敷地面積に対する延べ床面積、つまり、建物の各階の床面積を合計した面積の割合で、法律に沿って各自治体が基準を決めています。

一方、海外では高さが828メートルで世界で最も高いUAE=アラブ首長国連邦の「ブルジュ・ハリファ」をはじめとして、500メートルを超える超高層ビルが相次いで建設されています。

こうした世界レベルのビルの建設について、三井住友トラスト基礎研究所は「日本国内では地震や強風に対する安全性の問題などがあり、技術的には可能でも、耐震構造にかかるコストなどを考えると、現実的には建設は難しいのではないか」と話しています。

国内 超高層ビル建設の歴史

超高層ビルの高さに定義はありませんが、1968年、東京・霞が関に高さ147メートルの「霞が関ビルディング」が完成し、国内で初めての「超高層ビル」と呼ばれました。

その後、経済成長に伴うオフィス需要の増加に応えるため、東京・新宿などで150メートルから200メートル級のビルの建設が相次ぎます。

そして1978年には、東京・池袋に60階建て、高さ240メートルの「サンシャイン60」がオープンします。劇場や博物館、水族館なども備え、池袋のランドマークとして親しまれてきました。

平成に入ると243メートルの東京都庁の第一本庁舎、これに続いて、296メートルの横浜ランドマークタワーと、国内の高さ1位を次々と更新します。

2014年には、日本で初めての高さ300メートルのビルとして、大阪市に「あべのハルカス」が完成します。

シンガポールや上海などアジアのほかの都市が成長を遂げる中、東京に海外から企業や優秀な人材を呼び込むため、国は、建物の容積率の規制緩和や再開発に対する補助制度の充実を進めています。

こうした中、2027年度には、JR東京駅の北側に高さ390メートルのビルの建設が計画されていて、完成すれば日本一の座を奪われる見通しです。

「あべのハルカス」とは

大阪 阿倍野区にある「あべのハルカス」は、地上60階建て、高さ300メートルの高層ビルで展望台やホテル、それにデパートなどが入っています。

近鉄=近畿日本鉄道が1300億円を投じて建設したもので、2010年に着工、2014年春に完成しました。

建物の高さは大阪・通天閣の3倍で、当時、日本で最も高いビルだった横浜のランドマークタワーを抜いて、日本一高いビルとして注目されました。

国内に加え、中国や韓国など海外からの旅行者が多く訪れる観光スポットとなっていて、展望台の来場者は開業から5年がたったことし3月上旬の時点で928万人に上っているということです。

日本一高いビルの座は明け渡すことになりますが、あべのハルカスを運営する近鉄不動産は、「大阪のランドマークとしてこれからも国内外から多くのお客様をお迎えして、周辺地域や関西経済の活性化に貢献していきたい」としています。

1位陥落に大阪では

日本一の高さを誇るビル、あべのハルカスが、その座を明け渡すことになったことについて、地元ではさまざまな声が聞かれました。

このうち、あべのハルカスの近くにあるカフェでは、5年前から日本一高いビルにあやかったパフェを販売してきました。

パフェは、高さが30センチとあべのハルカスの1000分の1で、観光客などに人気だということです。

店では、あべのハルカスが日本一の高さでなくなってもパフェの販売を続けるということで、店長の和田真一さんは「ハルカスが日本一の高さでなくなるのは、悔しくもありますが今後も街のシンボルであるハルカスに上ったあとはうちの店でパフェを食べてほしい」と話していました。

街ゆく人たちからもさまざまな声が聞かれました。

このうち、友人と訪れた20代の女性は、「日本一でなくなるとただのビルになってしまうので残念です。5階分くらい上に継ぎ足して日本一を維持してほしい」と話していました。

また、近くに住む女性も「1位でなくなることは大阪の人間としては悔しいです。2位になる前に上りたいです」と話していました。

一方、近くに住む男性は、「いつかは抜かれると思っていましたが、ハルカスができたことで阿倍野や天王寺が全国に知られるきっかけにもなった。2位になっても大阪のシンボルであることに変わりはありません」と話していました。