「学校には行かなくてもいい あなたの命がいちばん大事」

「学校には行かなくてもいい あなたの命がいちばん大事」
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夏休みが明ける8月下旬から9月上旬は、子どもたちの自殺が多いとされています。いじめを受けて、つらく苦しい時、無理に学校に通わなくても、フリースクールや図書館など、いま、ほかの居場所も増えてきています。相談出来る窓口もあります。悩みを1人で抱え込まずに声をあげてください。
親子で命の大切さを感じてもらおうというメッセージ展が、東京 港区で始まりました。
東京都が、いじめの問題に取り組むNPOの協力を得て開いた展示会には、いじめを訴えて亡くなった子どもたちの生前の手紙や、残された遺族のメッセージなど11点が展示されています。


葛西剛さんは3年前、中学2年だった娘のりまさん(当時13)を亡くしました。娘から学校でいじめを受けていると聞き、様子を気にかけていたといいますが、自殺をするほど悩んでいたことに気付けなかったことを後悔しているといいます。

葛西さんは「娘を守ることができなかった後悔がいちばんで、月日がたつごとにつらさが重くなっていきます。いじめられている子には『あなたには本当に必要としてくれる人が必ずいる。あなたは生きているだけで価値がある』と伝えたい」と話していました。

会場を2人の子どもと訪れた34歳の父親は「重みのあることばばかりで、自分の子どもがこんなことになったら悲しいなというのがいちばんの印象でした。命の重さを感じる経験になりました」と話していました。

子どもの自殺 多いのは8月下旬から9月上旬

この時期に多い子どもたちの自殺、特に夏休みが明ける9月上旬が多いとされてきました。

しかし、国の自殺総合対策センターが平成27年度までの10年間で、7月から9月までの自殺件数を調べたところ、最も多かったのは、8月下旬で153人、次が9月上旬で122人でした。

この理由については、夏休みが短縮され、8月下旬に授業を再開する学校が増えているためとしています。

センターは「いじめなど、学校でのトラブルを抱える子どもたちにとって、学校再開は大きなストレスだ。子どもたちへの適切な対応が特に求められる」と話しています。

危機を乗り越えた親子の話

子どもたちの命をどうしたら守れるのか、危機を乗り越えた親子に話を聞くことができました。

関東地方に住む10歳の少年は、小学1年生の時、同級生からいじめを受けました。

「ずっと殴ったり蹴ったりやられている感じです。つらいし、怖いし、悲しい」(少年)

少年の母親は、しばらくして、本人からいじめを受けていると聞きました。
「すごく元気いっぱいの子だったので、まさかターゲットにされていると思うとショックでした」と言います。

学校に被害を訴えましたが、いじめは一向に収まらず、親子は転校を決断しました。

当時、少年が学校に宛てて書いた手紙です。
「ぼくはたくさんこわいおもいをしました。だれもあやまってくれなかった。だから、ちがうしょうがっこうにいきたい」

転校後、少年はしばらくは学校に通いましたが、かつてのいじめを思い出し、心身ともに不安定になりました。

追い詰められた親子。

この時、母親は息子に「学校には行かなくてもいい。あなたの命がいちばん大事」と伝えました。息子は、この母親のことばに救われたと言います。

息子は「受け入れてくれて、やっと話が通じる人に言えたって感じです。安心しました」と話していました。

母親は息子に学校を休ませて、自宅で勉強させたり、話を聞いたりしました。その後、息子は徐々に学校に行けるようになり、友達もできたと言います。

母親は、同じ悩みを抱える親子にメッセージとして「人生は1度きりで大変なこともつらいこともたくさんあるんですけれど生きていればいいこともある。今はいちばんつらいと思うんですけれど、5年後や10年後、20年後には笑って過ごせる日があるかもしれない、きっと大丈夫だよと伝えたいです」と話していました。

尾木直樹さん「必ず分かる大人や仲間います」

この時期、大人は子どもたちに何ができるのか。教育評論家の尾木直樹さんは「学校はつらい思いをしてまで行かなくていい。フリースクールや図書館、いろんなボランティア活動に参加するなど、学校以外に居場所を求めていい」と訴えます。

そのうえで、子どもたちには「みんな頭では死んだらだめだと分かっていても、葛藤しているうちに疲れて判断力や行動力が鈍り、命を落とすことにつながる。元気なうちに、SOSを発信してくれれば、必ず分かる大人や仲間はいます」と呼びかけていました。

全国の相談先

●24時間子供SOSダイヤル0120ー0-78310(なやみ言おう)※全都道府県および政令指定都市の教育委員会で実施。

●LINE相談全国28自治体で実施。北海道、山形県、群馬県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、長野県、岐阜県、三重県、京都府、大阪府、和歌山県、鳥取県、岡山県、徳島県、高知県、熊本県、仙台市、さいたま市、千葉市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、熊本市、大津市、野田市。
※各自治体のSNS相談を文科省が支援。
 自治体ごとに中高生にQRコードを配っている。
 QRコード知りたい場合は、各都道府県の教育委員会まで。

●チャイルドライン0120-99-7777。
 2019年8月22日~9月4日(午後2時~午後11時)
 (→通常は午後4時~午後9時)

●オンラインチャット相談(午後4時~午後9時)(→通常は木・金曜日に実施、午後4時~9時)
※チャイルドラインHPからチャット相談が可能 
  https://childline.or.jp/chat

●「#学校ムリでもここあるよ」キャンペーン
※学校や家庭以外でも安心して過ごせる場所があることを子どもたちに伝えるキャンペーン。
8月19日~9月13日のキャンペーン期間中、HPで子どもの居場所や相談場所を発信。(フリースクールや親子サークルなどを紹介)
※NPOフリースクール全国ネットワーク、
NPO日本冒険遊び場づくり協会、
多様な学びプロジェクトの3団体が主催。https://cocoaru.org/

●子ども食堂ネットワーク
※子ども食堂ネットワーク事務局 住んでいる「市区町村名」+「子ども食堂」で検索、もしくはHPで確認。http://kodomoshokudou-network.com/