地上発射型巡航ミサイル実験 米が成功 INF全廃条約失効で

地上発射型巡航ミサイル実験 米が成功 INF全廃条約失効で
アメリカとロシアのINF=中距離核ミサイルの全廃条約が失効したことを受け、アメリカ国防総省は、これまで条約で禁じられてきた地上発射型の巡航ミサイルの発射実験を行い、成功したことを明らかにしました。
アメリカ国防総省は19日、声明を発表し、18日に西部カリフォルニア州のサンニコラス島で地上発射型の巡航ミサイルの発射実験を行ったことを明らかにしました。

声明によりますと、ミサイルは500キロ以上飛行したあと、標的に正確に着弾したということで、発射試験を通じて得られたデータなどは国防総省が今後、中距離ミサイルの能力を開発する際に使用されるとしています。

冷戦時代に調印されたINFの全廃条約は、射程500キロから5500キロの地上発射型の弾道ミサイルと巡航ミサイルの保有や製造、発射実験などを禁止していましたが、アメリカとロシアは、互いに相手の違反を主張して義務の履行を停止し、条約は今月2日、失効しました。

条約の失効を受けてアメリカは、ロシアや中国などに対抗するためこれまで禁じられてきた中距離ミサイルを本格的に開発する方針を表明しており、アメリカのメディアはことし11月には地上発射型の中距離弾道ミサイルの発射実験を行う計画も伝えています。

アメリカのエスパー国防長官は地上発射型の中距離ミサイルをアジアに配備する考えも示しており、今回の発射実験を受け、ロシアや中国との間の軍拡競争が激しさを増すことが懸念されます。

ロシア上院「米国こそ条約違反」

アメリカによる地上発射型の巡航ミサイルの発射実験について、ロシア議会上院で国際問題を担当するコサチョフ委員長は20日、「条約がまだ有効だった時から研究開発を進めていなければ、このような実験は不可能だ。アメリカの条約違反が改めて確認された」と述べました。

そのうえで「アメリカが条約を破棄した理由は、突出した軍事的優位を獲得するために、条約が邪魔だったからだ」と非難しました。