「がん細胞が自滅する」宣伝・販売か 健康食品販売 社長ら逮捕

「がん細胞が自滅する」宣伝・販売か 健康食品販売 社長ら逮捕
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「がん細胞が自滅する」などと、医薬品のような効能を宣伝し、がん患者などに健康食品を販売したとして、警察は販売会社の社長ら4人を逮捕し同様の製品も含めて3年間に28億円余りを売り上げていたとみて調べています。警察によりますと4人はいずれも容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは東京 中央区の健康食品販売会社「シンゲンメディカル」の社長藤岡成友容疑者(46)や専務の関本勝治容疑者(47)ら4人です。

警察によりますと、4人は健康食品をホームページで「がん細胞が自滅する」などと宣伝し、ことし5月以降大阪に住むがん患者など3人に医薬品のように装って販売したとして、医薬品医療機器法違反の疑いが持たれています。

これまでの調べで「シンゲンメディカル」は「フコイダン」と呼ばれる成分が含まれた原価が1箱およそ3000円の製品を5万円を超す値段で販売していましたが、がんに効く医薬品として承認はされていませんでした。

会社は、がんへの効能を宣伝した同様の製品も含めて全国のがん患者などおよそ1万人に販売し28億7000万円ほどを売り上げていたとみられるということで、警察が販売の実態を詳しく調べています。

調べに対し、4人はいずれも「医薬品のように販売はしていない」などと容疑を否認しているということです。

がん患者団体「“偽りの希望” あってはならないこと」

今回の事件について、全国がん患者団体連合会の理事長で、自身も20代で悪性リンパ腫と診断された天野慎介さんは「私自身も知人などから善意でさまざまな治療や健康食品を勧められたことがあり、何かにすがりたいという患者の不安な気持ちは痛いほどわかる。こうした患者に対して科学的な根拠があるかのように装って、商品を押しつけることは“偽りの希望”にしかならず、あってはならないことだ」と話しています。

そして患者が惑わされないためにできることとして、がん治療を行っている主治医に相談するほか、厚生労働省や国立がん研究センターのウェブサイトなど、適切な情報が掲載されている情報源にアクセスすることが重要だとしています。

そのうえで「患者にはがんの進行や再発への不安があるので、『こういう商品や治療はだめ』と言うだけではなく、不安をケアする体制作りが必要だ。国が適切な情報を発信するとともに“偽りの希望”にしかならない治療や商品が患者に届かないよう取締りも強化してほしい」と話しています。