福島第二原発 知事が使用済み核燃料貯蔵施設“受け入れ”

福島第二原発 知事が使用済み核燃料貯蔵施設“受け入れ”
東京電力が福島第二原発を廃炉にし、敷地内に使用済み核燃料の貯蔵施設を新設する方針について、福島県の内堀知事は30日、廃炉のあとの使用済み核燃料の県外搬出を大前提としたうえで、受け入れる考えを東京電力側に伝えました。
内堀知事は30日午後、福島県庁で、福島第二原発が立地する楢葉町の松本幸英町長と、富岡町の宮本皓一町長とともに、東京電力の小早川社長と会談しました。

今月24日に東京電力は、福島第二原発を廃炉にし、燃料プールに保管している使用済み核燃料約1万体を管理する新たな貯蔵施設を敷地内に作る方針を示していました。

30日の会談で、内堀知事は、東京電力のこの方針について、使用済み核燃料の保管は一時的かどうかや、使用済み核燃料を貯蔵する容器「乾式キャスク」の安全性について確認を求めました。

これに対し、小早川社長は、使用済み核燃料は、40年を超える期間が必要とされる廃炉終了までに、県外にすべて搬出すること、「乾式キャスク」は電源や冷却水が不要で安全性にすぐれていることを説明しました。

これを受けて、内堀知事は「使用済み核燃料は県外搬出が大前提だ。そのうえで、当分の間、福島第二原発構内で一時保管するのはやむをえない」と述べ、貯蔵施設の新設を受け入れる考えを示しました。

東京電力は、取締役会で31日にも、福島第二原発の廃炉を正式に決定する方針です。

知事「県外搬出を確実に」

内堀知事は会談の後、報道陣の取材に応じ、福島第二原発の使用済み核燃料について、「県の基本スタンスは県外への全量搬出で、これは原発事故前から変わらない大前提だ。使用済み核燃料の県外搬出は国のエネルギー政策上の重要課題であり、県外搬出に向けた取り組みが国、東京電力の責任において確実に進められるよう強く訴えていく」と述べました。

東電社長「県外搬出を約束」

東京電力の小早川智明社長は会談後、報道陣の取材に応じ、「去年、内堀知事を訪問した時に、全基廃炉の方向で検討すると申し上げて1年が経過してしまった。一定の理解をいただけたのだと思う。速やかに取締役会に諮って正式決定に向けて検討を進めたい」と述べました。

また、使用済み燃料プールに保管されている使用済み核燃料を、廃炉完了までに県外へ全量搬出するという方針については、「搬出先についてはこれからの検討だ。福島第二原発の廃炉は、地元の住民の安心や地域の復興という観点から検討を進めていて、県外にしっかりと搬出することを約束させていただいた」と述べました。

楢葉・富岡の両町長 地域振興を強く求める

会談で、福島第二原発が立地する楢葉町と富岡町の両町長は、東京電力に対し、廃炉が地域振興につながるよう強く求めました。

楢葉町の松本幸英町長は、「全基廃炉に40年を要することになれば、廃炉は一大産業の1つになる。資機材の調達を含めて地元の企業が最優先で参画できるよう強く求める。雇用の創出や地域経済に波及効果をもたらすことができれば、復興への大きな後押しになると思う」と述べました。

また、富岡町の宮本皓一町長は、「廃炉作業の進捗に伴い、福島第二原発の周辺には作業従事者がかなり増える。そうした人たちに地元に定着してもらい、この地域が日本の廃炉産業の一大拠点となる取り組みをぜひ進めてもらいたい」と述べました。

富岡町議会 厳しい意見相次ぐ

富岡町では、30日午後、町議会の特別委員会が開かれ、東京電力が、およそ1万体ある使用済み核燃料を「廃炉が終わるまでに全量搬出する」としていることについて、「信用できない」など厳しい意見が相次ぎました。

県庁での会談に先立って開かれた町議会の特別委員会では、高橋副町長が町としての判断を説明し、「求めてきた廃炉に、40年を超える時間がかかることや使用済み核燃料の新しい貯蔵施設を建設することはやむを得ないと理解した」と説明しました。

これに対し出席した議員からは、東京電力が、使用済み核燃料の貯蔵施設を敷地内に新たに作ったうえで、「廃炉が終わるまでに全量搬出する」としていることについて、「住民不在のまま物事が決められたのではないか」とか「搬出先も決まっていないのに約束すると言われても信用できない」などと厳しい意見が相次ぎました。

委員会のあと取材に応じた議員からは「使用済み核燃料の最終処分の話は何十年も議論が進んでいない。そうした状況で、搬出しますと言われても信用するのは難しい」とか、「今回は、話が出てきたのも急で、議会に対する説明もなかった。地元に対してはもっと丁寧な説明をして理解を得てほしい」といった声が聞かれました。