陸上 男子100m 史上最高の日本短距離界の競争で相次ぐ9秒台

陸上 男子100m 史上最高の日本短距離界の競争で相次ぐ9秒台
陸上の国際大会の男子100メートルで小池佑貴選手が日本選手3人目の9秒台となる9秒98をマークしました。
日本選手3人目の9秒台スプリンターとなった小池佑貴選手。

もともと200メートルを得意とする選手で、昨シーズンまでの100メートルの自己ベストは10秒17でした。

スピード強化のために今シーズンは100メートルを中心に取り組んできましたが、9秒台まで一気に記録を伸ばした背景には、独特の練習法と、史上最高レベルとも言われる日本短距離界のしれつな競争がありました。

短距離はダッシュを繰り返す練習が一般的ですが、小池選手は練習ではトップスピードで走りません。

先月、日本選手権の前に小池選手を取材した際にも、300メートル走を42秒、100メートル当たり14秒というゆっくりしたペースで走っていました。

小池選手は「速く走るほうが簡単だが、あえて遅く走ることで正しいフォームで走れているか確認している」と話していました。

この練習法を勧めたのは走り幅跳びの元日本記録保持者でもある臼井淳一コーチです。

臼井コーチは大学時代に不調やけがに苦しんでいた小池選手を見て「遅く走る練習」で正しい足の運びや腕の動きを身につけさせることを優先しました。

さらに「思い切り速く走りたい」という気持ちを試合に取っておくことで、力をため込んでレースで一気に解放するという考えを実践し二人三脚で記録を伸ばしてきました。

もう1つの要因が史上最高レベルとも言われる日本短距離界のしれつな競争です。

おととし、桐生祥秀選手が日本選手で初めて「10秒の壁」を突破して以降、9秒97の日本新記録をマークしたサニブラウンアブデル・ハキーム選手や、10秒00の山縣亮太選手などトップ選手たちの競い合いは激しさを増しています。

アメリカのフロリダ大学に所属するサニブラウン選手はもちろん、小池選手や桐生選手など国内を拠点に活動する選手も積極的に海外の大会を転戦するようになり、レベルの高いレースに挑んでいます。
今回、小池選手が自己ベストをマークしたのも「ダイヤモンドリーグ」という世界最高レベルの大会で、100メートルに出場した選手の半数以上が9秒台の自己ベストを持っていました。

こうした経験の積み重ねが、選手たちの成長を生み多くの日本選手にとって9秒台は現実的な目標となっています。

この1年で自己ベストを一気に0秒19更新した小池選手はその象徴的な存在で、今後も9秒台をマークする日本選手が出てくる可能性は十分にあります。