なぜ日本のサンマが不漁に 背景は

なぜ日本のサンマが不漁に 背景は
16日から東京で始まった、サンマの資源管理を話し合う国際会議では、新たにサンマの漁獲規制を導入できるかどうかが焦点となっています。

なぜ、いま、日本のサンマ漁が不漁となっているのでしょうか。

この10年間で半分以下に

日本のサンマの「漁獲量」は20万トンから30万トンほどで推移してきましたが、2015年からは10万トン前後と不漁が続いています。特におととしは8万4000トンと平成以降では最も少なくなりました。

参入相次ぎ年々減少する日本の割合

「北太平洋漁業委員会」が管理する北太平洋でサンマを漁獲している国と地域による「漁獲量」は、過去10年はおおむね年間40万トン程度で推移していますが、日本が占める割合は年々、減少しています。

代わって増えているのが、所得の上昇などに伴って魚の消費が増えている中国や台湾で、最近では台湾の「漁獲量」が日本を上回っています。

北太平洋では、1980年代ごろまでは、サンマをとっていたのは日本とロシアだけでしたが、その後、台湾や韓国が取るようになり、7年前からは中国も参入しました。

中国や台湾は、日本の排他的経済水域の外側にあたる公海で大型の漁船を使ってサンマの漁獲を増やしていて、農林水産省では、これによって日本の沿岸に来るサンマの数が減り、不漁になる要因のひとつになっていると見ています。

“回遊ルートが変化”指摘も

また、海水温の上昇などによってサンマが太平洋を回遊するルート自体が変わり、日本沿岸からより遠い海域を通るようになったことも不漁につながっていると指摘されています。

秋の味覚ではなくなる?

こうした状況を受けて、日本は、これまでは8月から12月に限っていたサンマ漁の時期を、ことしからは1年を通じて操業できるように改めました。

すでに北海道や東北の漁船が北太平洋の公海で操業し水揚げしていて、これからは「秋の味覚」のイメージが変わることも予想されます。

“100グラムあたり100円超” 値上がりするサンマ

サンマの小売り価格をみると、東京23区のスーパーなどでの調査では、2015年は平均で100グラムあたり80円でしたが、その後上がり続け去年は104円と、漁獲量の減少に伴って価格が上昇する傾向にあります。

漁獲高トップは台湾

サンマの漁獲量が世界で最も多いのは台湾で、日本の排他的経済水域の外側にあたる北太平洋の公海で漁を行っています。

台湾当局や地元の漁業団体によりますと、漁獲量は、2008年以降、十数万トンで推移していて、おととし(2017年)は10万4000トンでした。

捕れたサンマは台湾でも消費されますが、大半は中国や韓国などに輸出されています。とりわけ中国への輸出量は、2012年以降、急激に伸びていて、2016年と2018年は、それまで輸出先で最も多かった韓国を上回っています。

今のペースでとり続けると…

こうした中、「北太平洋漁業委員会」は、北太平洋のサンマの「資源量」を初めて科学的に推計した報告書をまとめました。

それによりますと、去年までの3年間の平均でみると将来にわたって持続可能にするため最適とされる「資源量」を、2割程度下回っていることがわかりました。

報告書では、今のペースでとり続けると、「資源量の十分な回復が見込めなくなるおそれがある」と指摘しています。

専門家「ブレーキかける国際的な仕組みを」

水産資源の管理に詳しい東京海洋大学の勝川俊雄准教授は「今のうちに、漁獲量にブレーキをかける国際的な仕組みを作っておくことが急務だ」と指摘しています。

そのうえで、日本が議長国としてサンマの漁獲量について規制を設けることを提案することについて、勝川准教授は「まずは、全体の漁獲量を抑えることで合意することが大事で、各国の枠を決めないのであれば賛成になりやすいだろう」と述べました。

16日からの国際会議で漁獲規制 導入なるか

このような状況の中、サンマの資源管理を話し合う国際会議が、16日から東京で始まりました。参加国が一致して漁獲規制を導入できるかどうかが焦点となっています。
【国際会議の詳報は以下のニュースをご覧下さい】