掘削機材 トンネル突き破り事故 図面にトンネル記載なし 長崎

掘削機材 トンネル突き破り事故 図面にトンネル記載なし 長崎
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11日、長崎市で、地面の掘削作業中に機材が下を走るJRのトンネルに突き抜け、特急列車に接触した事故で、作業で使われた図面には予定地の下にトンネルが記載されていなかったことがわかり、発注した鉄道・運輸機構が詳しいいきさつを調べています。
11日午前、長崎市を走るJR長崎線のトンネルで、掘削作業の機材が天井を突き抜けて列車に接触し、長崎発博多行きの特急列車の先頭車両の一部が損傷しました。

鉄道・運輸機構によりますと、作業に使われた図面には予定地の下にトンネルが記載されていなかったことが分かりました。

JR九州によりますと、鉄道の敷地に近い場所で工事を行う場合は、事前の連絡や協議を行うことになっています。

鉄道・運輸機構は「図面上はトンネルが下にあるとは認識していなかったためJR九州側には連絡はしていない」と話していて、詳しいいきさつを調べています。

掘削は、九州新幹線・長崎ルートの工事の影響による地元の渇水対策として、鉄道・運輸機構が水源を探す目的で発注し、今月2日から作業を続けていました。

間違った国土地理院の地図 使用か

そして、国土交通省への取材で新たな事実が分かりました。

掘削作業を発注した鉄道・運輸機構が作成した図面は、トンネルの位置が間違って記載されている国土地理院の地図と酷似しており、この地図が使われていた可能性があるということです。

国土地理院の地図では、掘削現場はトンネルからおよそ80m離れていることになっていますが、JR九州の資料では作業現場はトンネルの真上に位置していたということです。

鉄道・運輸機構がJRにトンネルの位置などの情報を確認していなかったとして、国土交通省は詳しい調査を指示しました。

国土地理院の地図「掘削作業には不適切」

国土地理院の地図は、民間の会社が作る地図の基になったり、自治体も公式の地図として採用したりしています。

国土地理院によりますと、今回トラブルが起きたトンネルは2万5000分の1の縮尺で記載され、昭和48年に現在の位置に記載されて以降、更新されていないということです。

通常2万5000分の1の地図は誤差を17.5m以内に抑えるように作成しているということですが、トラブルのあったトンネルは実際よりおよそ80m北側に記載されていました。

原因について国土地理院は、通常、トンネルの位置を記載する際は施設管理者から資料などの提供を受けるということですが、このケースについては当時の記録は残っておらず、具体的な経緯はわからないとしています。

そのうえで「大きな誤差が許されないボーリング調査を行う際に、地理院の地図を使うのは適切ではないと考えている。より詳細な図面を使用してほしい」としています。

国土地理院は今回のケースについて、地図の間違いが確認された場合には修正するとしています。

地図で100mも離れていると鉄道会社に確認せず

鉄道関係者によりますと、国土地理院の地図はボーリング調査を行う際、業界ではよく使われているということです。

ボーリング調査を行う場合、国土地理院の地図で近接する場所に鉄道のトンネルなどの構造物の有無を確認し、もし近くにあった場合はJRなどの管理者に問い合わせることにしているということです。

そして必要があれば鉄道会社などから詳細なトンネルの位置や図面などを取り寄せたりするということです。

ただ、今回のようにボーリング調査の地点と地図上の路線図が100m近く離れている場合は管理者に問い合わせることはほとんどせず、そのまま工事を発注することが多いということです。

鉄道・運輸機構「原因調査中 コメントできず」

鉄道・運輸機構九州新幹線建設局は、作成した図面と実際のトンネルの位置がずれていたことについて「図面を作成した経緯やずれた原因などはいずれも調査中でコメントできない」としています。