2歳児放置し死亡 体温調節しようと自分で服を脱いだか 仙台

2歳児放置し死亡 体温調節しようと自分で服を脱いだか 仙台
仙台市のマンションで、2歳の長女を丸3日以上放置し死亡させたとして、25歳の母親が逮捕された事件で、警察の調べに対し母親は「服を着せて部屋を出たが、帰ってきたら着ていなかった」と供述していることがわかりました。放置された期間は日中と朝の気温差が大きく、警察は、自分で服を脱いだとみて、低体温症で亡くなるまでの状況などを詳しく調べています。
仙台市青葉区台原の飲食店従業員、土屋りさ容疑者(25)は、長女の陽璃ちゃん(2)を自宅のマンションの部屋に丸3日以上放置し死亡させたとして保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕され2日、検察庁に送られました。

警察によりますと、土屋容疑者は陽璃ちゃんと2人暮らしで、調べに対し容疑を認め「育児に精神的に疲れた。1人になりたかった」などと供述しているということです。

陽璃ちゃんの死因は低体温症でしたが、その後の調べで土屋容疑者は「服を着せて部屋を出たが、帰ってきたら着ていなかった」と供述していることがわかりました。

陽璃ちゃんが放置された先月27日から30日にかけて仙台市では、昼の最高気温が27度2分、朝の最低気温が16度6分と気温の差が大きく、警察は、陽璃ちゃんが体温を調節しようとみずから服を脱いだとみて、当時の状況などを詳しく調べています。

陽璃ちゃんの成育の経緯

仙台市によりますと、陽璃ちゃんは3年前の平成28年7月に、体重2000グラム未満の未熟児で生まれました。

およそ4か月後に退院したあとも発育状況の確認などのため、定期的に通院していたということです。

退院からおよそ1か月後の平成28年12月、当時、仙台市内の実家にいた土屋容疑者を市の担当者が訪問した際には、陽璃ちゃんの発育や育児の状況に問題は見られなかったということです。

しかしその後、陽璃ちゃんは、生後およそ9か月と1歳半、それに2歳半を迎えた際に仙台市が無料で行う健診を受診していませんでした。

1歳半の時点では、市の担当者が土屋容疑者に何度も電話をかけたもののつながらず、文書で案内も出しましたが、返信はなかったということです。

2歳半の時点でも電話や文書で連絡を取ろうとしましたが反応はなく、ことし5月になって電話がつながった際に土屋容疑者は「予定が合わず健診に行けなかった」と話したということです。

この時、市の担当者が「発育状況などを確認するため、家庭を訪問したい」と伝えたところ、土屋容疑者は「都合をつけて連絡します」と答えましたが、このあと、再び連絡がとれなくなったということです。

このため市は先月19日、陽璃ちゃんが通院していた病院に連絡をとり、病院からは「17日、母親と娘と面会したが、虐待の跡もなく、発育に問題はない」と報告を受けたということです。

そして、翌日の20日に土屋容疑者と連絡がつき、健診の受診を促したということですが、結局、健診に来ることはないまま事件が起きたということです。

「会うことが難しい家庭にも支援へ」

仙台市の郡和子市長は2日の定例の記者会見で、「こうした事件が起きたことを重く受け止めている。健診を受けていない子どもは少なからずいて、行政の呼びかけに消極的な家庭も含め、いろいろなケースを検証しながら何ができるかを考えたい。『大切な命を守る』という観点から、会うことが難しい家庭にも支援が行き届くよう努めていきたい」と述べました。

専門家「関係機関チームで対応を」

児童相談所の元所長で、NPO法人、「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「虐待のリスクを判断するためには、経済的な状況やサポートをする人がいるのかなど、まずは生活実態を正確に把握する必要がある」と指摘しました。

その上で、「ネグレクト=育児放棄の場合、目に見える形でけがの状態がわかるというわけではないので、複数の関係機関がチームになって全体像をしっかりおさえ、支援を行っていくことが必要だ。1つの機関だけの情報に頼ってしまうと、逆に虐待のリスクを見逃してしまうこともある」と話しています。