米中首脳会談 貿易交渉再開で一致 米は追加関税見送り

米中首脳会談 貿易交渉再開で一致 米は追加関税見送り
G20大阪サミットに出席するため日本を訪れた、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が首脳会談を行い、先月、事実上決裂した貿易交渉を再開し継続することで一致しました。トランプ大統領は、首脳会談が不調に終わった場合に発動する意向を示していた、中国からの輸入品に対する追加の関税の上乗せを見送ったことを明らかにしました。
アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席による、およそ7か月ぶりとなる首脳会談は午前11時半すぎから1時間余りにわたって行われました。

米中両国によりますと、両首脳は、先月事実上決裂しこう着状態に陥っていた貿易交渉を再開し継続することで一致しました。

そのうえで、首脳会談が不調に終わった場合にトランプ大統領が発動する意向を示していた、中国からの輸入品およそ3000億ドル分に追加の関税を上乗せする措置について、トランプ大統領は記者会見で「しばらくの期間は、これまでの関税は下げず、追加関税は行わないことにした」と述べ、追加の関税の上乗せを見送ったことを明らかにしました。

トランプ大統領は「われわれが追加の関税を見送る代わりに、中国はアメリカの農産品を買うことになる」と説明しました。

今回の首脳会談で米中両国は貿易交渉を続けることで一致しましたが、アメリカが問題視する知的財産権の侵害や中国の国有企業に対する優遇措置などをめぐる米中両国の根本的な主張の対立は残されたままで、今回の首脳会談を受け、今後米中両国の貿易問題をめぐる交渉が前進するのかどうか、予断を許さない状況です。

一方、トランプ大統領は中国の通信機器大手ファーウェイについて政府の許可なく取り引きすることを禁止する措置をめぐり、利用者への影響を緩和するため、一部の取り引きを認めていることに関連して、今後も取り引きを認める意向を示しました。

ただ、取り引きを禁止するリストから除外するかどうかについては、今後協議すると述べるにとどめました。

米高官米中首脳会談に不満か

アメリカのトランプ政権で対中強硬派として知られる、ナバロ大統領補佐官は、米中首脳会談のあと、記者団から会談の結果について問われたのに対し、肩をすくめて見せ無言で立ち去りました。

ナバロ大統領補佐官は、貿易問題をめぐって具体的な進展がなかったのにもかかわらず、中国の輸入品に対する新たな関税の上乗せ措置の発動が見送られたことなどに対し、不満をにじませたものとみられます。

ファーウェイ取り引き容認日本情報収集進める

トランプ大統領が、アメリカ企業に対して中国の通信機器大手「ファーウェイ」との取り引きを認める考えを示したことについて、日本の政府関係者は具体的な内容などさらに詳しい情報の収集を進めたいとしています。

ファーウェイは、これまで100社以上の日本企業との間で取り引きの実績があり、スマートフォンや通信機器の部品など、日本企業からの調達額は去年1年間で7000億円余りに上っています。

また、ファーウェイのことしの計画では日本企業からの調達額は80億ドル、日本円で8500億円に及ぶ見通しになっています。

アメリカ政府は、ファーウェイへの部品の販売禁止措置を打ち出していて、日本でも部品の取り引きを中止する方針を示す企業もありました。

このため日本の政府関係者は日本企業にとってはトランプ大統領の発言は前向きな情報だとしながらも、具体的な内容など、さらに詳しい情報の収集を進めたいとしています。

IMF米中再交渉歓迎も「貿易摩擦は最大のリスク」

IMF=国際通貨基金のラガルド専務理事は、G20大阪サミットを終えて声明を発表し、「世界経済の先行きのリスクは依然として深刻だ。このうち最も大きなリスクは貿易だ。アメリカと中国が再び交渉を行うことは歓迎するが、これまでに発動されている関税の上乗せは世界経済の成長を抑制している」と述べ、米中両国はこれまでに上乗せした関税を撤廃する必要があり、引き続き米中の貿易摩擦が世界経済の最大のリスクだという考えを強調しました。

中国WTO改革で米をけん制

サミットの閉幕後、中国外務省でサミットの特使を務める王小竜国際経済局長が会見し、WTO=世界貿易機関の改革をめぐって、アメリカのトランプ大統領が、中国の国有企業への補助金を問題視していることについて、「補助金をめぐって意見が異なるのは、各国が異なる発展段階にあり、異なる優位性を持っているからだ。G20加盟国の中には農業分野の補助金は重要だという国も多い」と述べました。

そのうえで王局長は、中国の立場も反映できるよう対話を通じた解決の必要性を訴えました。

一方で、王局長は、トランプ政権の一連の関税引き上げ措置を念頭に「補助金の問題への対策だとして、他国に対する保護主義的な政策がはびこっている」と述べて、アメリカをけん制しました。