外国人の日本語教育は国と地方の責務 推進法成立

外国人の日本語教育は国と地方の責務 推進法成立
外国人の日本語教育を充実させるための「日本語教育推進法」が21日の参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。
「日本語教育推進法」は外国人の日本語教育を充実させる施策の実施を国と地方自治体の責務と位置づけ、国はその基本方針を定めなければならないとしています。

そのうえで、教育水準を向上させるため外国人の子どもを指導する教員の配置や養成に必要な施策の実施や、働く外国人への日本語研修などを支援することを国に求めています。

また、関係省庁が参加する「日本語教育推進会議」を設け、日本語教育の推進に向けた関係機関との調整を図るよう国に義務づけています。

一方、21日の本会議では、ICT=情報通信技術を学校で活用するための環境整備を進める法律も全会一致で可決・成立しました。

法律では、国に対してICTを推進するための計画を定めることや、財政上の措置を講じることを義務づけています。

また、ICTの活用を通じて障害のある子どもがない子どもと一緒に教育を受けられるよう必要な対応をとることも求めています。

柴山文科相「日本語教育を推進する」

柴山文部科学大臣は国会内で、「国内での日本語教育に対するニーズはこれまで以上に高まっている。成立した法律は、これまで個々の省庁がそれぞれの分野で個別に行ってきた施策を総合的かつ効果的に進めるもので、日本語教育を推進するうえで非常に有効なものだ。法律の基本理念にのっとって関係省庁と連携しつつ、外国人の児童・生徒などに対する教育や生活に必要な日本語教育の環境整備など、これまで以上に日本語教育の施策をしっかりと推進していきたい」と述べました。

専門家の意見は

法律の成立を受けて、外国人の日本語教育に携わってきた大学教授らが記者会見しました。

この中で、武蔵野大学の神吉宇一准教授は「法律で日本語教育に対する国と地方自治体の責務が明確になり、公的な保証の必要性が認められたことは大変うれしい」と述べました。

一方で「法律は理念を定めたものなので どう実体のある形にできるのかが課題だ。地方自治体に仕事が集中することも懸念されるので、それを解決する仕組みづくりが必要だ」と指摘しました。

また、日本女子大学の衣川隆生教授は「児童・生徒への教育を行う主体は学校だが、法律には『学校の責務』という文言がない。今後、教員養成や免許制度の在り方などを含めて、考えていかなければならない」と述べました。