「私のやったことではありません」逮捕の男 拳銃強奪事件

「私のやったことではありません」逮捕の男 拳銃強奪事件
大阪 吹田市の交番の前で16日、男性巡査が刃物で刺されて拳銃が奪われた事件で、警察は以前、現場近くに住んでいた33歳の男を強盗殺人未遂の疑いで逮捕しました。男は「私のやったことではありません」などと供述し、容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、東京 品川区の飯森裕次郎容疑者(33)です。

警察によりますと、飯森容疑者は16日早朝、大阪 吹田市の千里山交番に勤務する古瀬鈴之佑巡査(26)を刃物で襲い、拳銃を奪ったとして、強盗殺人未遂の疑いが持たれています。古瀬巡査は、胸などを刺され意識不明の重体になっています。

警察は、交番の防犯カメラの映像などから、飯森容疑者の犯行とみて行方を捜していましたが、17日午前6時半ごろ、現場から北に約8キロ離れた箕面市の山中で発見し、逮捕しました。

その際、拳銃が見つかり、1発発射した痕跡があるということです。

飯森容疑者の所持品の中には、現金10万円や精神障害者保健福祉手帳、それに逃走中に購入したズボンや携帯充電器などがありましたが、スマートフォンの電源は入っていなかったということです。

飯森容疑者は、警察の調べに対して、「私のやったことではありません。私が思うのは病気がひどくなったせいです。周りの人がひどくなったせいです」と供述し、容疑を否認しているということです。

警察によりますと、飯森容疑者は10代のころに事件現場の近くに住んでいたことがあり、土地勘があるということで、警察は18日に身柄を検察庁に送り、犯行の動機や経緯を詳しく調べることにしています。

容疑者の父親「大変申し訳ない」

逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)の父親(63)が、代理人の弁護士を通してコメントを出しました。

父親は、関西の民放テレビ局の役員を務めていて、警察が防犯カメラの映像を公開したあと、「息子に似ている」と警察に連絡してきたということです。

父親は、コメントの中で「重大なけがを負わせてしまった警察官の方およびご家族様に対し、心よりおわび申し上げます。1日でも早く回復されることを心から祈っております。また地域の方々をはじめ、多くの皆様にも不安を感じさせることとなりました。大変申し訳ありませんでした」と謝罪しました。

そのうえで、「このような事態となったことについて、大変驚いており、いまだ信じられない気持ちがありますが、今後の警察の捜査にも全面的に協力する所存でございます」としています。

大阪 吉村知事「G20に向け態勢強化を」

大阪府の吉村知事は報道陣の取材に応じ「犯人が逮捕されたことで、府民の命、安全が守られたことにまずは安どしている」と述べました。

そのうえで「できるだけ早く、拳銃を強奪しにくいようにケースを最新のものにするよう大阪府として国に要望したい。G20大阪サミットを控えて、警察には再発防止やさらなる厳重な態勢強化に努めてもらいたい」と述べました。

官房長官「G20 警戒・警備を一層徹底」

菅官房長官は記者会見で「地域住民などに大変不安を与えたところであり、このような事案の発生は重く受け止めている。今後、犯行の動機や背景を含め全容解明に向けて捜査を行っていくものと承知しているが、G20大阪サミットも来週に控えており、警戒・警備を一層徹底していきたい」と述べました。

専門家「交番で24時間対応必要なし」

警察大学校の校長や福岡県警本部長などを務めた京都産業大学の田村正博教授は「交番で警察官が1人になる時間は、どうしても避けられない。交番をねらった事件が相次ぐ中、拳銃を奪われにくいような装備にするなどの対策は進められているが、それにも限界がきている」と話しました。

そのうえで、「日本で生まれ育った交番の制度は、『開かれた交番』として地域の治安を守る役割を担ってきたが、今は携帯電話が普及して、いつでも110番通報できるので、必ずしも交番で24時間対応する必要はなくなっている。夜間や早朝は交番ではなく、多くの警察官がいる警察署で対応できるはずで、一部の交番については廃止も選択肢の一つとして検討する時期にきている」と指摘しました。