交番の警察官刺され意識不明 拳銃奪い犯人逃走 大阪 吹田

交番の警察官刺され意識不明 拳銃奪い犯人逃走 大阪 吹田
k10011954391_201906161321_201906161322.mp4
16日朝早く、大阪 吹田市の交番前で26歳の男性巡査が男に包丁で胸を刺されて意識不明の重体となっています。男は巡査の拳銃を奪って逃走していて、警察は交番の防犯カメラに記録された不審な男の画像を公開し、情報の提供を求めるとともに不要不急の外出を控えるよう付近の住民に呼びかけています。
16日午前5時半ごろ、大阪 吹田市の千里山交番前の路上で、古瀬鈴之佑巡査(26)が左胸に包丁が刺さった状態で倒れているのを、近くの駅の駅員が見つけました。

古瀬巡査は刃物を使った切りつけなどに備えるための「防刃ベスト」を身につけていましたが、体を複数箇所刺されていて意識不明の重体だということです。

警察によりますと、巡査が所持していた5発の弾が入った拳銃が、強奪防止用の金具のフックが外され奪われたということで、警察は強盗殺人未遂事件として逃走した男の行方を捜査しています。

これまでの調べによりますと、当時、交番は3人の勤務態勢でしたが、事件の直前に現場から南に1キロほど離れた阪急千里線の関大前駅構内の公衆電話から「空き巣の被害があった」という通報が入ったため2人が現場に向かい、そのあと巡査が交番を出ようとしたところ刺された可能性があるということです。
この事件で、大阪府警は事件発生の1時間余り前に交番の防犯カメラに記録された付近を歩き回る不審な男の画像を公開しました。

画像には、黒っぽい上着と青っぽいズボン姿で、白っぽい帽子とメガネを身につけた男が、手に何かを持っている姿が写っています。

警察によりますと、この男は午前4時13分から5時ごろにかけて8回にわたって交番の周りをうかがうように歩き回っていたということです。

警察は不審な男の情報の提供を求めるとともに、付近の住民に不要不急の外出を控えるなど警戒するよう呼びかけています。

公衆電話から現場へは電車では行けない

警察によりますと「空き巣に入られた」という通報は16日午前5時28分、阪急千里線の関大前駅の下りのホームに設置されている公衆電話からかけられたということです。

その10分ほどあとの午前5時39分ごろに、隣の千里山駅前にある交番の巡査が襲われて倒れているのが見つかりました。

阪急電鉄によりますと、関大前駅から電車に乗れば千里山駅までは1~2分で着きますが、この時間帯に関大前駅を出発する電車は通報より前の午前5時21分と事件が起きた後の午前5時42分の2本だけで、定刻で運行されていたということです。

救急隊員「巡査は搬送中意識あり」

襲われた男性巡査を大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターに運んだ救急隊員によりますと、巡査は搬送中は意識があったということです。

現在は集中治療室で全身麻酔をかけて治療を受けているとみられるということです。

「出血ひどかった」

警察官が倒れているのを目撃した22歳の男子大学生は「散歩の途中で交番前を通りかかったら、警察官が倒れていて近くに警察官が乗るバイクが倒れていました。刺された人は出血がひどく、周りにいる警察官の1人が声をかけながら手当てをしていて、もう1人が事件の連絡をしているようでした。駅に来るまでは、人通りなどもふだんの日曜日の朝と変わらなかったので、本当に驚きました」と話していました。

襲われた警察官が搬送される様子を目撃したという近くに住む52歳の男性は「パトカーのサイレンの音がけたたましく聞こえて、何があったのかと見に行くと交番の前で血だらけの状態の警察官が、救急車に乗せられるところでした。周りの警察官は『しっかりしろよ』と声をかけていました。この辺りは治安がいいので、こんなことが起こるなんて信じられません。子育ての世代の方が多いので地域として防犯に取り組みたいです」と話していました。

「早く犯人捕まってほしい」

刺された警察官を目撃したという20代の男性は「通勤で千里山駅に到着すると警察官と救急隊の人がいて、人が倒れているのが見えた。最初は一般の人だと思ったが、あとから警察官だと聞いて驚いた」と話しています。

そのうえで「地域の安全を守ってくれる人が刺されたのは悲しくて残念です。この駅は通勤に使っているので早く犯人がつかまってほしい」と話していました。

重体の巡査 実家近くでは「早くよくなって」

意識不明の重体となっている古瀬巡査の福岡県朝倉市にある実家近くの住民からは、事件への驚きや容体の回復を願う声が聞かれました。

近くに住む78歳の女性は「3人兄弟の長男で3人ともラグビーをやっていてがっしりした体格です。事件のことはテレビで知っていましたが、まさか被害に遭ったのが古瀬さんの息子さんとは知らなかったです。突然のことで驚いています。早くよくなってほしいです」と話していました。

81歳の男性は「運動神経が抜群で足も速く、リレーの選手に選ばれていました。すごく真面目ないい人です」と話していました。

全国で相次ぐ交番襲撃 対策のさなかに

交番で警察官が襲われる事件は全国で相次いでいて、再発防止に向けた対策が進められていました。

去年6月、富山市の交番で警察官が男に殺害されて拳銃を奪われたうえ、この拳銃で近くの小学校の警備員の男性が撃たれて死亡しました。

また去年9月には仙台市の交番で、警察官が男子大学生に刃物で刺されて死亡しました。

こうした事件を受けて、警察庁は刃物が突き通せないように防ぐための服を常時着用することや、交番に警察官を複数配置することなど、交番の安全強化を図るよう全国の警察に指示していました。

また、拳銃が奪われにくいように改良した新型の拳銃ケースを、ことしの3月から全国の警察に順次導入を進めているところでした。

警察官の拳銃 奪われないための対策は

警察官が拳銃を装着する際には、拳銃のグリップの部分につりひもを付けて腰のベルトの部分と結び、奪われないような対策をしています。

このひもは金属のワイヤーのような特殊な素材が入っていて、はさみなどでは簡単に切断できないようになっているということです。

今回の事件では拳銃とつりひもをとめる金具のフックが外されて拳銃を奪われたということです。

また、警察庁は装着している警察官本人以外の角度からは拳銃が抜けにくい改良した拳銃ケースの導入を全国で進めていましたが、今回刺された警察官が使っていたのは旧型の拳銃ケースだったということです。