西武信用金庫に金融庁が業務改善命令 理事長が引責辞任

西武信用金庫に金融庁が業務改善命令 理事長が引責辞任
金融庁は、東京の「西武信用金庫」が反社会的勢力との関係が疑われる相手に融資するなど、内部管理体制に問題があったとして、抜本的な改善を求める業務改善命令を出しました。
業務改善命令を受けたのは、東京 中野区に本店を置く西武信用金庫です。

金融庁によりますと、西武信金では、投資用不動産向けの融資で、不動産業者が改ざんした顧客の預金通帳の残高などの書類を見過ごして融資を行う事例が多数あったということです。

さらに本部で反社会的勢力などとの取引防止を担うコンプライアンス担当者が1人しかいないなど、体制が不十分で、反社会的勢力との関係が疑われる相手に対し、十分な確認なく融資していたこともわかったということです。

こうしたことから金融庁は、審査などの内部管理体制に問題があったとして、24日付けで業務改善命令を出しました。
責任を明確にするとともに、抜本的な改善策を講じて来月28日までに業務改善計画を提出するよう求めています。

今回の問題は、静岡県のスルガ銀行で投資用不動産向けの融資をめぐる多くの不正が明らかになったことを受けて、金融庁がほかの金融機関でも問題がないか立ち入り検査を進めた結果、明らかになりました。

西武信金は、スルガ銀行と同じように投資用不動産向けの融資に力を入れてきたことで知られ、去年3月期には過去最高益をあげるなど、急成長を遂げていましたが、ビジネスモデルを根本から見直す必要を迫られています。

西武信用金庫とは

東京 中野区に本店を置く「西武信用金庫」は昭和44年に設立され、去年9月末現在、東京、埼玉、神奈川の1都2県に74の店舗を展開しています。

信用金庫は地域の中小企業や住民の助け合いを目的とする非営利の法人で、株主の利益が優先される銀行とは成り立ちが違います。

西武信用金庫によりますと、去年9月末現在の預金残高は2兆643億円と比較的規模の大きい信用金庫です。
財務の健全性を示す自己資本比率は9.28%で、国内だけに拠点を置く金融機関に求められる水準の4%を大きく上回っているとしています。

西武信用金庫のホームページでは「反社会的勢力に対する基本方針」と題して組織としての姿勢を表明しています。
この中では「反社会的勢力とは関係の遮断に向けた態勢整備に取り組む」とし「不当要求は拒絶する」とうたっています。
さらに「事実を隠ぺいするための裏取引」や「反社会的勢力への資金提供」は「絶対に行わない」としています。

理事長が引責辞任

業務改善命令を受けた西武信用金庫は24日夕方、記者会見を開き、経営責任を取るため24日付けで落合寛司理事長が辞任し、高橋一朗常務理事が後任の理事長に就任したと発表しました。

高橋理事長は記者会見で、「お客様に多大なるご迷惑とご心配をおかけし、心から深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

そのうえで、「改善命令を真摯(しんし)に受け止め、地域に密着した経営と顧客を重視した営業活動に徹し職員一丸となって信頼の回復に努めたい」と述べました。