NTTドコモ 高額端末 36回払いで負担軽減

NTTドコモ 高額端末 36回払いで負担軽減
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通信料金の値下げに向けた携帯各社の新たな料金制度では、端末代金の負担が増える見通しになっています。このためNTTドコモは、高額のスマートフォンを3年間、36回の分割払いで購入した場合に、支払いの負担を軽くできる新たな販売方法を導入することになりました。
NTTドコモが発表した新たな販売方法では、スマホ端末は、定価での販売を原則としますが分割払いを選択できるようにします。

このうち、8万円台以上などの高額の端末は、3年間、毎月にあたる36回の分割払いで購入した利用者を対象に、24回分を支払った段階でスマホを返却すれば、残りの支払いが免除されます。

会社が2年で端末を買い取る代わりに、最大で12回分の支払いの負担を減らす形です。

ドコモは国の方針にそって、来月から通信料金と端末代金を分離し、通信料金を2割から最大4割引き下げるプランを導入しますが、端末代金の負担が増すため、高額の端末に限って軽減策を打ち出した形です。

また、ドコモは今後は価格を抑えた端末の需要が増えるとして、3万円台から4万円台のスマホを新たに4機種投入します。

こうした対応策を最大手のドコモが発表したことで、今後、ほかの各社の戦略にも影響を与えそうです。

吉澤社長「中価格帯を充実させる」

NTTドコモの吉澤和弘社長は記者発表のあと、NHKの取材に対して「端末と通信が分離されると全体的に端末代金が高くなるので、ミッドレンジ、中価格帯の端末の需要が見込まれる。この価格帯を充実させていく戦略だ」と述べました。

また、携帯電話料金が全体として安くなるのかどうかについて、吉澤社長は「通信料金プランと端末の組み合わせによっては、合算した料金が高くなってしまうことはあるかもしれないが、ほとんどの利用者の料金が安くなる」と述べました。

端末料金 新旧で比較すると…

ドコモが導入した端末代金の新しい販売方法は、高額の端末を購入するユーザーを優遇することで、囲い込みをねらう側面もあります。

この仕組みは「スマホおかえしプログラム」と名付けられ、8万円台以上などの高額のスマートフォンを対象にしています。

新しいプランは、3年間36回の分割払いで購入したユーザーを対象に、2年間、24回分を支払った段階でスマホを返却すれば、最大で残りの12回分の支払いを免除するものです。

これは、数年後に車を下取りに出すことを前提に、月々の支払額を抑える「残価設定型」と呼ばれる自動車ローンに近い形です。

6月1日以降、この販売方法の対象になる高額のスマホは、ソニーやサムスンの高価格帯の機種のほか、現在販売しているアップルのiPhoneの最新機種も対象になります。

例えば、「iPhoneXS」の場合、は、端末代金は11万9400円です。

新しい仕組みでは、端末価格が変更される可能性もありますが、現在の価格で計算すると、36回の分割払いで毎月の支払い額は3316円です。2年がたった時点で、端末の買い取りを選べば、残りの12回分の支払いが免除されます。

これに対して、従来のプランでは、24回の分割で購入した場合、毎月の端末代金の支払いは4975円になります。

ただ、2年間の契約が条件のいわゆる「2年縛り」で契約すると、月々2275円の実質的な割り引きがあり、毎月の支払い額は2700円となっています。

この結果、新旧の端末代金を比べると、新しい仕組みのほうが22%高くなります。

一方、最大で4割の値下げとなる通信料金と合わせた全体の支払い額でみますと、通信量が30ギガバイトのプランの場合、2年間の金額は従来プランが24万3320円、新しいプランが22万3120円となり、全体では8%安くなります。

その一方で、中価格帯の端末を選び、分割払いを終えた後もその端末を使い続けることで、毎月の負担を減らす方法もあります。

どのような価格帯の端末をどのように購入するか、その選択はユーザーに委ねられることになります。

存在感増す“中価格帯”スマホ

通信料金との分離によって、端末代金の負担が増える見通しとなる中、各社が力を入れるのが“中価格帯”のスマートフォンです。

NTTドコモは、来月1日以降、中価格帯の端末として、ソニー、富士通、グーグル、LGの3万円台から4万円台の4つのスマホを発売します。

調査会社の「MM総研」の調べによりますと、高額のスマホの代表例とされるiPhoneを販売するアップルの昨年度の国内の出荷台数は1519万台と、前年度よりも106万台減少。市場のシェアは2014年度の56.1%から減少傾向が続き、昨年度は49.6%に低下しています。

一方、シャープの昨年度の出荷台数は405万台で、2年前と比べると125万台増えています。これは3万円台の「AQUOSsense」の販売が伸びたためで、スマホ市場のシェアでソニーを抜いて2位に浮上しています。

シャープは「3万円台でも日常使いでは困らないレベルまで機能が向上した。すべての人に高機能、高価格の端末が必要なわけではない」と分析しています。

これに対抗するように、ソニーも今回、ドコモを通じて4万円台の「XperiaAce」を新たに発売します。

さらに、中価格帯のスマホのほかにも、値ごろな中古のスマホも販売台数が増えていて、日本の携帯電話市場にも変化が起きそうです。