百舌鳥・古市古墳群 ユネスコ諮問機関が世界遺産登録を勧告

百舌鳥・古市古墳群 ユネスコ諮問機関が世界遺産登録を勧告
世界文化遺産への登録を目指している大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」について、ユネスコの諮問機関は世界遺産に登録することがふさわしいとする「記載」の勧告をまとめました。これにより、「百舌鳥・古市古墳群」はことしの世界遺産委員会で世界文化遺産に登録される見通しとなりました。
大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」は大阪府内に4世紀後半から5世紀後半にかけて造られた古墳群です。なかでも仁徳天皇陵とされる陵墓は全長486メートルに及ぶ世界最大級の前方後円墳で、ことしの世界文化遺産への登録を目指しています。

ユネスコの諮問機関「イコモス」は現地調査などを行った結果、世界遺産に登録することがふさわしいとする「記載」の勧告をまとめました。

今回の勧告は4段階ある評価のうち最も高いことなどから、「百舌鳥・古市古墳群」はことしアゼルバイジャンで開かれる世界遺産委員会で、正式に世界文化遺産に登録される見通しとなりました。

国内の世界遺産は現在、文化遺産が18件、自然遺産が4件です。

仁徳天皇陵は世界最大級の王の墓

「百舌鳥・古市古墳群」は、大阪府南部の堺市と羽曳野市、藤井寺市にまたがる2つの古墳群で、4世紀後半から5世紀後半ごろに造られた49基の古墳からなります。

巨大な前方後円墳が集中しているのが特徴でこのうち、堺市にあり宮内庁が「仁徳天皇陵」として管理し、「大山古墳」とも呼ばれる前方後円墳は全長およそ500メートルと国内で最大です。エジプト・クフ王のピラミッドや中国・秦の始皇帝陵などと並び世界最大級の王の墓とされています。

また羽曳野市にあり、「応神天皇陵」として管理されている前方後円墳は国内で2番目の大きさです。

巨大な古墳の近くに大小さまざまな古墳があるのも特徴で円墳や方墳など、古墳の形や大きさは埋葬された人物の地位を表していると考えられています。

巨大な前方後円墳に葬られた王の親族や臣下の墓とみられ、日本列島における古代王権の成り立ちを表す貴重な遺跡とされています。

最も高い評価「記載」 これまですべて世界遺産に

ユネスコの諮問機関「イコモス」の勧告は世界遺産への登録の可否を決める世界遺産委員会の判断に影響を与えます。

イコモスの審査は「普遍的な価値の証明が十分か」や「保全状況は十分か」などを基準に行われ、最も高い評価の「記載」、「情報照会」、「記載延期」、「不記載」の4段階で評価します。

このうち、「記載」の評価をうけたものは、これまですべて世界遺産に登録されています。

それに次ぐ「情報照会」は追加で情報を提出させて翌年以降に再度審査を、さらに「記載延期」は本質的な改定が必要だとして登録を見送るべきという内容の勧告です。

ただし過去にはこの2つの勧告を受けたものがその年の世界遺産委員会で登録が認められたケースもあります。

最も低い評価の「不記載」は世界遺産にふさわしくないという勧告で、これが世界遺産委員会で確定すると世界遺産への登録は難しくなります。