ニホンライチョウ1羽 中央アルプスで越冬し定着か

ニホンライチョウ1羽 中央アルプスで越冬し定着か
ニホンライチョウがおよそ半世紀前に絶滅したとされる長野県の中央アルプスで、今月、環境省などが調査した結果、1羽が生息している痕跡が見つかりました。環境省などは、別の場所から飛来したとみられる1羽が冬を越えて定着したとみて、中央アルプスでの繁殖計画を進めることにしています。
国の特別天然記念物で、絶滅が危ぶまれている二ホンライチョウは、中央アルプスでは、およそ半世紀前に絶滅したとされていますが、去年、別の場所から飛来したとみられるメス1羽の生息が確認されました。

環境省や専門家が調査を行ったところ、今月8日に中央アルプスの木曽駒ヶ岳の山頂付近で、前の日にできたとみられるライチョウの足跡などを発見しました。

NHKが環境省などに同行して今月8日に撮影した映像では、雪の上に残ったライチョウの小さな足跡や、餌となる高山植物をついばんだ跡が確認できます。

環境省などは、去年見つかったメスが冬を越えて定着している可能性が高いとして、13日、東京で開かれた会議で関係者に調査結果を報告し、今月にも長野と岐阜にまたがる乗鞍岳から有精卵を移して、このメスに温めさせ、中央アルプスでライチョウを繁殖させる計画を始めることにしています。

また、ライチョウの生活環境を守るため、登山者に対して、山の上で見つけてもむやみに近づかないことなどを呼びかけています。

環境省信越自然環境事務所の福田真さんは「中央アルプスで定着できることが分かった。慎重に事業を進めたい」と話しています。

ライチョウと保護計画

国の特別天然記念物の二ホンライチョウは、1980年代にはおよそ3000羽が確認されていましたが、10年前にまとめられた調査結果では、およそ1700羽にまで減少し、絶滅が危ぶまれています。

現在は、北アルプスや南アルプスなどに生息し、中央アルプスでは、およそ半世紀前に絶滅したとされています。

天敵となる動物の生息地の拡大や登山者の増加、それにライチョウの餌となる高山植物が温暖化の影響で減ったことなどが生息数の減少の原因とされています。

こうした中、環境省などは、絶滅を防ごうと7年前、それまでの方法を変えて、人の手を加えて繁殖を行っていく新たな保護計画を策定しました。

この計画に従って、長野県大町市の博物館や、東京の上野動物園など、全国5つの施設で、人工繁殖が進められ、ことし3月からは保護の大切さを知ってもらおうと一般公開も始まっています。

中央アルプスでも別の場所から移した有精卵を、今回確認されたメスに温めさせてふ化させる計画のほか、別の場所からライチョウそのものを移動させる計画も検討されています。