幼児教育と保育の無償化法案 参院で成立へ

幼児教育と保育の無償化法案 参院で成立へ
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幼児教育と保育を無償化する法案が、10日、参議院本会議で成立する見通しです。一方、児童虐待の防止策を強化するための法律の改正案は、衆議院本会議で、野党側が提出した法案と合わせて審議が始まります。
10月の消費税率の引き上げに合わせて、3歳から5歳の子どもを対象に、幼稚園や認可保育所などを無償化するための「子ども・子育て支援法」の改正案と、来年4月から、所得の低い世帯を対象に、大学など高等教育にかかる経済的な負担を軽くするための法案は、9日、参議院の委員会でそれぞれ可決され、10日の本会議で成立する見通しです。

一方、児童虐待の防止策を強化するため、政府が提出した、親による体罰を禁止し、児童相談所に弁護士や医師の配置を義務づけるなどとした法律の改正案は、10日、衆議院本会議で、安倍総理大臣も出席して審議が始まります。

本会議では、野党側が提出した、虐待した親に対する再発防止プログラムの導入なども盛り込んだ法案も合わせて審議に入ることになっていて、野党側は、実効性のある対策となるよう、政府案の修正を求めていく方針です。

これに対し、与党側は、法案の早期成立を目指し、野党側と修正協議を行うことも含め、柔軟に対応することにしていて、与野党が合意に至るかどうかが焦点となります。

根本厚労相「質向上のための取り組み進めたい」

根本厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し、「無償化を契機に認可外保育施設の質の向上を図ることが重要だ。特にベビーシッターについては職員への研修を設けるなど新たな方策が必要だ。自治体などの意見も丁寧に聞きながら、質の向上のための取り組みを進めたい」と述べました。

宮腰一億総活躍相「地方自治体と連携して取り組む」

少子化対策を担当する宮腰一億総活躍担当大臣は閣議のあとの記者会見で「これまでの審議で、認可外保育施設の質の確保など、さまざまな指摘が出されたことは真摯(しんし)に受け止めたい。無償化の実施にあたっては実務を担当する地方自治体とよく連携して取り組んでいきたい」と述べました。

立民 蓮舫参院幹事長「『無償化』響きはよいが 中身は全く違う」

立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は会派の参議院議員総会で、「『無償化』という響きはよいが、中身は全く違う。保育の質の格差をそのままにして一律に無償化し、保育士の努力や子どもたちの安全などの格差を改善することもない。財源が限られた中で、響きだけがよい『幼保無償化』は子どもたちのためにはならないし、待機児童の解消にもならない」と述べました。

公明 山口代表「必要な保育に経済的支援求められる」

公明党の山口代表は党の参議院議員総会で、「保育の必要があるところに経済的な支援をすることがいま求められている。また待機児童への対応策は無償化と並んで、車の両輪とも言える施策なので、両方進めていくことが重要だ」と述べました。

一方、立憲民主党を念頭に、「消費税にも反対し、一貫性のない、責任感を貫けない対応は厳しく批判されるべきだ」と述べました。

共産 笠井政策委員長「公的保育制度を後退させる」

共産党の笠井政策委員長は記者会見で、「保育料が免除されている住民税の非課税世帯にとって、消費税の増税分が重くのしかかるだけで認められない。無償化の費用がすべて市町村の負担になり、公立の保育所の廃止や民営化を加速させることになる。自治体の保育実施義務に支えられた公的な保育制度を大きく後退させるものだ」と述べました。