北朝鮮 短距離ミサイル2発発射か 米韓が分析進める

北朝鮮が9日午後、今月4日に続いて再び飛しょう体を発射しました。発射されたのは短距離ミサイル2発で、最大で420キロ飛行して日本海に落下したとみられ、米韓両軍が詳しい分析を進めています。
韓国軍の合同参謀本部によりますと、北朝鮮は日本時間の9日午後、北西部ピョンアン(平安)北道のクソン(亀城)付近から2発の飛しょう体を東の方向に向かって発射しました。

韓国軍の分析では、2発はいずれも短距離ミサイルとみられ、1発目は日本時間の午後4時29分ごろに発射されて420キロ余り飛行し、2発目はその20分後に発射されて270キロ余り飛行したということです。

また、韓国メディアは、2発とも高度は50キロ余りに達し、日本海に落下したと伝えています。

韓国軍は、発射地点について当初、北朝鮮のミサイル開発の拠点があるとも指摘される北西部ピョンアン北道シノリ(新五里)付近としていましたが、その後の分析結果として、シノリから北西に40キロほど離れたクソン付近だったと修正しました。

北朝鮮は今月4日に東部のウォンサン(元山)から日本海に向けて最大で20発余りの飛しょう体を発射し、この時は最大でおよそ240キロ飛行したと分析されています。

北朝鮮は、この発射について、自衛目的の新型の「戦術誘導兵器」や長距離ロケット砲の発射訓練だったとしていますが、国連安全保障理事会の制裁決議に違反するおそれのある弾道ミサイルが含まれていた可能性も指摘されています。

韓国軍は今回の発射についても弾道ミサイルだとはしていませんが、前回よりも飛距離が伸びており、米韓両軍がさらに詳しい分析を進めています。

防衛相「わが国の安全保障に直ちに影響ない」

防衛省は岩屋防衛大臣のもとで関係幹部会議を開いて、情報の集約と分析を行いました。

このあと岩屋大臣は午後6時半ごろ、記者団に対し、「わが国の領域や排他的経済水域への弾道ミサイルの飛来は確認されていない。現時点において、わが国の安全保障に直ちに影響を及ぼす事態ではない」と述べました。

そのうえで、「北朝鮮の意図について断定的に申し上げる立場にはない。アメリカや韓国としっかり連携して、北朝鮮の動向をしっかり見極めて、関連情報の収集と分析に努め、警戒監視に万全を期していきたい」と述べました。

北朝鮮元駐英公使「ミサイルは約束していない」

北朝鮮が飛しょう体の発射に踏み切ったことについて、北朝鮮の元駐イギリス公使で、3年前に韓国に亡命したテ・ヨンホ(太永浩)氏はNHKとのインタビューで、先の米朝首脳会談が物別れに終わったことを踏まえて「北朝鮮はアメリカが変わるまで黙って待つというシステムではない。協議を維持しながらも、アメリカに強力なメッセージを送ることが重要なのだ」と指摘しました。

そのうえで、「トランプ大統領にも核実験やICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験はしないと約束したが、短距離と中距離のミサイルについては約束しなかった」と述べ、アメリカの姿勢が年末までに変わらない場合、中距離ミサイルも発射する可能性があるという見方を示しました。