母の日の花 なぜ喜ばれないの?

母の日の花 なぜ喜ばれないの?
「母の日にはたくさんの花が贈られてきます。でも、できれば花を贈るのは控えて欲しいんです」母の日の定番とも言える贈り物をめぐって今、1件のツイートが話題になっています。(ネットワーク報道部 飯田暁子・高橋大地)

介護現場からの「心の声」

冒頭に紹介したツイート。実は、施設で高齢者の介護に関わる仕事をしているという男性が「心の声」として投稿したものです。施設にはこの時期、利用者の人たちあてにたくさんの花が贈られてくるといいます。そのため、介護職の人たちは、利用者の対応をするだけでなく、花の世話をする仕事まで増えてしまうことから、男性は「花を贈るのは控えて欲しい」とツイートしたのです。

相次ぐ賛同の声

これに対して、介護に関わる仕事をしている人たちなどから賛同する声が多く寄せられました。

「生花は管理の問題があるのでご家族が世話をしてくださるなら歓迎ですが、基本はお断りしたいです」

「鉢植えの花が枯れても壁に掛けたドライフラワーが崩れてぼろぼろになっても利用者の所持品は処分できないので苦労しました」

「季節を感じてもらうためにはとてもいいと思いますが、口に入れてしまうリスクも考えるとないほうがいいのかな」

花が感染源に?

さらに介護福祉士を名乗る人からの気になるツイートもありました。

「花は感染の温床になったりするので持ってこないでほしい」

調べてみると、病院の中には鉢植えや生花の持ち込みを禁止しているところもあるようです。理由は感染症対策。植物や花瓶の水、鉢植えの土には細菌や真菌(カビの仲間)が存在していて、抵抗力が低下している患者にとってリスクになるというのです。
一方、日本感染症学会は、病院からの「生花や鉢植えの持ち込みを厳しく禁止するべきか」という質問に対し、2015年10月、「免疫不全がなければ、花瓶の水や鉢植え植物は感染源とはならない」と明確に回答しています。

そのうえで「慎重な対応」として、
▼花や植物は患者に直接接しないスタッフが取り扱う
▼植物を扱った後は手を洗う
▼花瓶の水は1日おきに交換し、水は患者から離れた流し台に捨てることなどを紹介しています。

少しだけ配慮を

言うまでもなく、手入れの行き届いた美しい花々は、人の心をいやしてくれます。今回、話題になったツイートした男性に聞いても、「お花が絶対ダメというわけではありません。花であればチェストの上にそのままちょっと置けるような小ぶりなアレンジフラワーにするなど、少しだけ配慮してもらえればうれしいです」と話してくれました。

1人暮らしの母親も

母の日に贈られる花。本人が喜ばないケースもあるようです。

記者の上司は先日、都内で1人暮らしをしている母親からこう言われたそうです。

「そういえば母の日が近いけど花は贈ってくれなくていいからね」

母親は81歳。神経痛がひどくなり、掃除などの家事がやや不自由になってきています。最近では、掃除や買い物の補助をするため上司が週末に実家に帰るのが習慣になりつつあり、この連休中も実家に戻りすっかり伸びた雑草を刈り取ったあとに休んでいたところ、母親から突然、冒頭のように言われたというのです。

贈られた側が負担になる

訳を聞くと「だって、こん包を開くのも片づけるのも面倒なんだもん。花が終わったら終わったでプラスチックの鉢とかスポンジみたいなのとか処分も面倒!」とのこと。

母親はもともと花好きで、日当たりのよい窓辺で花を育てていましたが、最近は鉢が乾燥しかかっていることや、枯れた花が床に落ちたままになっていることも多く、「手が行き届いてないな」と感じることも増えてきていたそうです。

こんなツイートも見つけました。

「高齢の母は数年前から生活動作に差し障りが出ている。なのに。毎年、植え替え&世話が大変な鉢植えの花を持って来る姉。持ってきても世話できないからいらないって言われたよね?」

高齢化が進んだ日本。贈られる花が負担になることもあるのです。

じゃあ、何を贈る?

では、母の日に何を贈るのが喜ばれるのでしょうか。

介護施設で働く人たちの声をネット上で見てみると、「面会に来て、元気な姿を見せてあげるのが一番」「顔を見せに来られなくて心苦しいなら、写真や手紙が一番良い。荷物にならず、飾るのに手間もいらない、いつでも手に取れる思い出は、楽に作れるのに、なんでまた花を…」といった意見に共感が寄せられていました。

さらにプレゼントを贈るなら、ひざかけやタオル、履き口のゆるい靴下などが実用的だということです。

母親が欲しいのは?

母親に直接尋ねた調査もありました。

楽天インサイトがことし3月に母の日に子どもからプレゼントをもらったことがある女性およそ160人を対象に行った調査では、▽もらいたいプレゼントの1位は「母への感謝の言葉」で29.2%、▽2位は「食事」で26.7%と、どちらも「もの」ではありませんでした。一方で実際にもらったもので最も多かったのは「花」でした。
もちろん、花などが喜ばれないということではありません。

これまでも母の日になると、こんなツイートがあふれています。

「長男くんからちょっと早めの母の日プレゼント。いきなりだったからめっちゃ嬉しかった」

「まだ月毎のお小遣いなんてあげてないのに、今まで貯めてきたお駄賃やお年玉から1000円という大金を出して私にくれた。見るたび笑顔になるし涙でるし、心臓がきゅっとなる…」
さて、5月12日のことしの母の日、あなたはどうしますか?